1. はじめに
1.2 エントロピーとは何か
エントロピー(S:entropy)
乱雑さ、無秩序、混沌、使用不可能なエネルギー量であり、ある系に於いて、自発変化(Spontaneous change)外部から何ら仕事を加えなくても起こる変化。
たとえば、ビーカーに入った水に水溶性のインクを1滴たらすと、インクは全体に広がり薄まる。しかし、その反対に薄まったインクが集まって1滴のインクになることはない。
又別の例として、白い米1Lと赤い米1Lを仕切りのある箱に、それぞれを左右に入れて、仕切りをゆっくりと引き上げると左に白い米1Lと右に赤い米1Lとして存在する。これをゆっくりと揺するとしだいに、ピンクの米2Lとなり、白い米粒と赤い米粒は混ざり合う。いくらゆすっても元の白い米と赤い米が左右に分かれることはない。
S=KbInW 微視的状態の数(確率)Wの自然対数に比例する
Kbは、ボルッマン定数 1.381*10‐23JK
ΔS=KbIn(P2(状態2の確率)/P1(状態1の確率))
すなわち、稀な確率P1から、より大きな確率P2へすなわちエントロピーΔSは不可逆的に増大する。
一方熱力学的なエントロピーの定義は
ΔS=dQ/Trev >= dQ/T 系に出入りした熱QをTrev(可逆) 融解や蒸発の絶対温度で割る
エントロピーは、本来は乱雑な、無秩序な方向に向かい、太陽からの光エネルギーを受けても、単に温度があがるだけで、秩序ある方向へは向かわないというのが、エントロピー増大の法則であるが、地球は、水と生物と太陽によって、熱力学の第二法則が存在しているにもかかわらず、エントロピーに逆走しているように見える。
このエントロピーに逆走しているエンジン(駆動力)を探って行きます。エントロピーを考える時、温度について定義する必要がある。温度は、気体分子の並進運動エネルギーに比例し、分子が静止した状態を絶対温度0K(ー273度C)とする。すなわち、温度は絶対零度以下になることはない。(第2回)
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