TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

サステナビリティのわかりやすさ

2010-04-22 23:29:12 | サステナブル建築
建築分野でも「環境」に対する取組みが取り立たされている。

その中でも、環境にもわかりやすさが必要だと私は思う。

もっというと、「見てわかる」、「触ってわかる」など、人の感覚にダイレクトに伝わること。

だから、環境に配慮した建築もわかりやすくあるべきではないか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

住宅版エコポイントの申請スタート

2010-03-09 23:05:10 | サステナブル建築
以前ブログでも書いた住宅版エコポイントの申請受付が開始されました。

この補助金を受け取るポイントを一言で言ってしまえば「高断熱化」に尽きます。
新築の場合、長期優良住宅もしくは地域毎に定められた次世代省エネ基準をクリアしておけば、受給基準を満たすことができる模様です。

改修の場合も、内窓の設置などが対象とされており、これも間にできる空気層を利用した住宅の「高断熱化」が想定されていると思います。

住宅の断熱性能を向上させることでエネルギー消費量を抑制し、環境負荷を低減すること。そしてそれをCO2削減につなげることが政府の目的だと思います。
産業界でのCO2削減には限界があるので、生活者のレベルでもCO2削減を実行しようという強い思惑があるのではないでしょうか。

そのために、エコポイントという「アメ」を用いて一気に住宅の断熱性能の基準を上げたことになります。

ただ、ここで定められた次世代省エネ基準等のエリアが問題になってきます。
というのも、定められているエリアがかなり大雑把で、実状と必ずしも一致しない地域が多々ある可能性があるのです。
つまり、レンジが広いので境界条件が甘くなる地域と厳しくなる地域があるということです。

例えば、白鷹の家のあるエリアは、次世代省エネ基準の地域区分がⅢ(山形県)であるにもかかわらず、多雪地域ということでワンランク厳しい地域区分Ⅱとされていますが、ここ数年実際には雪はそれほど積もりません。

おそらく、かなり粗いメッシュでエリア区分がなされていて、実際の山や谷、河川といったローカルな地形条件を反映したものにはなっていないのが現状なのだと思います。
東京や関西など雪の影響がないところでは、ほとんど問題にはなりませんが、東北や北海道というエリアでは、求められる断熱性能がシビアで、それが直接コストにかかってきます。

こうした地域ごとの微気候のようなものをきめ細かく境界条件として設定できれば、より実状に即したものになると思います。
現状のエリア区分の場合、例えば東北以北の地域ではエコポイントを多めに与えるなどのコストに見合った重み付けがあれば、さらに普及するのではないでしょうか。
そして、今後は、GISなどを活用したより細密なエリア分けとその情報提供が必要になると思います。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形エコハウス

2010-02-19 13:50:36 | サステナブル建築
環境省エコハウスモデル事業で県などが山形市に建設中の山形エコハウス

これからの住宅のモデルとなるべく、カーボンニュートラルを目指した実験住宅です。
昨年末に着工し、今年3月末の竣工に向けて急ピッチで工事が進められています。

日々の進捗状況は下記ブログにて、芸工大の学生が更新中。
eco house report

白鷹の家も、雪国でのサステナブル住宅のモデルとして、様々な工夫を行っており、こちらも3月竣工予定です。

山形エコハウスは、環境配慮技術がてんこ盛りで工事費が約6,800万円とのことですから、個人宅で同じようにフルスペックで建てることは、現実的にはかなり難しいと思います。
サステナブル住宅の普及のためには、環境配慮技術とコストとのバランス(実現可能性)も重要な課題になってくると思います。


白鷹の家は、山形エコハウスの1/3以下、約30%の予算で建設しています。
これは、山形で建てられる一般的な住宅に比べて、坪単価で同程度~2割増の金額です。
その意味では、普及版エコハウスということができると思います。

白鷹の家がある白鷹町と山形エコハウスのある山形市は、車で約50分と比較的近い場所なので、ほぼ同時期に竣工するサステナブル建築として、例えば、見学会など、うまくタイアップのようなことができるとよいのですが。。



未来の住宅
竹内 昌義 (著), 馬場 正尊 (著)
バジリコ

このアイテムの詳細を見る

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Microsoft Sustainability

2010-01-13 12:05:37 | サステナブル建築
マイクロソフトの気になるプロモーション動画。
研究テーマの一つである「Image of Sustainability」で検索して見つけました。

