雑賀党の鉄砲芸を披露する場で、敵とも味方とも知れぬ雑賀孫市に対して、信長の部下が用心のため布陣するという。そんなことをすれば客人の孫市は怒る。
そのときの、人たらし名人の藤吉郎と孫市とのやりとり。
蛍や針まで撃てるという鉄砲集団の雜賀衆は世に恐れられている。
それを藤吉郎は「おぬしの下地ひとつで何でも撃てるか」と聞く。
「撃ち取れるとも。―――が、おぬし」と、藤吉郎をみた。
「たとえば、誰を撃て、というのじゃ」
「この藤吉郎を撃つ。―」
「おお、撃つぞ。」
「それで安堵した。なあ、孫市殿。きょうの演武で、おぬしの気性ゆえに気にいらぬことも出来しよう。そのときは、即座にこの木下藤吉郎を撃ってくれ。」
孫市、察して藤吉郎の言葉の裏を読みぬいた。このお寧々の亭主殿のいうことは、要するに信長の警護のため不快なことがあろうが、わしに免じて我慢してくれというのであろう。
「わかった。何事があっても怒らぬことにする。第一、おぬしを撃ちとめればお寧々どのに憂き目を見せるわ」
『尻啖え孫市』 司馬遼太郎著より
歴史上、信長と石山本願寺が敵同士で戦うから、秀吉と孫市がこんな友情を交し合うことはなかったという。
記録に残っていない部分に創作の余地が広がると、司馬遼太郎が小説にした。
いかにも秀吉の人心掌握術を表現している。
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9/05(水) 1541pv 169ip -位(850141 BLOG中)
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そのときの、人たらし名人の藤吉郎と孫市とのやりとり。
蛍や針まで撃てるという鉄砲集団の雜賀衆は世に恐れられている。
それを藤吉郎は「おぬしの下地ひとつで何でも撃てるか」と聞く。
「撃ち取れるとも。―――が、おぬし」と、藤吉郎をみた。
「たとえば、誰を撃て、というのじゃ」
「この藤吉郎を撃つ。―」
「おお、撃つぞ。」
「それで安堵した。なあ、孫市殿。きょうの演武で、おぬしの気性ゆえに気にいらぬことも出来しよう。そのときは、即座にこの木下藤吉郎を撃ってくれ。」
孫市、察して藤吉郎の言葉の裏を読みぬいた。このお寧々の亭主殿のいうことは、要するに信長の警護のため不快なことがあろうが、わしに免じて我慢してくれというのであろう。
「わかった。何事があっても怒らぬことにする。第一、おぬしを撃ちとめればお寧々どのに憂き目を見せるわ」
『尻啖え孫市』 司馬遼太郎著より
歴史上、信長と石山本願寺が敵同士で戦うから、秀吉と孫市がこんな友情を交し合うことはなかったという。
記録に残っていない部分に創作の余地が広がると、司馬遼太郎が小説にした。
いかにも秀吉の人心掌握術を表現している。
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信長の子孫がスケートしている時代ですからね。
掲示板に、逃亡者の最終回を写真つきで紹介してくれてありがとうございました。
している話題に触れていました。
きょうは、iinaが代休をとったら「偶然」にテレビで
『尻啖え孫市』をやったのには驚きました。
その模様をきょうのブログにアップしました。
こんど、『逃亡者』最終回をブログに載せましょうか・・・。
「尻啖え孫市」は何冊買ったことか。私のバイブルです。ナゾが多いので好きな人物です。
他には島左近とか、山中鹿之介でしょうか。
謎の多い島左近や山中鹿之介もお好きでしたか。
でも、最近はいろいろな所で名を散見するようになりました。
一方、メジャーな信長が本能寺で殺されたのを常識だと思っていたのに、
本能寺の遺跡が出土して歴史を裏付ける物証になったとは、
検証は奥が深いですね。
http://blog.goo.ne.jp/buli/e/c91f2eb9b1f1fb49312112318c75cd18
幼少だったのですが、なぜか雑賀孫市=林隆三だけが「スリコミ」されておりまして、中村錦之助編は知りませんでした。
また遊びに来ます。