宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

GINJI-300FNファーストライト

2014-12-14 20:15:00 | 撮影機材
GINJI-300FNでの庭撮り試写を行いました。
予想通り十中八九ガイドは失敗していました。
原因はドローチューブの保持力不足と接眼部付け根のたわみです。
子ガメのRFT80+QHY5L-ⅡM+PHDは良い仕事をしていました。
オフアキ化すれば一見改善されたように見えるでしょうが、スケアリングも
狂う為、APS-C以上の素子では根本的な解決になりません。

M42_HDR , 10s+60s+300sX4 , 1270sec Total


柔らかめ


星像は良い。
光学系は大丈夫のようです。 良かったあ~
流石に30cmもあると解像感が高い。冬でもこの焦点距離ならばギリギリ使えます。
APS-C全写野で満足の点像となりました。 と言うか、
満足なカットだけを抜粋しています。

ゴーストの具合を調べるにはココでしょう。(斜鏡が霜霜になっていた!)
IC434馬頭周辺 , 4X300s , 1200sec Total


ド派手に出てくれちゃってますねえ(-_-;)
スパイダーの光条も、案の定割れちゃってますよ。
但し斜鏡が霜げて曇っていましたから、もう少しマシに撮れるかと。

以上2点は氷点下5℃の中で4時間使った辺りでの撮像なので、
ピント位置は安定していました。

対して ↓ は20:42~23:07の間にひたすら600sec露光を繰り返していた
画像のうち、なんとか使えそうな7カットを抜粋してコンポしたものです。
しかし、ピント位置も大きくズレており、シャープ感は全くありません。

M33 , 7X10min , 70min Total


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撮影日時:2014年12月13日 20:52:12~00:45:18
撮影地:飯能市郊外で庭撮り(標高220m)
星空指数:70点
気温:-4℃ → -5℃
湿度:沢沿いのため全てが霜霜になり、途中で撤収!
シーイング:3/5

冷却CCD:ORION StarShootPro Ver2.0(SONY ICX413AQ)
撮像鏡筒:GINJI-300FN + 笠井フラットナー , 1220mm , F4
フィルタ:LPS-P2

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:***
フラット画像:***
フラット用ダーク画像:***

赤道儀:ニューアトラクス改 E-ZEUSⅡ仕様 + ひのきスーパーピラー
ガイド:RFT80子ガメ載せ+QHY5L-ⅡM , RMS=0.4程度 , Exp=1.0sec
CCD制御:MaxIm DL Essentials Edition
画像処理:SI7 , cs5

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この位置でピントが来ています。片持ち梁状態ですね。


2inch差し込み部でスケアリングが狂い、ドローチューブは先述の通り
グニョグニョし、接眼部の付け根は裏打ち無しの0.8mm鉄板丸めと来れば
落ち着けって方が無理です。

今回のM33は実に面白い流れ方をしました。
初めのカットはほぼ天頂なのでドローチューブはほぼ水平。
ここからひたすら10分露出を繰り返して15カット撮りましたが、
ほぼ全カット赤経方向に星1個分程の流れが発生。
赤緯方向は全く流れていない。

つまり、

日周運動で徐々にドローチューブが傾き、その影響でガイド鏡とは
無関係に各部が正しくお辞儀をしていた模様です。
5分なら許容範囲に入る程度の流れでした。
なので、
20分など絶対に無理! だから、Narrowはもっと無理。

2inch差し込み部に”ストッパー”が無いため直角が出せない!!
あのね、
これじゃあスケアリングもクソも無いでしょうに。
ネジの締め方によって全く異なる訳で再現性もないし、カメラの回転を
行うたびにピントも狂うというオマケ付き。
内径が2inchの”ツバ”を付けないと使えないね。


氷点下5℃で4時間経ったらこうなりました。


斜鏡も霜げており、これ以上の撮影は不可能でした。(要対策です)
意外にも、主鏡はまったく曇っていませんでした。

家から車で20秒の撮影広場。


記念に沢山撮ってみたり。


PHDが安定しているのが解るでしょうか?


総重量115Kgも屋外では案外チッコイですね。
霜げた鏡筒がツルッ!!と落ちてしまったら、その場に捨ててこよう
と思いました。たかが20Kgですが、霜げた上に不動点が高いピラーが
追い打ちを掛けました。氷点下5℃で6時間活動した身には相当厳しい
作業でした。ショートピラーを作ろうか・・・(V)o¥o(V)

<まとめ>

光学系は優秀そうですよ。
この金額でミラーを買ったとお思えばいいんです。
GSOはじめ、あちらの製品は機械加工のイロハが出来ていない感じですね。
リニアガイドの使い方を見ても、全くのド素人が設計したようです。
片持ち梁がどう撓むとか、日周運動がどう影響するとかを考えていない。
外観を美しく仕上げ、それなりの能書きを付ければ高性能に見えるから
そのように作れと、アメリカや日本のバイヤーから入れ知恵があるかも。

例えば、

全部マシニング加工で高性能・・・とかね。
狂わない鋳物を扱う技量が無いからアルミのムク材をNCで削って機械を
作り、それが高性能だと吹聴する。
世界の一流工作機械を見て御覧なさい。
アルミ削り出しなどは、コンニャクも同然の挙動なのだよ。

載せられて、

日本のメーカーも何時までも鋳物で赤道儀を作っていては時代遅れだ!
な~んて言ってるヒトも居るようだし。
タカハシは偉いと思える今日この頃です。
安心のMade in JAPAN を買いましょう。



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2 コメント

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Unknown (demio)
2014-12-17 23:14:44
どの画像も迫力がありますね。
大口径の威力でしょうか。
光学系は問題なさそうで良かったですね。
馬頭のゴーストは私のR200SSやCV200Lでも派手に出ます。
コマコレ3で少し改善されましたが。
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Unknown (☆男)
2014-12-18 19:31:27
demioさん

さすがに30cmF4は強烈に明るく速いです。
低感度であまり使い道が無かったSSProV2が元気に活躍出来そうです。
VC-200L+レデューサ2と焦点距離がカブリますが、口径差もあって4倍速で
写る感じです。問題は遠征地までどうやって運ぶか? ですが、
その前に改善しなければならないことが沢山あります。
返信する

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