お天道様は東から上って
西に沈みます。
当たり前のことですが、
昔の人はそこに大きな命の流れを感じ取ったのでしょう。
ピラミッドも二つのある、その間に
夕日が沈んでいきます。
『 △〇△ 』
二つのピラミッドの間に太陽が沈んでいる文字です。
西に沈み、東から出てくる
命の再生を願った、というか
蘇って来ると信じたのでしょう。
今の西日はとても暑い !
けれども、静かに落ちていく夕日を見ていると
不思議と心が落ち着くものです。
宇治の平等院、
浄土を表現した伽藍配置です。
西に阿弥陀如来を配し、その前に池がある。
こちらの迷いの岸から、
六波羅蜜の池を渡って、
阿弥陀如来の浄土へ行くという、
そういう浄土庭園です。
ほかにも、浄瑠璃寺というお寺もあります。
『 西行法師 』 ( さいぎょうほうし ) も
何気なく書いていますが、
「 西へ行く 」 と書くのですね !
彼の思い入れがあるのだと思います。
余談ですが、
『 西 』 漢和辞典でひくと、
【 襾 】 ア部 という部首になるのです。
西は簡単な字ですが、
どこに属しているかというと、あまり見かけない
【 襾 部 】 というところにあるのです。
( おおいかぶさっている、さまをあらわす )
とあります。
「 西 」 という字も、
酒を搾って滴り落ちる、ということから、
たれさがる、
( 借用して ) 日の下る方、
西を表す言葉になったようです。
洋の東西を問わず、
「 西 」 というのは安らかな世界をあらわし、
そしてそこから再びよみがえってくる、
再生の願いを込められた、
私たちの憧れる世界を意味したのでしょう。
まさに、「 お彼岸 」 ということも
そういう憧憬の世界を表現した、
人間の本来の願いのような気がします。
ピラミッドもお彼岸の中日に
太陽がスフインクスの横を通り、
二つのピラミッドの間に沈んでいくようです。
昨夜のテレビ 「 世界ふしぎ発見 ! 」 よりの
借用です。
それに、少し感じたことを入れました。