Microsoft Sustainability


未来のサステナビリティについて、ビジョンを示すという試みは面白い。
環境の時代のイメージ。

パソコンの概念が拡張されて、あたかも紙媒体のように情報をやり取りできるというのは省エネ・省資源の意味でも有効なのかもしれない。


<SCRIPT charset="utf-8" type="text/javascript" src="http://ws.amazon.co.jp/widgets/q?ServiceVersion=20070822&MarketPlace=JP&ID=V20070822/JP/shibutatsu-22/8001/69416624-82ab-4600-8472-ce8856e98183"> </SCRIPT> <NOSCRIPT>Amazon.co.jp ウィジェット</NOSCRIPT>

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010年 元旦

2010-01-01 23:08:35 | サステナブル建築
あけましておめでとうございます。

昨年は自分の進路や研究など、新しい環境・新しいことに挑戦した年でした。
今年は、その挑戦で蒔いた種を地道に育んでいきたいと考えています。
しっかりと一つ一つあきらめずに取り組んでいく所存です。

そして、なによりも健康第一で、体調管理にも気をつけていきたいと思います。
皆様にとって、今年がよりよい年になりますように。

よろしくお願いいたします。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

住宅版エコポイントについて

2009-12-17 00:53:13 | サステナブル建築
まだ詳細は明らかになっていないが、対象となる住宅の着工が来年の1月から、今年の12月8日に前倒しされた「住宅版エコポイント」。

さて、「エコポイント」と名前は付いているものの、対象となる製品を購入すれば、即対象となる家電や自動車とは少し意味合いが違うので注意が必要だ。
また、30万ポイント(30万円)という金額だけが一人歩きしているのも気にかかるところ。。

そもそも、住宅に関しては、10月に住宅瑕疵担保責任保険制度が始まったばかり。
また、いわゆる200年住宅と銘打って導入した「長期優良住宅普及推進事業」というのもある。詳細は省くが、前者は建設会社が入る保険で、後者は最高100万円までの補助金が出るものだ。
いずれも、確認申請とは別に、個別に審査を受ける必要があり、瑕疵担保責任保険は現場検査もある。

住宅エコポイントも、これまでの報道を見る限りでは、申請と審査、現場検査があるようである。
対象となる基準も、おそらく断熱性能などの要求水準は次世代省エネ基準以上となるだろうから、ハードルは高めになるのではないだろうか。。

正直言って、この補助金をもらうために、必要となる高規格の断熱やその他諸々の建設コスト、申請や検査のための事務処理や手間を考えると、30万円では全然割が合わないと思う。
建前としては、「環境にやさしい」住宅を作ろうという考えには大賛成ですが、正直言って、建設に使われる建材の生産に関わるCO2排出量などをトータルで考えると、カーボンオフセットとなるのか、甚だ疑問である。

思うに、建設費に余裕のある限られた人か、大手ハウスメーカーに基準に合致した規格住宅をお任せで建ててもらう以外には、ポイントを得るのは難しいのではないだろうか。

設計者の立場から言わせてもらうと、住宅は、人に住んでもらえなければ意味がないのである。その意味では、住まい手ひとりひとりに合った住宅の在りようを限られた予算の中でしっかり考える必要がある。
単に高規格品をもってくるのは簡単だが、もっと住まい手も住まい作りに参加してほしいと思う。住まい作りを楽しんでほしい。
それが人に愛されるような住まいへとつながると私は思う。

その意味では、断熱や構造など、いわゆるエネルギー・コンシャスな基準だけで長く住み続けられる住宅の基準を決めてしまうことに危機感を感じる。

快適性や満足度、安心・安全など心理的な側面も考慮した基準が必要だと思う。
例えば、CASBEE

この評価基準も、快適性や満足度については、考慮されているとはいえないが、周辺環境との調和や地域性、伝統・文化といった側面については、「取り組み度合い」で評価することになっており、可能性はあると私は思う。

例えば、CASBEEで高水準となった住宅には、その水準によってポイントを与えるなど、基準を「総合的な環境性能」を重視したものにして、建築家や中小の工務店と作る住まいも対象となるように裾野を広げてほしいものだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拝啓 上遠野徹様

2009-11-29 01:29:02 | サステナブル建築
上遠野さんが今月のはじめに亡くなられていたことを先ほど知りました。
2004年に札幌の家を訪れた時のことを昨日のように覚えております。

