マーケティング研究 他社事例 724 「アート業界の課題改善」 ~芸術作品の流通インフラの開発に取り組んでいます~
「アート作品の贋作は、偽札をつくるよりも効率がいい」
そう話すのは、スタートバーンの施井代表です。
同社はアート作品の製作情報や売買履歴をブロックチェーン(分散型台帳)で管理するシステムを開発したスタートアップです。
作品によって億単位の値が付くこともあるアート業界では、贋作製作者がアーティストを脅かして本物と認めさせようとする事例すらあると言います。
「美術品の2次流通市場の半分は贋作だという説もある」
業界では定説となっているそうです。
深刻な贋作問題の一因は、アート作品の来歴の管理が、改ざんが難しくない紙の証明書に依存していることにあるようです。
「美術品とお金は古くから密接な関係があったが、従来は紙の証明書の紛失やコピーが横行していた」といい、高額な取引に関わらず、業界の管理体制は厳密ではありませんでした。
そこでスタートバーンはそれを改革し、アーティストにも買い手にも公平な取引の仕組みを確立することに挑んでいます。
スタートバーンが開発したアート業界向け共通インフラ「Startrail(スタートレイル)」は、アート作品の製作情報や売買履歴をブロックチェーンで管理する仕組みです。
ブロックチェーンは、簡単に言えば暗号技術を用い、複数のコンピューターに同一の取引を記録する技術で、あるコンピューターで過去の記録を変更しようとしても他のコンピューターにある記録との整合性がとれなくなり、改ざんが判明するものです。
ブロックチェーン上の証明書で、どこにあるアート作品が「本物」でどのような取引履歴があるかが分かります。
2019年9月に本格稼働して、証明書の発行数は約1万件に上ります。
スタートレイルを公共インフラにするべく、世界中のアート関連業者が作品の来歴を管理できるようになることを目指します。
公平を促す為に、複数の企業などによる任意団体がスタートレイルを共同運営する体制に移行する予定です。
もっとも、創業から現在に至るまでには試行錯誤がありました。
施井代表は現役の芸術家で、2001年に多摩美術大学絵画科を卒業し、油絵などを中心に創作活動をしてきました。
「情報革命とアートがテーマ」と話す施井氏は作品制作と並行して、アート流通のインフラを作ることは大学卒業時から考えていたと言います。
当初は、作品の2次流通以降もアーティストに利益が還元されるシステムを構想していましたが、それは一度手放した作品は、転売されて価格が高騰しても、アーティストに追加の収入は入らない事に疑問を持っていたからでした。
最初に高く売りたいアーティストと、将来性が不確定なので安く仕入れたい買い手との間で値段が折り合わないことが多かったのです。
「2次流通以降の値上がりに応じてアーティストに利益を還元できるシステムがあれば、若いアーティストも比較的安価で作品を手放すことができるはず」と考え、施井氏は2014年にスタートバーンを創業し、2015年に作品の売買ごとに制作者に利益が支払われるオークション機能付きウェブサービスを立ち上げました。
しかし、このサービスには重大な欠点があり、事業としては全く成功しませんでした。
自社サービス以外の、別のオークションサイトなどで作品が販売されてしまうと履歴が途切れ、アーティストにはその後、利益が一切還元されなくなってしまったのです。
そこで施井氏は作品の売買履歴を共通で管理するシステムを、業界全体に行き渡らせる必要性に辿り着きました。
そのためのツールがブロックチェーン技術を用いたスタートレイルだったのです。
2020年9月には、ICタグをスマホで読み込むと、ブロックチェーン証明書を閲覧できる自社サービス「Startbahn Cert」も本格的に運用し始めました。
作品の額縁などにICタグを貼っておけば作品の所有者が代わってもすぐにスタートレイル上で売買履歴が確認できるのです。
既に約30のギャラリーやオークションサービス会社が導入しています。
もちろん、世界のアート市場に共通のインフラとして普及させるまでには、」途方もなく長い道のりがありますが、出来るだけ多くの作品に使ってもらわなければ、紙の証明書への依存という業界の慣習を変える事は出来ません。
施井氏は「今は少しでも使いやすいサービスにして、できるだけ価値のある作品を登録してもらうことが大切。有名なアーティストなどのインフルエンサーも使いつつ利用を広げていきたい」と意気込みます。
ICタグは既に約5000枚発行しており、1枚数千円する価格を、普及のために何とか100円程度まで下げたい考えです。
スタートレイルを利用した企業・団体の流通システムの共同開発やICタグの販売が収入源になっているものの、同社の直近の売上はまだ約5000万円程度となり、今後は自社サービスの機能を充実させそれらをすべて使える有料会員プランをつくるなどの形でマネタイズしていきたいと展望を語ります。
ICタグの発行枚数や利用会員をどんどん増やして、自社サービスだけで収益を確保できるのが理想ではありますが、一筋縄ではいかなくとも、挑戦する価値は十分にあると言えますね。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
