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マーケティング研究 他社事例 723 「反競争的行為の認定は出来ないのでは」 ~グーグルの場合~

2021-01-12 10:26:07 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 723 「反競争的行為の認定は出来ないのでは」 ~グーグルの場合~


影響力が年々増大する巨大IT企業に対し、アメリカの規制当局がついに動きました。

10月20日、アメリカ司法省はグーグルを反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴しました。

グーグルが中核事業としているインターネット検索事業および消費者の検索データを活用した検索広告市場において、圧倒的地位を維持するため反競争的行為に関与したと言うのです。

「インターネットの独占的な『門番』だ」

ウイリアム・バー司法長官はグーグルをこのように形容しました。

司法省によれば、同社はインターネットへの主要ポータルサイトにおいて圧倒的優位な立場を保つことで、全米の検索クエリの約8割に相当する検索経路を支配していると言います。

アメリカ当局は、こうした独占力を利用してグーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載するスマートフォンに自社の検索アプリを標準搭載したり、競合の検索サービスの初期搭載を禁じる独占契約をスマホメーカーと結んだりした点を問題視しました。

また、アップルのiPhoneに関しても、自社の検索サービスを標準とするようアップルと契約し、巨額の対価を支払ったと指摘しています。

司法省の訴えの基となっているのは、グーグルの競争を妨げる行為が検索サービスの質の低下、消費者の選択肢の減少、広告料金の高止まりなどにつながっているとする批判です。

しかし、一方で、オンライン広告事業の基盤となっている検索サービスは基本的に「無料」です。

消費者が他のサービスに乗り換えることも比較的容易に出来ます。

このような状況の中で「グーグルが消費者に損害を与えている」ことをどのように明示するのかが、今後の裁判の争点になるとされています。

「検索サービスの『質』を競い合う状況が阻害されていると立証することで、消費者が不利益を被っていると示そうとしているのではないか」

競争環境がゆがめられ、独占的な地位が生まれれば、結果的に消費者のデータ保護がおろそかになったり、より良いサービスへのアクセス権を奪ったりする可能性はあります。

しかし、それを立証するのは簡単ではありません。

この問題はグーグルなど「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業に独占禁止法を適用する難しさをはらみます。

説明をしてきたようにデジタル時代は、独占や寡占の有無を「価格」で判断してきた従来の独占禁止法と判断基準が異なるからです。

「消費者が特定のプラットフォームでサービスを使わざるを得ない状況を生み出し、個人データを収集して、他のIT企業と公正な競争ができない環境をプラットフォームが作り出していること」を示す強力な証拠をどれだけ集められるかが重要となって来ます。

「競争促進がイノベーションの源泉であるという理念を守る為にも規制当局の積極的な関与が必要だ」ある専門家は話します。

データの囲い込みが反競争的行為であることを示し、それを防ぐ仕組みを競争政策上どのように構築していくのか?

アメリカだけでは無く、各国の司法や行政に大きな課題が突きつけられていると言っても過言ではありませんね。


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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