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山コンビ大好き。

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きらり

Love Situation1

2017-01-07 19:42:40 | love situa...





あっという間に年が明けてしまいました。
そしてここを始めて2000日が過ぎました。
2000日というと5年半くらい?


最初はドキドキきゅんきゅんする話が書きたくて
ここを始めたのですがなかなか難しくて。
それに全然アップもできなくて、こんな感じで続けていてもいいものかと
考えてしまう事もしょっちゅうなのですが。。
でもそんな私にいつも温かい言葉をありがとうございます。








Love Situation






その噂を聞いたのは、まだ夏の暑さが残る9月の終わりの頃だった。




松潤と大野が付き合っている。




それはとても衝撃的な内容だった。




なぜなら二人とも、男 だし。




だから。




そんな事ある訳ないだろ、と




端から信じることもせず気にしないでいた。






松潤と言えばその整った顔立ちで女子からとても人気があった。


それはもう幼稚園の頃からクラスの女の子の全員から
チョコレートを貰ったこともあるという伝説まであったほど。


同じ学校の中でも付き合いたいと思う女の子は山ほどいたし
他の学校にもその整った顔立ちのせいで噂が広まり
他校の生徒が見に来るほどだった。


そして男女問わず交友関係も広くいつも大勢の仲間たちに囲まれ
中心的な立場にいる。そんな華やかな存在だった。


だからその反対側にいると言ってもいいような大野と
付き合ってると聞いてとても信じられなかった。




でも。





気にしてみてみると、確かに二人で一緒にいる姿を見る。
松潤が大勢の仲間たちに囲まれながらも
一緒に学食で昼食を食べていたり放課後一緒に帰る姿を見たり。
時折大野と二人で一緒にいる姿が目に入った。


でもどう見ても、何か、違う。


好きで付き合っているというよりかは
周りの反応を見て楽しんでいるようにしか見えない。


二人で並んで歩いている姿を見ると女の子たちがキャーキャー言う。
その様子を見て松潤がますます嬉しそうな顔をして
二人でくっついて歩いたり大野の肩を抱いたり。
それを見てまた女の子たちがキャーと大きな歓声を上げた。


「……」


やっぱり面白がっているようにしか見えなかった。


くだらねえ。


女の子たちにキャーキャー言われて
喜んで、面白がって、バカじゃね?と、思う。


だから。


二人が一緒にいる姿を見るだけで何だかムカついてしょうがなかった。








でも。





見なきゃいいのだろうけど、目に入る。
気にしなきゃいいのだろうけど、気になる。
無視すればいいのだろうけど、無視できない。


今まで大野の事なんて何とも思っていなかったのに
松潤が同じクラスの大野に会いに来ている姿を見るだけで
イライラしてムカついた。


どうせ女の子達にキャーキャー言われたいだけだろ。
大野だってそんな戸惑ったような顔をしてるけど
キャーキャー言われて注目されて本当は嬉しいんだろ?と
そう思いながらも無視できない。


松潤が、大野の肩を優しく抱く。
松潤が、大野に嬉しそうに笑いかける。
松潤と大野が、仲良く楽しそうに並んで歩いている。


その姿を見てまたムカついた。






でも。


その二人の姿が、どうしても
気になる気になる気になる気になる。
なぜだか、気にしないようにしても
気になる気になる気になる気になる。


そんな事を気にしている自分が、一番くだらなくて
バカなんじゃないかと思った。



そんな毎日。






でも、多分、それは二人が目立つせいだ。
もともと華やかで人目を惹く外見の松潤。


二人が並んで歩くととにかく目立つ。
そして周りがキャーキャー言うから目に入る。


それを見て、また、ムカついた。









でも。




あの日。





見てしまった。







その日は放課後渡り廊下を一人で歩いていた。


もう校舎にはほとんど人なんていなんじゃないかと思うほど
中は静まりかえっていた。
だから自分も早く帰らなくちゃと急いで教室に
カバンを取りに戻ろうとしていたところ
ふと外を見ると人影が見えた。


一人は松潤。


そしてもう一人は大野だった。


またあの二人か。


そう思いながら、少しうんざりした気持ちでその姿を目で追う。


松潤が嬉しそうに大野に笑いかける。


「……」


周りには女の子なんていないからそんな演技しなくてもいいのに。
そう思いながら見つめる。
大野が、ん?って顔をして松潤を見つめた。


その大野の顔になぜかわからないけどドキッとした。
地味で目立たない大野なのになぜかその時は凄く綺麗に見えた。


目が離せなくなってそのまま見つめる。


松潤が大野に笑いかけたまま手を握った。
そしてそのまま校庭から死角になる場所へと大野を引っ張っていく。
校庭ではまだ野球部とサッカー部の生徒が活動していた。


校庭からの死角に入ると二人は立ち止まった。
大野が少し顔を上に上げ不思議そうに松潤の顔を見ると
松潤が大野を向かい合わせになるように立たせた。


早く家に帰らなくてはいけないのに
そう思いながらもその光景から目が離せない。


松潤が周りに誰もいないのを確かめるようにきょろきょろと見渡した。
そして誰もいないとわかると松潤の身体が大野の身体を覆うように傾いていく。
ゆっくりと二人の顔が近づいていく。


それをドキドキしながら見つめる。








ゆっくりと松潤の唇と大野の唇が重なっていくのが見えた。


「……!」


そして。


唇が重なるのを見た瞬間。


心臓が飛び出てしまうのではないかと思うほど胸がドキッと鳴った。


今、もしかして キス した?





いや、二人は付き合っているという噂があったし
一緒にいる事もあったから当たり前と言えば
当たり前のことだったのかもしれない。


でも。


二人は、男同士 だし。


それは一瞬の出来事だったのにその光景が目に焼き付いて離れない。
少し離れた位置から見ていたのに瞳に鮮明に焼き付いて残っている。


思い出すだけで、また、ドキドキした。


でも、それはほんの一瞬で、すぐに唇が離れると
松潤は照れくさそうに大野を見た。
そして満面の笑みを浮かべると大野の手をとった。
そしてそのまま二人は手をつないで校門の方に走って行ってしまった。


その様子を一部始終見ていた。


ドキドキと胸がうるさいくらい高鳴っているのを感じながら
ずっとその二人の姿を見ていた。





女の子たちにキャーキャー言われて面白がっているだけだと


ずっと、そう思っていた。


でも、違った。


二人は本当に付き合っていた。


男 なのに。





でも。





二人がキスをしている姿が。



夕焼けに反射した校舎に照らされながら



そっと二人がキスする姿が



映画のワンシーンみたいで



凄く、綺麗だったから



いつまでも、いつまでも



立ち止まったままそこから動けないでいた。