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メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
「アート作品の贋作は、偽札をつくるよりも効率がいい」
そう話すのは、スタートバーンの施井代表です。
同社はアート作品の製作情報や売買履歴をブロックチェーン(分散型台帳)で管理するシステムを開発したスタートアップです。
作品によって億単位の値が付くこともあるアート業界では、贋作製作者がアーティストを脅かして本物と認めさせようとする事例すらあると言います。
「美術品の2次流通市場の半分は贋作だという説もある」
業界では定説となっているそうです。
深刻な贋作問題の一因は、アート作品の来歴の管理が、改ざんが難しくない紙の証明書に依存していることにあるようです。
「美術品とお金は古くから密接な関係があったが、従来は紙の証明書の紛失やコピーが横行していた」といい、高額な取引に関わらず、業界の管理体制は厳密ではありませんでした。
そこでスタートバーンはそれを改革し、アーティストにも買い手にも公平な取引の仕組みを確立することに挑んでいます。
スタートバーンが開発したアート業界向け共通インフラ「Startrail(スタートレイル)」は、アート作品の製作情報や売買履歴をブロックチェーンで管理する仕組みです。
ブロックチェーンは、簡単に言えば暗号技術を用い、複数のコンピューターに同一の取引を記録する技術で、あるコンピューターで過去の記録を変更しようとしても他のコンピューターにある記録との整合性がとれなくなり、改ざんが判明するものです。
ブロックチェーン上の証明書で、どこにあるアート作品が「本物」でどのような取引履歴があるかが分かります。
2019年9月に本格稼働して、証明書の発行数は約1万件に上ります。
スタートレイルを公共インフラにするべく、世界中のアート関連業者が作品の来歴を管理できるようになることを目指します。
公平を促す為に、複数の企業などによる任意団体がスタートレイルを共同運営する体制に移行する予定です。
もっとも、創業から現在に至るまでには試行錯誤がありました。
施井代表は現役の芸術家で、2001年に多摩美術大学絵画科を卒業し、油絵などを中心に創作活動をしてきました。
「情報革命とアートがテーマ」と話す施井氏は作品制作と並行して、アート流通のインフラを作ることは大学卒業時から考えていたと言います。
当初は、作品の2次流通以降もアーティストに利益が還元されるシステムを構想していましたが、それは一度手放した作品は、転売されて価格が高騰しても、アーティストに追加の収入は入らない事に疑問を持っていたからでした。
最初に高く売りたいアーティストと、将来性が不確定なので安く仕入れたい買い手との間で値段が折り合わないことが多かったのです。
「2次流通以降の値上がりに応じてアーティストに利益を還元できるシステムがあれば、若いアーティストも比較的安価で作品を手放すことができるはず」と考え、施井氏は2014年にスタートバーンを創業し、2015年に作品の売買ごとに制作者に利益が支払われるオークション機能付きウェブサービスを立ち上げました。
しかし、このサービスには重大な欠点があり、事業としては全く成功しませんでした。
自社サービス以外の、別のオークションサイトなどで作品が販売されてしまうと履歴が途切れ、アーティストにはその後、利益が一切還元されなくなってしまったのです。
そこで施井氏は作品の売買履歴を共通で管理するシステムを、業界全体に行き渡らせる必要性に辿り着きました。
そのためのツールがブロックチェーン技術を用いたスタートレイルだったのです。
2020年9月には、ICタグをスマホで読み込むと、ブロックチェーン証明書を閲覧できる自社サービス「Startbahn Cert」も本格的に運用し始めました。
作品の額縁などにICタグを貼っておけば作品の所有者が代わってもすぐにスタートレイル上で売買履歴が確認できるのです。
既に約30のギャラリーやオークションサービス会社が導入しています。
もちろん、世界のアート市場に共通のインフラとして普及させるまでには、」途方もなく長い道のりがありますが、出来るだけ多くの作品に使ってもらわなければ、紙の証明書への依存という業界の慣習を変える事は出来ません。
施井氏は「今は少しでも使いやすいサービスにして、できるだけ価値のある作品を登録してもらうことが大切。有名なアーティストなどのインフルエンサーも使いつつ利用を広げていきたい」と意気込みます。
ICタグは既に約5000枚発行しており、1枚数千円する価格を、普及のために何とか100円程度まで下げたい考えです。
スタートレイルを利用した企業・団体の流通システムの共同開発やICタグの販売が収入源になっているものの、同社の直近の売上はまだ約5000万円程度となり、今後は自社サービスの機能を充実させそれらをすべて使える有料会員プランをつくるなどの形でマネタイズしていきたいと展望を語ります。
ICタグの発行枚数や利用会員をどんどん増やして、自社サービスだけで収益を確保できるのが理想ではありますが、一筋縄ではいかなくとも、挑戦する価値は十分にあると言えますね。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