デパ地下で野菜のまとめ買い。
青々としたそら豆の前で不意にフラッシュバック。
そら豆のスープ、じゃがいものスープ、人参ジュース、かぼちゃのスープ。
彼のためによく作りました。
夫が亡くなってから私は一切作らなくなりました。
支度をしている私に「今日のご飯は何?」とキッチンを覗き、首をすくめてつまみ食いをしていた夫。
夜中に居酒屋の仕込みさながらにお惣菜を作りバットに並べていると「美味そう」と言って眺めていた夫。
まさかお買い物をしている少しの時間にあの懐かしい場面が思い出されるとは…。
ガンとの闘いの中でも平和で楽しい時間が確かに2人にはありました。
普段は仲がよかったけれどケンカをすると思わず言ってはいけないことも口から出てしまい後悔はたびたび。
しかし、夫はすべてを包み込む心の広さがありました。
涙が次から次に流れてきましたが、幸いマスクをしていたので人には気づかれずに済みました。
レジを終えて、東上線に乗っても涙は止まらず…。
ときわ台から自宅に帰る帰り道、ふと空を見上げたら月は見えませんでしたが、一際目立つダイヤモンドのように煌めく星。
夫が守ってくれている…と思いました。
フラッシュバックは不意に襲ってくるのですね。