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マーケティング研究 他社事例 716 「GAFAという巨人8」 ~本格化するESG投資によるステークホルダーから厳しい目を向けられる!?~

2021-01-04 07:22:21 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 716 「GAFAという巨人8」 ~本格化するESG投資によるステークホルダーから厳しい目を向けられる!?~


アメリカ大統領選挙の投開票日から一夜明けた11月4日のアメリカ株式市場ではハイテク株に買いが集まりました。

グーグル親会社のアルファベットは一時前日比8%高をつけて上場来高値を更新しました。

フェイスブックも一時9%高となりました。

大統領選の行方が混沌する中で株価を押し上げたのは、同時に実施した連邦議会選挙で「上院は共和党が優勢」と伝わったためです。

大和証券は「規制強化のストッパーとしての役割をマーケットは好感した」と見ています。

現在、民主党が過半数を押さえている下院司法委員会では10月に、GAFAの事業分割を視野に入れた規制強化を求める報告書が提出されています。

仮に上院も民主党が押さえると規制強化が本格的に進むとの警戒感がありました。

このように時の政権や議会の勢力図などに翻弄されているように見えるGAFAですが、彼らにとって本当に恐ろしいのは政府や規制当局ではないのかもしれません。

起業である以上、顧客が製品やサービスを使い、従業員が働き、取引先がビジネスを支えてくれなければ、事業を続けていくことは難しくなります。

しかし、巨大化し、影響力が増すにつれ、各社の成長を支えてきた消費者や従業員、取引先が反旗を翻す事例が目立ってきました。

『授乳でグーグルに抗議』

ロンドンのグーグルの拠点前で、約150人の母親たちが集まり、授乳をすることで抗議の意思を示しました。

グーグルが、表向きには環境保護への取り組みをうたっているにもかかわらず、実際にはワシントンの気候変動を否定する団体に相当額の寄付をしていたことをイギリス誌が伝えたことがきっかけでした。

ここ数年、GAFAでは従業員による経営陣への抗議も活発化しています。

その結果、経営陣が何らかの社会的責務を果たさざるを得ない状況に追い込まれる場面が増えて来ました。

例えば、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは2020年6月、気候変動対策に特化した投資基金「気候公約ファンド」に20億ドルの資金を投じると発表しました。

これは会社としての投資ですが、4カ月前の2月にはベゾス氏個人として100億ドルを投じ、同様の基金を立ち上げると発表して世間を驚かせています。

ベゾス氏が気候変動に多額の資金をつぎ込む背景に、従業員による「反乱」があります。

AWSの元バイスプレジデントが抗議して退社したきっかけは、アマゾンの気候変動への対応が不十分だとして抗議活動を展開してきた2人の技術系社員が突如、解雇されたことだったのです。

2人が中心的役割を担っていたのが、アマゾンの社内アクティビスト団体(アマゾン・エンプロイーズ・フォー・クライメット・ジャスティス(AECJ))です。

その一人、マレン・コスタさんは活動を始めた動機を「子を持つ母親として、勤務先のアマゾンには温暖化などの地球環境に配慮する会社であってほしかった」と説明しています。

AECJが最初に取り組んだのが、2019年4月に発表した「ジェフ・ベゾス氏とアマゾン役員への公開状」でした。

アマゾンが環境保護においてリーダー的存在になるべきだとしたその文書には、一部幹部を含む8702人が署名しました。

結局、コスタさんは活動の末に2020年4月に解雇されたましたが、アマゾンの気候変動関連基金への巨額の資金投下は、こうした抗議活動があったからでもあります。

「解雇された後もアマゾンが環境に配慮した会社になるための活動は続けている」とコスタさんは打ち明けています。

(続く)



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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