宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

30cmプライム鏡筒の光軸合わせ

2020-11-15 17:43:00 | 撮影機材
30cmプライム鏡筒の光軸が狂っているとのことで合わせました。

光軸合わせ完了後のテスト撮影(ハマル)


右上側が完璧ではありませんが、まあ80点程度で終了。
共同観測所ですから、定期的な機材整備が欠かせませんね。


主鏡洗浄とセンターマークの確認


アリャリャ!? 主鏡が随分とせり出しています。(2mmくらい)
これでは、主鏡脱落防止リングで思いっ切り圧迫してしまいます。


主鏡の9点支持機構の位置は、初めに定量的に決めておく必要があります。




アイマークを書き、安易に動かさないようにしておきます。
結局、主鏡脱落防止リングよりも-0.5mmとしてあります。
つまり、リングには触れていません。
また、
主鏡のサイドサポート6点も少し緩めました。
主鏡がスルスル回転する程度にしてあります。
ここもアイマークを入れておきました。


主鏡の光軸調整は3組のボルトセットで行います。

引きネジ


押しネジ


コリメーションアイピースで機械的なアライメントを詰めます。


スパイダーが光軸に対して直角になっていないかったので、止めネジ
の穴をヤスって1mmくらい拡大しました。

レーザを主鏡センターマークへ落とし、スパイダーをFixします。


これを3セット交互に繰り返して完了です。
厳密には鏡筒と光軸が平行になっていませんが、それで良いのです。
兎に角、接眼部基準で合わせ込むことが重要です。
ニュートンでも同じです。

センターマークへレーザが落ちるようにスパイダーを調整する。


コリメーションアイピースのセンターへレーザが戻るように主鏡を
調整する。これを3セット。


最後は、実際の星像で追い込みます。
機械加工の見た目と、真の光軸が合っている保証が無いからです。
今回は80点で完了させました。それが冒頭の画像です。

<注意点>

レーザは、あくまでも最終手段と現地確認用ツールです。
光軸がメチャクチャでも、接眼部へ単発レーザを戻すことは出来ます。

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