本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

追慕抄 九条武子

2017-01-11 20:59:03 | 住職の活動日記

「いだかれて ありとも知らず

おろかにも われ反抗す

大いなるみ手に」

 

という歌を何かの折に知り

この歌によって「九条武子」という

方を知りました。

 

私たちは知ると知らずにかかわらず

なにか大きいものに背きつつ

生きているような気がします。

本当の自分に出会わずに

かえって、本当の自分に

背きながら生きているのが

私たちのようです。

 

 

龍谷ミュージアム、

京都の町並みに調和しながらも

内部は近代的要素を

取り入れた建物になっています。

 

 

受付も階段を下りて、

地下一階がそのロビーです。

 

「この展示会を待っていたのよ!」

と、受付に老婦人

九条武子の歌をそらんじて

受付の方に気持ちの程を

伝えておられます。

 

 

九条武子、2月7日がご命日

今年で90年になるそうで

それを記念しての展示会です。

 

まず3階まで上がり

そこから常設展の

「インドから日本へ、

仏教の思想と文化」

を見ながら、2階の

九条武子展へまいります。

ちょうど行ったときが時間が

良かったのか、

「九条武子の生涯」の映画が

当時の写真を編集したもので

活躍されている様子を

見ることができました。

 

なんとなく、九条武子という方の

アウトラインが見えてきます。

 

 

ここの展示館なかなかの設備で

3階の一角には小さな映画館を

備えています。

映画が終わるとスクリーンが上がり

その向こうには本願寺さんの甍が

見えるような

粋な計らいに作らています。

 

本当は、

最初に知った歌がどのような

背景でいつ読まれたのか

そういうことが知りたかったのですが

他の歌は直筆が見られましたが

肝心の歌には接することが

出来ませんでした。

 

映画で見る限り、

関東大震災が

大きく彼女の人生を変えたように

感じました。

ちょうど37歳の時です。

築地本願寺で被災者の救護に

あたられ、

罹災児童には、

「児童愛護袋」の運動を

展開され援助にあたられています。

 

歌の方では「佐々木信綱」

絵は「上村松園」に師事され

画がお好きだったようで

見事な絵が残っています。

当時の一流の方々に出会われて

素晴らしい才能を発揮されて

いるようです。

 

しかし、昭和3年2月7日

42歳という短いご生涯を

とじられています。

 

ちょっと感慨深く、

外の寒さを感じながら

建物の美しさにも見とれて

 

 

地下空間を生かした

 

 

そして、近代と歴史が見事に調和した

造りになっています。

 

2月19日までの展示です。

 

 

 

 

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