何十年も前のことです。私は美容室で不覚にも居眠りをしてしまいました。
夢うつつの中で聞こえたリズミカルなハサミの音。
その頃、女の子の刈り上げがちょっと流行ったのです。だからかなり昔のことです。
眼が覚めた私は絶叫しそうでしたが言葉もでません。男性美容師さんはもう満足度100%で「似合いますねえ」と。
何と!刈り上げ。
サザエさんに出てくるワカメちゃん?口さがない人はワカメちゃんなんてもんじゃない。タラちゃんみたい…と。
乙女心は傷つき、私はウィッグの店に行きました。
そしてしばらくそれで過ごしたのです。
でも段々見慣れてきた私はある日、試しにウィッグをとりました。すると、いつもは口の悪い父が「そっちのほうが全然いいじゃないか」と。
そのひとことで私は堂々とタラちゃんスタイルで髪が伸びるのを待ちました。
さて、私は2ヶ月ほど前に、何を血迷ったか...髪を切りました。
ほとんどの方から悪評でしたが、心優しい皆さんは静かに見守ってくれていました。
失敗作であることは、誰よりも私自身がよく分かっていました。
厳しいかたはクレームを…。これも愛情の表現?
ここで、以前ブログに投稿した五木寛之氏の言葉を思い出したのです。
「ちょっとお疲れのようですけど」「きょうは顔色がよくありませんね」と気遣ってくれるのが、いやでいやでしようがない...と。
そうなんです。私も常に、嘘でもいいから元気が出る言葉が欲しい!
と思っているひとりです。
ペンは剣よりも強し...と言いますが、言葉は刃物より鋭いと思います。
何故なら、私は、見たり聞いたりすることでいつも心が揺れ動くタイプだからです。
だから私には『ヨーガ・スートラ』が必要なんです。
東上線が踏み切り事故で止まりました。2時間以上は再開の見込みなし...というアナウンス。
仕方なくタクシーで。
タクシー乗り場は長蛇の列です。のんびり構えましょう...と、並んだら、私の前にずぶ濡れになっている若くて美しい女性。傘をさしかけ「どこまでいらっしゃるのですか?」と聞いたら何と同じ駅。そしてタクシーを待つこと1時間半。彼女と一緒に乗り込んだタクシーの中での投稿です。
私のジンクス。電車が止まると必ず良いことがある!
アッ!勿論タクシー代は私が払いました。(荻山貴美子)