チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

ブックハンター「大健康力」

2012-12-12 13:47:13 | 独学

27. 大健康力 (塩谷信男著 1997年発行)

 『 「正心調息法」は、一種の呼吸法で正心と調息の二面から成っている。正心とは、一口でいえば、心の正しい使い方のことです。

 一.物事はすべて前向きに考える。
 二.感謝を忘れない。
 三.愚痴をこぼさない。

 この三つを平素から心掛けながら、次の調息法を実行します。

 一.姿勢
 背筋は真直ぐに伸ばして座る。肘を直角に曲げて両手を組む。丸い玉を両手で包むように組む

 二.息法
 吸息、充息、吐息、小息、静息に分かれる。

 ① 吸息(息を吸い込むこと)
  鼻から静かに息を吸い込む。胸一杯に、肺の底まで吸い込む。

 ② 充息(息を止めること)
  吸い込んだ息を下腹に押し込む。同時に肛門を閉める。丹田に力を込め息を止めた まま数秒こらえる。

 ③ 吐息(息を吐き出すこと)
  鼻から静かに、息を吐き出す。腹の力を静かに抜き、腹をへこます。

 ④ 小息(小さな呼吸のこと)
  普通の呼吸を一つする。

 以上の①から④を一呼吸(一サイクル)として、25回行う。
 ⑤ 静息(静かな呼吸のこと)
  25回終わったら、丹田に軽く力を込めたまま、静かに、ゆっくりと普通の呼吸を 十回する。

 さらに正心調息法の特徴は、この呼吸の際に、想念と内観を行うことです。この状態のときは、潜在意識に自分の思いを植え付けやすく、想念と内観によって、宇宙の無限の力を体内に取り込みます。

 また、これは、人生百般のことにも応用できます。私はこの宇宙の力を利用して、様々な困難を乗り越えてきました。

 何か困ったときや、人生の岐路に立ったとき、この力と一体になることによって、生きる活力が湧いてくるのです。

 ○ 吸息の間…宇宙の無限力が丹田に収められた。そして全身に満渡ったと心の中で念ずる。

 ○ 充息の間…全身がまったく健康になった。あるいは、何か治したい病気があれば、その病気が治ったと念ずる。一つの病気を五回づつ合計5つの病気を念じ、治したい病気が5つなければ、治したい病気を念じた後に、そのうちで特に治したい病気を念じる。

 ○ 吐息の間…全身がきれいになった。芯から若返ったと念じる。

 ○ 静息の間…このときは想念を止めて、いわゆる無念無想の境地に入ってもよし、また自分で公案をつくってもよい。(公案とは、坐禅工夫させる問題)例えば「自分は大宇宙と一体になった」とか、「短気が直った」とか、自分の自由時間であるから、どう使ってもよい。』


 『 多くの場合、健康とは丈夫な体、病気にならない強い体……など、体力を中心とした身体に重点が置かれているのではないかと思われます。しかし果たして体が丈夫なだけで、人間は健康と言えるでしょうか?

 私は健康という言葉の中に、体の健康である体力に加え、心の健康である精神力、そして英知の健康である知力の3つがふくまれているのではないかと考えます。もちろんこの3つの一つでも欠けていれば、人間は決して健康とは呼べません。

 3つの健康は、決してそれぞれが独立したものではありません。互いに影響し、バランスを取り合い、共存して人間の健康を実現しているのです。

 さらに一歩進んで、私はこの3つの健康、すなわち精神力、知力、体力が最も充実した状態こそ、本来人間が人間としてあるべき正常な姿なのではないかと考えています。言い換えれば個人個人がそれぞれの天分として、持てる能力を最も発揮できる姿といっていいかもしれません。』


 『 インドの神秘的身体論に、チャクラという概念があります。いわば生命のエネルギーの集積所とでもいったものが、脊髄に沿って存在し、その数は7つあり、臍下丹田もその一つに数えられるものです。

 ヨーガは生命エネルギーである息(プラーナ)を止め、それを体に充満させる手段です。そうしてこのチャクラを活性化させ、最終的には宇宙の根本原理であるシバ神と同一になるという考え方で、これが解脱と呼ばれています。

 さて、意識的に肛門をキュッと締めると、自然に会陰部に力が入ることになります。会陰部とは肛門と性器の間を指しますが、実はこの会陰部に力を入れることがチャクラを活性化させる方法であることを、多くのインド、中国の古い文献が伝えているのです。

 会陰部は、体の中央にありながら、なかなか意識の行かない場所でもあります。また消化管の最終部分で、腸が皮膚へと変わる部分が肛門で、その粘膜の静脈が発達していることでも有名です。

 つまり意識を持たない限り血行が悪くなるわけで、鬱血した状態が、体にいいはずはがありません。日本人には痔が多いとされますが、生活習慣の影響もさることながら、こうした意識の希薄さも関係しているのではないでしょうか。

 痔や脱肛、更には肛門癌、直腸癌の予防になるばかりか、自然に会陰部に力のはいることでヨーガが指摘するようにチャクラが活性化するのであれば、なおさら結構なことです。』


 『 私は14歳の時から複式呼吸を始めて、以来、ずっとこれを続けて来ました。その結果、弱かった体を普通の健康体につくり上げることができました。60歳の時、独自の呼吸法を完成させ、それからというもの94歳に至るまで、むしろ若返りました。

 私は呼吸法を完成させた60歳を過ぎてから、多くの出来事を体験させていただきました。そのひとつは、60歳を過ぎてから、ゴルフの腕前が上達したことです。

 たいていの場合、60歳を過ぎれば体力も落ちるのに合わせて飛距離と腕前が落ちるばかりか、ゴルフをするのさえ億劫になるのが普通のようです。

 60歳の時、私は「よし、シングルになってやろう」と思い立ちました。当時ハンディキャップは13で、普通、体力も技術も落ち勘も鈍る60歳で、一念発起する者は極めて稀です。

 ところがこの目標は、あっさりとはいかないまでも65歳のときに達成されたのです。さらに66歳では、ハンデ8まで上がりました。さらに87歳、92歳、94歳で3度のエージシュートを達成するという、ありがたい経験をさせていただきました。』

(塩谷博士は、105歳まで生きて、正心調息法の潜在能力を証明しました)(第28回)