「エリアの価値を決めるランドスケープ〜地方が選ばれる理由に風景がある〜」と題して、講演をいただきました。ランドスケープとは、風景や景観を表す言葉ですが、ゴミ屋敷が1件あると、その周りの地域全体の価値は下がるという例などを挙げられ、様々なきれいな景色や風景を写真で提示していただきながら、「ランドスケープ」とは、「公共財」であり、「価値創造の基本」だと話されました。
「周りから叩かれるということは、正しいことをやっている」と言い聞かせながら、議会や周辺商業関係者からの合意形成を辛抱強く図っていかれたそうです。図書館を軸に、人が集まれば、カフェ、居酒屋、ショップが増え、そのエリアに活気が生まれ、不動産価値が上がるという手順で成功に導かれました。また、逆算の積み上げで、市場調査、テナント誘致、容積設定で、設計工事、竣工、オープンの順で行い、テナントの希望する容積や家賃から必要床面積を出されて着工時から入居率は100%スタートを切れるということで、これまでのやり方とは全く違った発想でした。
他にもサウンドスケープ、スメルスケープなどのポイントも教えていただき、さらに、秘匿性(さびしさを感じない空間デザイン)もポイントとして挙げられました。
民間を使っての「儲ける公共」。視覚、嗅覚、聴覚で居心地の良い空間デザインの重要性を教わりました。自分のまちで活かせる地域を考えていけたらと思います。