yama room

山コンビ大好き。

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きらり

1126誕生日(2013)

2013-10-25 17:57:16 | 山 誕生日

[ちょっと(だいぶ?)早いのですが…]





「来月誕生日だね~?」

「ん~」


ソファの上で雑誌を読んでいる智くんにそう話しかけると
あまり誕生日というものを重要視していない智くんは
気のない返事を返してくる。


「ね、何か欲しいものある?」

「んふふっ。早くね?」


お互い忙しい毎日。
これから年末に向け益々時間に余裕が
なくなってくることは目に見えていた。
だから早めに欲しいものを聞いておいて選べる時に
じっくりといいものを選びたかった。


「ふふっ。いいじゃん。ね、欲しいものとかない?」

「……」


智くんは無言になるとなると、う~んと言って考え始めた。


「……じゃあ」

「うん?」

「船 とか?」


何と言ってくるのかとワクワクしながらその顔を見る。
智くんはニコッと意味深に笑ったかと思ったらそんな事を言ってきた。


「……何度も言っていますが、それはダメです」

「んふふっ。ダメかぁ~翔くんなら買えそうなんだけどなぁ」

「ダメに決まってるでしょ」


そう言うと可愛らしい顔で、んふふっと笑った。
智くんはあまり物欲というものがない。
しかも不思議な事に昔からよく色々な人からものを貰う人だった。
だから自分としては特別な何か残るものを贈りたいと
いつも思っているのだけどさすがに船は、ね。


「船以外でお願いします。お姫様」

「姫じゃねーし」

「ふふっ」


そう思いながら可愛らしく微笑んでいる智くんにそう言うと
姫じゃねーしと言って頬を膨らませた。
でも本人が気づいていないだけで
周りはきっとそう思っているんじゃないかと思う。


本人が求めてなくてもいつも誰かに守られて、構われて。
本当は一人で何でもできてしまう人だけど
こちらから手を出したくなってしまう不思議な人。


前に雑誌の対談で、相葉ちゃんが言っていた
周りの人が何でもやってくれる星の下に生まれてきている人だ
という話をしていたことを思い出す。


その時に船もないのに知り合いの船長が船を出してくれたり
車の免許も持っていないから誰かが必ず
送り迎えをしてもしてくれていると。
誰かが間違いなく何かしてあげたいと思うはずだからと
言うような話をしていたっけ。


本当に不思議な人。
自分からは一切求めないのに、ね。


「じゃあ、翔くんからの愛でいいや」

「あ、愛?」


そんな事を思っていたらとびきりの可愛らしい笑顔になり
愛でいい、とか言い出していた。
確か去年もそんなような事を言ってなかったっけ?
これだけありとあらゆる人に愛されているのにまだ求める?


家族からの愛はもちろんメンバーからも愛されて。
そして事務所の先輩や後輩からも慕われているというよりかは
愛されているという言葉がぴったりな気がする。


そして共演者や芸人の方々からも愛されていて。
そう言えば、だちょうの上島さんは自身の会のメンバーから
7年もメールを覚えるように言われていたのにも関わらず覚えようとせず
智くんと共演してすぐに智くんとメールがしたくて覚えたって言ってたっけ。
本当に智くんって不思議な人。


「……何か難しくてよく分かんないんですけど」

「翔くんの困った顔、好き」


そんな事を思いながらそう言うと智くんはじっと顔を見つめてくる。
そして好き、と言って首に腕を回してきてちゅっと
触れるだけのキスを唇にしてきた。
唇が離れると目と目が合う。


「どうしたの?」

「んふふっ」


そのままじっと見つめてくるからどうしたのかと聞くと
可愛らしい顔でんふふっと笑った。


「……ずっと5人で一緒にやってこうね」

「……? 当たり前でしょ」


そして急に真面目な顔になったかと思うとそんな事を言い出す。


もしかしたら


智くんは最近あったあの出来事を
ずっと気にしていたのかも知れない。
昔からずっと5人でって言い続けていた人だったから
そんな事があって心配し不安になるのは仕方がない気がした。


「俺たちは大丈夫だよ」


そう言ってその華奢な身体をぎゅっと抱きしめると
背中に手が回ってきてぎゅっと抱きしめ返してくる。
そのまましばらく抱き締め合う。
そしてゆっくりと身体を離すとお互い見つめあう。


「大丈夫だよね?」

「うん、大丈夫」


そう確認してくる智くんが何だか泣きそうな顔をしていたから
大丈夫だと言って強くまたその身体を抱きしめた。


そして少しその力を緩めるとその額にちゅっとキスを落とす。
智くんが上を見上げてきたからその唇にもちゅっとキスをした。
唇が離れるとまたお互いに見つめあう。


「好きだよ、智くん」

「うん」


“自分が守る。智くんも、そして嵐も”


そう強く思いながら智くんの身体をもう一度ぎゅっと強く抱きしめた。