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山コンビ大好き。

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きらり

1月25日誕生日 (2017)

2017-01-19 19:09:20 | 山 誕生日




またまた脱線しています~。
次回は元に戻ります。






欲しいものは大抵手に入る。




でも、本当に欲しいものは




なかなか手に入らない。





その絵は、まるで長い時間をかけて考えつくされたかのように


一つ一つの線が、一つ一つの色が、


微妙に重なり合い


見事なまでにその人を表現していた。


それはとても10分で考え描かれたとは思えない


繊細で色鮮やかな絵。


その絵に一瞬で目を奪われた。







そして、もっと。







あなたの見える世界がどういう世界なのか見てみたい。


あなたの見た世界があなたの手によってどう描かれるのか見てみたいと思った。





そして。




あなたから見た世界の自分の姿がどういう風に映っているのか見てみたい。


その世界で自分がどの様に描かれるのか見てみたいと思った。






でも。


そんな事、言えない。


あなたの負担になるような、そんな事。


絶対言えない。





あなたが突然描いてプレゼントしてくれたあの日のように


またふっと思い立って、描いてくれる日を


ただ、待ち続ける。








「翔くんもうすぐ誕生日だね」

「ん~」


久々に二人でまったりと過ごす時間。
ソファに並ぶように座って思い思いに酒を飲む。


「何が欲しい?」

「ん~何かなあ」


そう言って横を向いてきたかと思ったら
顔を覗き込むように話しかけてきた。


「でも翔くんだったら何でも手に入っちゃうでしょう?」

「そんなことある訳ないでしょ?」

「そうかなあ?」

「そうだよ」


その無邪気に笑う可愛らしい笑顔につい笑みが浮かぶ。


「欲しいものは何でも持っていそうで、めちゃくちゃむずいんだよね~」

「ふふっでもそれは他のメンバーも同じでしょ?」


そう言うとあなたは、まあね、と言ってにっこりと笑った。
確かにお金で買えるものは大体手に入れられる。


でも、本当に欲しいものは。





「でもこういうのは、あげることに意味があるんだもんね?」

「そうそう」


そう言って自身の言葉に納得するかのように頷いている。
その可愛らしい姿に思わずまた笑みが浮かんだ。


「で、何が欲しいの?」

「え?」

「いや、さっきから、何か言いたそうな顔してるなって」

「……」


そう言ってまた顔を覗き込むようにして見つめてきて
んふふっと可愛らしく笑った。


「……」

「……」

「……俺、ね」

「……え?」


そして黙ったままグラスを持ち、少し考えるような顔をすると
ゆっくりと話し出した。


「翔くんが隣にいると何でか凄く安心するんだ」

「…何、急に?」

「横向くといつも翔くんが笑って見つめ返してくれるでしょ?
それが何だかすごく安心するなって」

「そう なんだ?」

「うん」


その思いがけない言葉に戸惑いながらも
智くんが一つ一つ言葉を選びながら言ってくれる
その真っ直ぐで素直な言葉が凄く嬉しい。






「だから、大好き」

「あ、ありがと」


そんな事を思いながら見つめていたら目が合って
智くんが可愛らしい顔でそう言ってニコッと笑った。


「頭がいいのにバカなふりができたり
イケメンで何でもできそうなのに不器用で」

「それって誉めてんの?」


その思いがけない言葉に嬉しさを隠しきれずにいたら
そんな事を言い出す。


「うん、褒めてんの」

「何だか褒められているようには聞こえませんが」

「え~だってそういうところが凄く好きなんだもん」


そしてビールをぐびぐび飲みながらあっけらかんとそう言う。


「何だか複雑な気分なんですが…」

「そう?」

「うん、でもまあ、嬉しいけどね。普段智くんの口からはあまり聞けないし…」


これは本当。あまり言葉に出して言う人ではないから
やっぱり言葉に出して言ってくれるとすごく嬉しい。






「んふふっ誕生日だからね~」

「ふふっ全然今日じゃないけどね」

「ああ、そうだ。今日は、誕生日に何が欲しいかリサーチするんだった」


そう思い出したように智くんは言って笑った。


「ふふっ智くんのくれるものなら何でも嬉しいよ」

「……」


だからつられて笑いながらそう言うと
智くんはちょっと不満そうな顔をした。


「ん?」

「何が欲しいか聞いてるのに全然答えてくれない」


そう言って頬を膨らませる。
その可愛らしい姿に思わずまた笑ってしまう。


「そうだっけ?」

