少年へと手を差し出し
その顔を見つめた。
胸が高鳴り、ドキドキがとまらない。
至近距離で見るその綺麗な顔。
そのまっすぐ見つめられる視線に
また
ドキドキした。
その時間はほんの数秒だったのかも知れない。
けどその時間はとてつもなく長く感じられた。
少年は無言のままこちらを見る。
その意図は全く読めない。
ただ。
その向けられる顔は美しく
綺麗な男の顔を好む人だったら間違いなく惹かれるだろうと
そう思いながらその顔を見つめる。
そして
その美しい少年の顔を見ながら大丈夫だと、頷いた。
それを少年がどう捉えたかはわからない。
でも、その瞬間。
少年の手が、ゆっくりと動いた。
「……!」
こちらに向かって手を差し出してくるのが見えた瞬間。
心の中でガッツポーズをした。
そして、すぐにその少年の手を取りぎゅっと握りしめた。
「じゃあ、そういう事なんで失礼」
あっけにとられているその男にそう告げると
少年の手を握ったまま引っ張るように
その場から連れ出した。
握りしめた少年のその手のぬくもりを感じながら
胸はドキドキしていた。
高校生相手に
少年相手に
なぜか
心臓は
ずっと
ずっとドキドキしていた。
人込みをかき分け静かな場所に辿り着くと
ようやくその手を放す。
そしてその少年の顔を見た。
「……」
「……」
お互い無言のまま見つめあう。
「……」
「俺、親戚の子じゃねえけど」
そして少年は親戚の子じゃねえけどと言って
おかしそうにクスクス笑った。
あ、笑った。
その笑顔を見てなぜか嬉しくなった。
こんな状況の中で、ほんの少しだけ
少年が笑っただけなのになぜだか無性に嬉しい。
「まあね。でもあの時はそれしか思いつかなかったんだよ」
「しかも見ないでって言ったのに見てるし」
そして安心したのか少年はそう文句を言ってくる。
さっきまで不安そうな顔をしてたくせに。
そう思いながらもその少年の高校生らしい言動に
つい笑みが浮かんだ。
「危ないからつい見ちゃうんだよ」
「……危ない?」
少年にそう言うと少年は不思議そうな顔をする。
「そうだよ、現に今だって危なかったでしょ。
男だとはいえそういう趣味の人もいるんだから」
「……そういう趣味?」
しかも、全然わかってない。
「そう。男だけど男がいいとかさ。
だから男だからって安心できないんだよ」
「でも、俺は違うもん」
違うもんって。
くそっ。
こんな状況の時に可愛すぎるだろ。
「君は違うかもしれないけど、相手はそうなの」
「断言してるし」
そう思いながらも、クスクス可愛らしく笑う少年を見て
やっぱり可愛いじゃねえかと思ってしまう。
でも、困った事に自分の置かれている立場を全然わかってない。
笑った顔は可愛いんだけどね。
そのあまりにも危機感がなさ過ぎる様子に
無邪気に笑う姿が見れて嬉しかったはずなのに
かえって心配になってくる。
「世の中には色々な大人がいるんだよ。いい大人も悪い大人も」
「……」
「だからこういう場所は特に、何も知らない君みたいな子が来ると危険なんだ」
「……俺、別に平気だけど」
「平気じゃないでしょ。さっきだって泣きそうな顔してたくせに」
「してねえよ」
多分少年は人間の本当の怖さをまだわかっていない。
少年は平気だと言っているけど
それはまだ世の中をわかっていないせいだ。
「だから俺は君の事ほっとけない。
多分これからもどんなに君が嫌がったとしても
俺は君の事を見てしまうと思うし
こういう事があったら手が出てしまうと思う」
「……変なの」
そういうと少年は変なのと言って
少し嬉しそうに笑ったような気がした。
でも。
それは一瞬で。
「とにかく君みたいな子が、いつまでもこんな場所に
こんな時間までいてはいけないんだよ」
「……」
その言葉に穏やかに笑っていた少年の表情が一変した。
「……?」
「何も知らないくせに!
ちょっと助けたからっていい気になって説教なんてしないでよね」
そう言うと走って行ってしまった。
その後ろ姿をぼんやりと眺めながら
また嫌われてしまったと
そう思いながらその姿を見つめた。
でも。
放っておけないといった時。
変なの、と言って少し嬉しそうな表情を見た気がしたが
それも気のせいだったのだろうか。
「……」
自分も数年前まで高校生だったが
少年の心の中が全くわからない。
ただ。
手を伸ばしてくれた時、頼ってくれたんだと思って
すごく嬉しかったんだけどな。
そして手を握って歩いていた時は
他の誰と手を繋いだ時よりもなぜかドキドキして
胸が苦しいくらいだった。
「……」
って、何でだ?
