嵐にしやがれ 8/16 女子力
「どうしたんですか?」
楽屋に戻ると翔さんが一人椅子に腰掛け
難しい顔をしていたからどうしたのかと話かけてみる。
「いやぁ不思議だなあって」
「何がですか?」
まあどうせ大野さん関連だろうとは思いつつ
近くの椅子に腰掛け聞いてみる。
「綺麗なのと女子力って、比例しないんだなって」
「それって、リーダーの事ですか?」
やっぱり大野さんのことか。
「そう。あんなにダンスの時はしなやかで柔らかくて綺麗なのに
女子力っていうと、何か違う気がするんだよね」
「まぁ、そうですね。
リーダーは、はっきり言って女子力は高くないですね」
「不思議だよねぇ」
そう言って翔さんは不思議そうな顔をする。
「翔さんはリーダーに女子力が高くいて欲しんですか?」
「女子力が? いや、智くんは今のままがいいな。
女子力が高い智くんなんて想像つかねえし」
確かにリーダーのダンスにはしなやかさと柔らかさがある。
手先足先まで神経が配られていて動きがとても
キレがあるのに綺麗だ。
でもかと言ってそれが女子力かというと、そうではない気がする。
力強さと繊細さを持ち合わせていて動きも身体も綺麗なのに
不思議と言えば不思議な気がしなくもない。
本人は全く自覚していないところが、またすごいところだけど。
「でも、女子力で言ったら翔さんの方が高いんじゃないんですか?」
「え~俺ぇ?」
翔さんは意外って顔をする。
あんなノリノリだったくせに~。
「ぬいぐるみ抱いている姿、可愛かったですよ」
「え~でもあんなの演技だし」
「ふふっまあ、そうかもしれないですけどね」
「でもさ、そう言ったら、にのの方が女子力高いじゃん?」
「俺が?」
突然思いもしないことを言われて思わず聞き返す。
「そう。まあ松潤は間違いなく高いけど、
ニノのあの床に座っている姿とか、ソファの横に座っている姿は
女子力が高くて可愛かったよ」
「そう言われても、あんま嬉しくないですけどね」
「ふふっ」
「でも、リーダーと決定的に違うのはリーダーが無自覚ってことですよね」
「そうなんだよね」
そう。あれだけ指先まで神経が行き届いた綺麗なダンスを
踊ったり色気があったり艶やかだったりするのに
すべて無自覚なんだよなぁ~凄いよなぁ~なんて思いながら
翔さんと笑いあった。
部屋に帰ってから二人で久々に過ごす時間。
シャワーを浴びてお互い自由な時間を過ごしながら
お酒飲んだりして過ごす。
そして今日ニノと話したことを思い出し
思わずその身体をゆっくりと押し倒す。
智くんは突然どうしたの? って顔をして見つめてくる。
その智くんの綺麗な顔、そして顔の横には
智くんの美しい手があってそれを見つめた。
智くんの手って静止画でも動いていても色気があって
すごく綺麗な手なんだよね。
でもかと言ってやっぱり女子力ではないんだよね。
不思議だな~なんて思いながらその手を見つめていたら
智くんが不思議そうな顔をして見つめてくる。
「ふふっ何でもない」
この無自覚な美しさがまたいいんだろうな。
そんな事を思いながらその美しい手にちゅっとキスをした。
VS嵐 8月7日 ホットロードチーム
『やっぱスピードですよ。言ってたやつです』
『そうねぇ』
『大野さん毎回そう言ってるんですけど本当にできるのかって
すごく不思議がってて。今投げたら赤ピン取れるんですか?』
『取れますよ』
『じゃあエキシビションで投げて頂いて~』
「にの喜びすぎだったよ~」
「へ?」
セットの交換の合間、一人でいたにのにそう言って
話しかけた。
「さっき智くんが赤ピン倒したじゃん?
そん時すごい喜んでたじゃん」
「ああ、あれ。
なんだろう? 俺ああいうの、めちゃくちゃ楽しくなっちゃう人なんだよね~」
にのは他人事のようにそう言って可笑しそうに笑った。
「ふふっ。でも、いつもそんな感じだよね」
「そうですか?」
「そうだよ~」
いつも冷静で周りをよく見ているにのだけど
智くんのああいう場面を見るとはしゃいで
子供みたくなっちゃうんだよね~。
そこがすごく可愛いとこだけど。
「でもあの人って、やっぱりやる時にはやる人、
そして結果を出す人なんですよね」
「うん、そうなんだよね」
普段はのんびりしているけどいざとなると
すごい力を発揮するんだよね。
昔はそれさえもあまり表にはだそうともしない人だったけど
最近は少しずつどこがどうって訳でもないけど変わってきた気もする。
まあそうはいっても俺が俺がって前に出るタイプでないと
言うことには変わりないけどね。
「ああいうとこが、やっぱかっこいいんですよね」
「まあね」
そう言って二人でやっぱり相葉ちゃんとのんびり話をしている
智くんを見つめた。
嵐にしやがれ 8/2 内田選手
『良かったんですか? この5人で』
『それは良かったよ』
『一人チェンジできるとかなったらどうします?』
『スゴく良い質問だと思うけど
一人チェンジしちゃうとね、嵐にならないんだよね』
『バランス変わっちゃうからね』
『いやぁなくなるだろうね』
「不思議だよね」
「ん~?」
二人でベッドに入ってそろそろ寝よっかって感じに
なってきた時、智くんが上を向いたままそう言った。
「俺らって性格も考えてることも、てんでばらばらなのにさ
この点だけは昔から5人とも考えが変わらないんだよね」
「ああ、今日の収録のこと?」
智くんはまっすぐ上を向いたままそう小さく呟いた。
「そう」
「まあ、そうだね」
確かに5人とも性格とかはバラバラだけど
この一点だけは昔から共通している。
「よくさ奇跡の5人って言われっけどさ。
そん時は、そっかな? なんて思うんだけど
改めてああいう話になるとやっぱりそうなのかなって
思うんだよね」
「うん、そうだね」
そう。自分たち5人はこの5人でないとダメだ。
そしてそれぞれそうみんな思っている。
この5人でないと嵐にはならない
だから一人でもかけたらニノの言うとおり
そのものがなくなるんじゃないかと思っている。
何年か前、ニノが撮影で海外に行っていた時、4人で活動をしたことがあった。
たまに撮影とか入院とかでってことはあったけど
あんなに長く離れていたのは初めてだった。
で、その中で歌番組の収録とかもあって4人で
歌ったりもしたのだけど、その時の違和感は
今もまだどこか残っている。
そして、やっぱり5人じゃないとダメだと強く思った。
多分5人ともそう思ってたんじゃないかと思う。
「ずっと、これからも5人でやっていこうね」
「当たり前じゃん。それにこの5人じゃなければ考えられないし
それに一番凄いところは5人がみんなそう思っているところだよ」
「そうだね」
そう言うと智くんはどこか、ほっとしたような顔をした。
「うん、そうだよ」
「何か、不思議だね」
「まあね。でも、もう家族よりも一緒にいるから、ね」
「ふふっそうだね」
そう言うと智くんは可笑しそうに笑う。
「5人ともなんやかんや言っても好きじゃん?」
「そうだね」
「だから変わんないよ、俺たちは」
そう言って身体を少し起こすとちゅっと
その唇にキスをした。