地域医療福祉情報連携協議会 第10回シンポジウム・総会
日時:平成29年6月29日(木)10:00~17:00
会場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
主催:地域医療福祉情報連携協議会
共催:特定非営利法人 地域医療情報連携推進機構
【特別講演】
地域医療介護情報連携における厚生労働省の政策動向について
厚生労働省 大臣官房審議官 椎葉 茂樹氏
【基調講演】
日本医師会が目指す地域医療・介護連携の課題
日本医師会常任理事 石川 広己
【事例報告】
・サービスクラウドにより黒字運営を実現した「ユビタン健康ネット」
福島県医療福祉情報ネットワーク協議会 理事 星 北斗
・安定経営の上に広域化を実現
医療と介護を繋ぐヘルスケアソーシャルネットワークNfet4Uと
広域ネットワーク「ちょうかいネット」との融合
鶴岡地区医師会 理事 三原一郎
・自治体病院による全県ネットワークの構築
ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル
静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 副院長 森 典子
・愛知県内における在宅医療・介護連携の課題
地域医療・介護連携システムの現状と課題
~愛知県内の取り組みを中心に~
名古屋大学 総長補佐/水野 正明
・自治体としての地域医療介護連携の取り組み
しまね医療情報ネットワーク(まめネット)
島根県立中央病院 病院長 小坂 真二
【パネルディスカッション】
テーマ:地域医療介護情報連携システムの安定経営のために
モデレーター:NPO法人長崎地域医療連携ネットワークシステム協議会 理事・運営委員 柴田真吾
パネリスト:事例報告者5名
私の事例報告の抄録
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医療と介護を繋ぐヘルスケア・ソーシャルネット「Net4U」と
広域ネットワーク「ちょうかいネット」との融合
山形県鶴岡地区医師会
理事/三原一郎
山形県鶴岡地区では、16年以上にわたり、地域電子カルテNet4Uを運用しているが、2012年には、医療と介護を繋ぐヘルスケアソーシャルネットワークNet4Uとして、おもに在宅医療における多職種協働を支援するツールとして全面改訂された。Net4U参加施設は医療機関、薬局、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、老人施設など多岐にわたり、ユーザの職種別でみると、ケアマネジャーなどの介護職の参加が最も多く、全体の33%を占め、次いで看護師(27%)、医師(19%)の順である。Net4U利用患者数は年々増加傾向にあり、地域の在宅医療に関わる医療・介護職にとって必須のツールとして定着しつつある。
さらに、山形県では4つの医療圏毎にID-Linkやhuman-brideを利用した広域ネットワークが整備され、病院間あるいは病院と診療所間でのネットワークを介しての情報共有が徐々にではあるが普及しつつある。鶴岡、酒田を含む庄内医療圏のID-Linkネットワークは「ちょうかいネット」と呼ばれ、Net4Uもちょうかいネットの開示施設としてカルテ情報を開示するとともに、Net4U画面からワンクリックで開示病院の電子カルテを閲覧する機能を実装した。このことにより、病院、診療所、訪問看護ステーション、介護事業所、老人施設などの情報を一元化することが可能となった。
また、当地区では、電子化した5つの地域連携パスを運用しており、とくに、大腿骨近位部骨折、脳卒中連携パスは全例登録を原則とし、地域での疾患データベースを構築するとともに、蓄積されたデータを分析し、年報として冊子化するなど疾病管理を目指した活動も行っている。脳卒中地域連携パスはNet4Uとも連動しており、カルテ情報とパスデータを相互に参照することが可能となり利便性がさらに向上した。 一方で、これら医療情報ネットワークの利用医療機関は限定されており、課題も少なくない。
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