今や粗大ゴミで最も多いのが「布団」だそうだ。
祖父母の時代は
親戚兄弟が集まると
必ず泊まってもらうのが当たり前のおもてなしで、
それが付き合いというものだったから、
掛・敷布団セットに枕、
毛布やタオルケット、シーツやカバーだけでなく
座布団もこたつ布団も大量に「必要なモノ」だった。
普段は家中の押し入れに収納して
時々虫干しする母親を手伝いながら、
お日様の臭いのするフカフカの布団の上で
転げまわった記憶があるのは
私の年齢が最後の世代かも知れない。
(って、いくつだ?)
和室続きのふすまを全部外すと
旅館の広間のように変身する様に
「日本の建築は なんて機能的なんだろう」なんて
子供の頃はこれっぽっちも思わなかったけど
広々とした畳に
来客用の布団がずらりと敷かれたその上で
いとこたちと転がり遊んだ、ん十年前は。
今、その古くなった大量の布団を誰が受け継ぐ?
核家族化した子世帯には重荷で
置く場所もなく、
管理する手間暇もかけられない。
真綿布団は今や希少と知ってはいても
打ち直しするより 羽毛布団を望む。
「実家の片付けをするんです」
そう言って元気に出かけたSちゃんは
親の家の生前整理を終えたあと
「布団を10組、座布団は50枚、毛布は15枚
その他にもたくさん捨ててきました。」
と報告してくれました。
捨てる決心をしたのは親のほうで、
「体が動く今のうちに」と
痛々しいほど片付けを頑張った親の姿を見て
少しつらかったことや、
廃棄することの大変さをしみじみ聞かせてもらって、
ああ、そういうことなのかと。
所有したなら必ず「いつか」捨てる時がくる、
その「いつか」は自分が決める、
それが所有していた自分の責任だよ
子供に迷惑をかけたくない
「老い」を受け入れた親世代の
捨て布団はそんな愛情の象徴かもしれない。
受け継ぐモノは減って
親の遺品整理の手間も減るけど、
「遺品整理くらい、やらせてよ。」
Sちゃんの胸のうちはきっとそう思ってる。
祖父母の時代は
親戚兄弟が集まると
必ず泊まってもらうのが当たり前のおもてなしで、
それが付き合いというものだったから、
掛・敷布団セットに枕、
毛布やタオルケット、シーツやカバーだけでなく
座布団もこたつ布団も大量に「必要なモノ」だった。
普段は家中の押し入れに収納して
時々虫干しする母親を手伝いながら、
お日様の臭いのするフカフカの布団の上で
転げまわった記憶があるのは
私の年齢が最後の世代かも知れない。
(って、いくつだ?)
和室続きのふすまを全部外すと
旅館の広間のように変身する様に
「日本の建築は なんて機能的なんだろう」なんて
子供の頃はこれっぽっちも思わなかったけど
広々とした畳に
来客用の布団がずらりと敷かれたその上で
いとこたちと転がり遊んだ、ん十年前は。
今、その古くなった大量の布団を誰が受け継ぐ?
核家族化した子世帯には重荷で
置く場所もなく、
管理する手間暇もかけられない。
真綿布団は今や希少と知ってはいても
打ち直しするより 羽毛布団を望む。
「実家の片付けをするんです」
そう言って元気に出かけたSちゃんは
親の家の生前整理を終えたあと
「布団を10組、座布団は50枚、毛布は15枚
その他にもたくさん捨ててきました。」
と報告してくれました。
捨てる決心をしたのは親のほうで、
「体が動く今のうちに」と
痛々しいほど片付けを頑張った親の姿を見て
少しつらかったことや、
廃棄することの大変さをしみじみ聞かせてもらって、
ああ、そういうことなのかと。
所有したなら必ず「いつか」捨てる時がくる、
その「いつか」は自分が決める、
それが所有していた自分の責任だよ
子供に迷惑をかけたくない
「老い」を受け入れた親世代の
捨て布団はそんな愛情の象徴かもしれない。
受け継ぐモノは減って
親の遺品整理の手間も減るけど、
「遺品整理くらい、やらせてよ。」
Sちゃんの胸のうちはきっとそう思ってる。