自分でもよくわからない。
ただ、高校生のくせにここに毎週のように出入りしている
あの少年の事が気になる。
そう。
それだけだ。
でも。
『何も知らないくせに』
その言葉を言った時の少年の表情が気になった。
少年は怒った顔とは裏腹にとても悲しい目だった。
凄く寂しそうで一瞬泣いてしまうのではと思い焦った。
あの時代特有の親の存在のうざったさとかで
家に帰りたくないだけだと思っていたが違ったのか。
『何も知らないくせに』
少年はそう言った。
確かに少年の事は何も知らない。
そう。
名前さえも。
ただ高校生である事。
そして高校生のくせに毎週のようにここにきている事。
それだけしか
少年の事は、知らない。
あれから。
変わらず少年は毎週のようにここにきている。
そして目が合うと、むっとした顔で睨んできて
ぷいっと目をそらされる。
それでも懲りずに
その綺麗な顔。
そして美しいダンスを踊る姿。
踊っている時のしなやかなで綺麗な身体。
そして退屈そうにフロアをぼんやり眺めている姿。
いつもの友達や話しかけられた女の子達と雑談している姿。
そんな姿を
ずっと
ずっと見ていた。
智くんから翔くんに手を差し出したんですね♡
翔くんと目が合うとつい、睨んで目をそらしちゃう智くんがかわいい・・・。
二人の距離は近づいてきていますね。
それから。智くんはやはり、寂しい状況にあるのでしょうか・・・。
智くんは寂しい子みたいですね。
それを癒してあげる存在になるんだろうけど、このいろいろ迷ったり煙たがられたり戸惑ったりしながら、ただただまっすぐ智くんを見て気にせずにいられない翔くんがいっぱいみたいなと思ってしまう私。この翔ちゃんすごくかわいい!
早いテンポの更新すごくうれしいです。
今日はFNSですね。何歌ってくれるかな。いくつおやまがあるかしら。うふふ
おおっ生嵐ジェットを見たのですね。
何だかテレビの中だけで見られる幻の存在のような気がしていましたが
実際に見ることができたのですね。スゴイです‼
めちゃくちゃテンション上がりましたよ~。ご報告ありがとうございます♪
話の方は名前も性格も何もわからないけど気になってしまう存在。
でもこれから先どうしたらいいのかもどうなりたいのかもわからない
そんな難しい状況でどう変化していくかといった状態でしょうか。
本当に翔くんがいじらしいですよね~。
ありがとうございました♪
がっかりではなかったですか、よかったです。
そしてドキドキワクワクして下さって嬉しいです。
ドキドキ場面での終わりで、拍子抜けというのが一番怖くて
ちょっと私の方がドキドキしていたのでそう言って下さって嬉しいです。
ちょっと一筋縄ではいかない智くんとそれに翻弄される
翔くんなのですが
二人の距離は近づいてきています♪
智くんは訳があってここにいる感じですね~。
綺麗で儚くて、でも少し影もあってというALLの世界が
だせたらいいなと思っています♪
ありがとうございました♪
おおっFNSの事忘れてました。ありがとうございます。
今、録画予約してきました。(まじです)
SPコラボって書いてありました。お山も含め楽しみですね~。
翔くんはまだ智くんに対して好きとかの感情がある訳ではないのに
思いっきり振り回されてますね~。
心の深層にはもっと距離を縮めていきたいという思いがあるはずなのに
うまくいかなくてじたばたしている感じ。大人の対応をして見せてますが。
そんな愛らしくてかわいらしい翔くんが私も好きみたいです。
また近いうちにアップします♪
ありがとうございました♪
でもうざがりながらも心配されるのは少し嬉しそうな智くんがいじらしくてかわいいです♪
この年齢独特の危うい感じ?がよけい惹き付けてやまないですよね。。
FNSでは笑顔がいっぱい見れましたね♪
カメラ目線いっぱいで、テレビの前のファンに近付こうとしてくれている感じがしました(*^^*)
FNS笑顔でしたね~。サービスいっぱいでした♪
可愛かったですね。
話の方は二人はまだまだ知らないことばかりですね。
いつもに比べて話のテンポもゆっくりかもしれません。
そうなんですよ~。この年齢の危うさがまた惹きつけられて好きなんですよね。
そして先ほど続きをアップしましたのでもしよかったら見て下さいね♪
ありがとうございました♪