「そうだよ」

「で、欲しいものは、何?」


智くんがグラスをテーブルに置き真っ直ぐな視線で見つめながら言う。


欲しいもの?
そんなの決まっている。
けど、言わない。





「ん~智くんの気持ち、かな?」

「……」


だから胡麻化すようにそう言うと智くんは
黙って見つめたまま不満そうな表情を浮かべた。


「……ん?」

「いつもいっぱいあげてんじゃん」


そしてぷうっと頬を膨らませ、むくれるようにそう言った。


「ふふっそうだっけ?」

「そうだよ」

「そっか」

「うん」


そして不満そうな表情のまま答える。







「……」

「……」


そして。


「好き」

「う ん?」


黙ってグラスを置いたまま真面目な顔でそう言ったかと思うと
ちゅっと軽いキスをしてくる。


「カッコいい翔くんも残念な翔くんも」

「残念て」

「横を向くといつも笑顔で見つめ返してくれる翔くんが好き」

「ふふっそっか」

「うん」


その言葉に苦笑いしながら返すとにっこり笑って
そう言ってまた軽くちゅっとキスをする。








「……」

「……」

「ずっとそばにいて俺を支えてね?」

「そりゃあ支えますけども。って俺の誕生日の話じゃねえのかよ?」


智くんがまた黙ったままじっと真面目な顔で
見つめてきたかと思うとそんな可愛らしい事を言い出す。


「んふふっいいじゃん」

「まあ、いいけどさ」


そしていたずらっ子みたいな顔をして
にこっと笑ってまたキスをする。


「翔くん、誕生日おめでと。生まれてきてくれてありがとうね」

「ふふっ来週なんだけどね?」

「いいじゃん」

「まあ、いいけどさ」


そしてまたキス。


「……?」


珍しい。


誕生日だから?


凄く嬉しいのだけど今日はやけに珍しく言ってきたりしてきたりするなと
思いながらその可愛らしい顔を見つめた。




もしかしたら気持ちが欲しいと言ったのを気にしてるのだろうか。
だから気持ちを伝えるためにしてくれるのだろうか?


いや、違う。



その顔を見て気付いた。


多分、ネットでの情報をどこかで目にしたのだろう。
それをずっと気にしていたんだ。
意外とそう言う事に鋭い人だからずっと
自分のほんの少しの変化に気付いていたんだ。



だから。


ゆっくり時間が取れる今日。


無理してでも誕生日だからと言って会いにきたんだ。
そしてその事には一切触れずに言動で励まし示していたんだ。







「……」

「……」


その顔を見つめると智くんが、ん?って不思議そうな顔で見る。


「…好きだよ」

「うん」


そう言うと嬉しそうに笑った。
その華奢な身体をぎゅっと抱きしめる。


「こうして一緒にいられて、毎年智くんに誕生日を祝ってもらえるなんて、最高」

「んふふっ」


抱きしめたままそう言うと胸に顔をうずめた智くんが、んふふっと笑う。


どう言ったらいいのかわからない。
どう伝えたらいいのかわからない。


やっぱりあなたは嵐のリーダーで
自分にとって大切でそしてとても大事な人。


「ありがと、ね」

「うん」


その言葉しか思い浮かばずそう言うと
あなたはゆっくりと顔を上に上げた。


視線が重なる。








こうして一緒にいられるだけで十分。
一緒にお酒を飲んで
ゆっくりお互いの事を話しながら過ごして
抱きしめあって
キスをして。


大野さんから見た世界が見てみたいと思っていた。
大野さんから見た世界の自分がどう映っているのか見てみたいと思っていた。
けど、それはいつでもいい。


もしかしたらまた描いてくれるかもしれないし
描いてもらえないのかもしれない。
でも、それでいい。






「好きだ」


そう言ってその身体をソファに押し倒す。
下には智くんの綺麗な顔。


智くんが、ん? と上を見上げる。
視線が合う。


そのまま角度を変え何度もキスをした。


「濃厚 だね」


唇が離れると智くんが頬を染め照れくさそうにくすっと笑った。


「いっぱいキスのプレゼントをもらったからそのお返し」

「お返しって」


そう言うとますます照れくさそうな顔をして笑う。


「愛してる」


声がかすれている。


「うん」


こうしてさり気なくいつも気にしてくれることが
こうして忙しい合間を縫って会いに来てくれることが
こうしてお互いの体温を感じながら抱きしめあえることが



あなたからの



最高のプレゼント。



本当に欲しいものは、そこにある。



顔を近づけていくとゆっくりと瞼が閉じられる。
そのままその綺麗な唇に唇を重ねる。
口が小さく開かれる。


その中に自分のを差し入れると智くんの腕が背中に回ってくる。
ぎゅっと抱き合ってキスをして。





本当に欲しいものは、




この腕の中にあると




そう思った。