久しぶりになりますが、Net4U説明会を行いました。
Net4Uは、おもに在宅医療の分野で、在宅主治医、訪問看護師、ケアマネ、薬剤師、療法士などとの間での多職種連携に活用されていますが、
参加医療機関が少なく、訪問看護師からは医療機関がもっと増えれば連携がとりやすいのにな~という声が挙がっています。
そんな背景もあり、参加施設を増やしたいとの思いもあり、活用事例を中心とした説明会を開催しました。
イントロとして、三原から、Net4Uの歴史、機能、ちょうかいネットとの違い、職種別の利用の現状、診療報酬上の加算について、ざっと説明させて頂きました。
次いで、運用の実際として、中村内科胃腸科の中村先生とハローナースの斎藤典子さんからNet4Uの活用事例を中心にお話をして頂きました。
中村先生のところでは、Net4Uでの連携患者数は延べ3591件に及ぶそうで、病院、診療所、訪問看護ステーションのみならず、薬局、介護系事業所、歯科などとも連携しておられ、その活用ぶりは私にとっても驚きでした!また、診療開始前に、Net4Uのホーム画面で、自分の患者さんの他の施設での状況を確認するなど、Net4Uを利用した「ネット回診」を行っているそうです。事例紹介では、Net4Uを使った、さまざまな施設、職種との連携を紹介して頂きました。Net4Uは、単に便利なツールだけではなく、質の高い(在宅)医療を実践する上で、不可欠なツールであることを再認識しました。
斎藤さんからは、ケース報告を通して、従来の電話、FAX、連絡ノート、メール、会議などと比較し、
Net4Uが優れたコミュニケーションツールであることが示されました。
また、スタッフの声として、以下の意見が挙げられたそうです。
・患者の状態の変化を予測しやすくなった
・小さな気づきを共有しやすくなった
・ステーション内でも情報共有がしやすくなった
・主治医への相談や連絡など、やりとりがしやすくなった
・過去の記録、検査データ、処方内容などもすぐに確認できる
・スキントラブル時の画像添付により指示が確認しやすくなった
・経時変化が分かりやすくなった
・ショートステイ利用中(みずばしょう)の状態が確認できた
・相談したいことを「メモ機能」で入力、相談することで主治医より返信を頂くことができた
・他サービス利用時や、往診時の状況など患者の反応が確認できる →→→患者・家族対応の説明やケアの統一
結果として、より質の高いケアとつながります!
とのことでした。
一方、『もっとこのような使い方ができればいいのになぁ』として
・参加機関がもっと増えれば連携がとりやすい
(参加機関に入っているが、実際にNet4Uを活用している機関は少ない)
・主治医の往診の内容(治療方針や患者や家族への説明とその
反応など)の詳細があると、訪問看護でも継続した関わりへ
つながる
・ハローナースのみの入力で一方通行の情報提供になってしまうので、
チームとしてより多くの機関で情報共有していきたい
・脳血管疾患の方のMRI、骨折の人のCT画像(荷重制限、骨融合の程度、骨
粗鬆症の程度)など、今後もちょうかいネットと併用しての確認がより多
くできるようになればよい
などが挙げられたそうです。
質疑として、精神科の開業医から、精神疾患を知られたくない患者が多いが・・という質問がありました。
Net4Uは、登録しても、自分しかみれない。
紹介状や招待機能で相手が同意した場合にのみ、双方で閲覧が可能となる仕組みであることを説明しました。
Net4Uは、患者さんにとっても、また、地域の医療の質の向上にとっても、とても有用なツールであることを
多くの医療・介護関係者に知ってもらうという意味で、今回の説明会は、有意義だと感じました。
このような啓発・勧誘活動は今後とも続けて行くべきだと思っています。、
Net4U説明会を通して少しでもNet4Uへの理解が深まり、参加施設が増えることを願っています。