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パソコン教室アイラブハイパークラブです。
教室に流れるBGMなどを紹介します。

脳を鍛える大人の料理ドリル

2005-07-31 22:15:40 | 音楽
 N氏宅にお邪魔したところ、帰り際に烏賊をたくさんいただいた。新鮮な魚のことを、志摩の魚屋さんは、「ぴんぴんのさかな」と表現するが、まさにぴんぴんの烏賊たちがびっしり敷き詰められた氷のベッドに横たわっている。壮観である。さっそく夕餉に餃子を焼く最中の長男に見せたところ、ぜひとも食したいとのこと。しかし、家人は出張である。
「えっ、誰がさばくの?」
息子に訊くと、やおら取り出したのが、「川島隆太教授の脳を鍛える大人の料理ドリル―料理の基本テクニック30日」だ。これにはバカウケだ。本と実物を見比べながらたどたどしく包丁を使っている。生来本など大きらいと言ってはばからない倅だったが、最近読書に目覚め、哲学、宗教…と、ありとあらゆる本を読み漁り始めた。これで、
「父さんも読みない」
と閉口するほど押し付けなければ、なかなか出来た…息子なのだが。

 さて、それにしても…である。
「何故こんな本を?」
と、尋ねると、
「本当は『脳を鍛える大人の計算ドリル―単純計算60日』という1冊が欲しくて母さんに頼んだら、大人のドリルシリーズというのは他にもいっぱいあるんやそうな、全巻買い揃えてくれたんさ」
とは、なにごとにも極端な母子である。

 いわく、
「手作りで料理をすることで、脳が活性化します!」
詳しく書けば、

 「音読」や「単純計算」と同じように、料理をすると脳が活性化する、ということが川島教授と大阪ガス(株)との共同研究により明らかになりました。本書は、「小口切り」や「三枚おろし」など、脳の活性化が証明された30の料理基本テクニックを使って、毎日一品ずつ挑戦する料理ドリルです。

 さらに言う。
「料理をして、脳も体も健康になりましょう」
つまり、

 まずは「今日の料理ドリル」をよく読み、その日の料理テクニックを使った料理に挑戦しましょう。「何を作るか」は自由ですが、料理が思い浮かばない方は岸朝子さん監修の「オススメ健康食レシピ」に挑戦してみましょう。その日の料理テクニックを使って簡単に作ることができる、体にいい料理のレシピが掲載されています。

 なんかその気にならないか? なお続くのだ。
「料理を毎日の習慣にしましょう」
どう、前のめりにならない?

 30の基本テクニック以外にも、職人レベルのテクニックを集めた「伝統の“わざ”にチャレンジ!」や、家族で取り組める「家族でわいわいレシピ」などを収録。楽しみながら料理を続けましょう。なお、脳のトレーニングは一日のうちで脳がもっとも活発に働く午前中がベスト。朝食や昼食はしっかり作って食べたいものです。

 ワシのように料理の上手な女性を娶れ、と小一時間。だが、筋トレを日課とするようにフィジカルに重きを置き、さらには"脳を鍛える"に思いを至らせた愚息に、怠惰な父がいうべき言葉は見つからない。そのうち
「脳を鍛えやないかんから。父さんのクロスカッター(日本直販だ)捨てといたから」
と言われるのが目に見えるようで、少しビビッている。なにしろ包丁研ぎまで新調したようだから。

 今日は町あげての出合い(お盆前の清掃)の日だった。ブロック塀の影に座り込んで隣家の兄さんと一年に一度の駄弁りを楽しむ。何の日だったか。 「枯木灘」の秋幸を彷彿とさせるアニさんは、まもなく還暦を迎えるというのにまだまだ意気盛んだ。子どものころ、初めて野球の面白さに気づかせてくれたし、畑のトマトをもいで食べる美味さを教えてもくれた人でもある。
「よその畑のが一番美味いんや」
などと聞いたような記憶もあるが、気のせいだろう。あれやこれやと昔話はつきなかったが、あの頃、見上げるほど高く、いかつく、ときに優しく、遥かに大きく感じたものだが、今、ぼくの目線よりも下に笑顔がある。人懐っこく、たまらない笑顔だ。サラ・ヴォーンの”オール・オブ・ミー”がシャワーのBGMにぴったりはまった。