自邸の見学を快諾頂いただけでなく、自らご案内頂いたこと、自邸である「札幌の家」のことなど大変貴重なお話をうかがえたことに大変感謝しております。

実は、いま建設中の住宅、「白鷹の家」は、上遠野さんの建築に対する考え方(イズム)に大変影響を受けています。

例えば、リビングの天井高さ。札幌の家はリビングの天井が2250mmと低く、でもそれがかえって落ち着く心地よい空間になっていることを上遠野さんは、まるで少年のように生き生きとお話してくださいましたね。

また、北国の住まいのあり方について。「札幌の家」は一見するとミースのようなモダニズム建築にも見えますが、実は、冬季の積雪や日照を考慮した結果であり、地域に根ざした建築なのですよね。

そして、コールテン鋼や煉瓦といったエイジング素材。単なる工業製品としてではなく、長く使うことで生まれる素材の持つ美しさを上遠野さんは、熟知されていましたね。

最後に、何といってもランドスケープと建築のあり方。「札幌の家」で見たナナカマドの大樹、庭の緑、煉瓦の壁、青い空。どれも心地よい音楽が聞こえてきそうなくらい美しいものでした。

興奮していたせいか、ご自宅に傘を忘れてしまい、後日わざわざ郵送いただいたのも、忘れられない思い出です。

いつか、僕も上遠野さんのように、飾らず、真摯に建築や都市と向き合い、見知らぬ若者にも心広く、熱く語れるようになりたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。


印象深いアプローチのナナカマドの大樹


心地よいテラスと庭との距離感、建物の高さ


天井高さを低く抑えたリビング

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

High Line Park

2009-11-09 19:49:34 | サステナブル建築


ソウルの清渓川(チョンゲチョン)のニューヨーク版。
かつて貨物用に使われていた廃線を公園として再生させた事例。
設計はJames Corner Fild Operations

チョンゲチョンは、かつてあった河川を高速道路の撤廃という荒業で再生した公園。いわば、水平(ランドスケープ)の公園に対し、こちらは垂直(ポートレイト)の公園というか、いや、空中庭園だな。。

都心でビルの谷間を縫うように計画された空中庭園。



日本でも、こんな新しい公園のあり方を実現させたいものだ。

日本橋に関して、いろいろと議論されていたのはその後どうなったのだろうか。。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太陽熱集熱器とエコキュートの併用

2009-11-01 15:28:24 | サステナブル建築
太陽光発電の売電価格引上げが今日から始まるそうだ。
とはいえ、太陽光発電の発電効率は10%程度なので、効率がよいとはいえない。
実際、太陽光発電では導入コスト、維持管理費を勘案するとペイするのにだいぶ年月が掛かる。

そこで、注目なのが、従来からある太陽熱集熱器である。
これは、熱効率が40%前後とすこぶる効率がよい。
さらに、太陽熱で水または触媒を温めるだけという、機構の単純さもあって、維持管理が容易である。

日本ではオイルショックのときに爆発的に普及したが、近年ではあまり見かけなくなった。


そして、今度エコキュートとのハイブリッド製品が発売される。
これは、エコキュート(ヒートポンプ)と太陽熱集熱器のいいところを組み合わせて、かつ、お風呂の廃熱も再利用するというものだ。

ざっと調べたところ、

2010年2月発売の太陽熱集熱器対応型エコキュート(仮称)by矢崎総業 価格未定

すでに発売中の太陽熱利用ヒートポンプ給湯システムby長府製作所 約130万円

の2つがあった。
エコキュート補助金が適用されたとしても、割高感はあるが、上記の矢崎総業から発売されるものは、再利用エネルギーだけで家庭内の80%を賄うことができるというから、とんでもなくすごいことだと思う。

販売価格は未定だが、長府製作所の価格がひとつの目安になると思われる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

携帯燃料電池

2009-10-22 16:27:10 | サステナブル建築
東芝から、携帯できる燃料電池装置が発売された。

Dynario

燃料電池って、すごく大がかりな装置のようなイメージでいたのですが、実際はこんなにコンパクトな製品が実用化されているとは、驚きました。

まだ、電気容量が小さかったり、使用範囲はかなり限定されるような気がしますが、こうした環境に配慮した製品がどんどん実用化されているという事実を建築の設計にも活かせないものかと思います。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする