マーケティング研究 他社事例 732 「やり抜く文化を育てる3」 ~現場を変え、会社を強くする~
『新野改革』で目指すのは、「変われない昔の名門企業」という思い込みを払拭し、「復活できるのだ」という意識を社員に浸透させることです。
その意識改革の先導役が各部門からの志願者90人超の「チェンジエージェント」です。
現場の目線で改善点を提案してもらい、それを全社的な改革につなげていくというものです。
NEC社員の行動指針「コード・オブ・バリューズ」も新たに定め、人事評価の指標にもしました。
財布に入れて持ち歩けるようにしたカードには「心は情熱的、自らやり遂げるように」「行動はスピード、チャンスを逃さぬように」など、自らの使命をやり抜くことを奨励する5つのスローガンが並びます。
しかしNECが四半期ごとに実施している社員の意識調査を見る限り、現場レベルの文化改革にはまだ時間がかかりそうです。
「あなたはコード・オブ・バリューズの実践によって変化を生み出している」との設問に「強くそう思う」もしくは「そう思う」と回答した社員の比率は、約2年間で9.3ポイント増えただけでした。
啓発活動に取り組むものの、実際にアクションを起こしている社員は少ないという現実が浮かびます。
佐藤氏は「改革への抵抗は感じない。ただ、危機感が足りない社員がベテラン層などにみられる。ここで手を緩めれば元に戻ってしまう」と長期戦を覚悟しています。
最後までやり抜くことが出来なかったNECの象徴が海外事業でしょう。
先細る国内市場に代わる成長領域に位置づけ、長年にわたり海外売上比率を高めようとしてきましたが、2010年~2012年度の中計で目指した25%の海外売上比率も、次の中計で掲げた23%の目標も達成出来ませんでした。
海外売上比率27%を目指した2016年~2018年度の中計を早々に撤回したことは前述のとおりですが、新野氏は原因が組織編成にあるとみていました。
それまで、BU単位でみると国内事業の規模が圧倒的に大きく、海外事業は「おまけ」との意識が強かったのです。
さらに、各BUの海外事業で損失が発生しても国内事業で補填できていたため、赤字が見えにくかったのでした。
これでは海外売上比率は高まらないと言えます。
そこで、2018年4月、海外販売業務の専門組織だったグローバルBUに海外関連事業をすべて集約する刷新を図りました。
海外事業の改革をやり抜くためには外部の人材が必要と新野氏は判断し、以前から付き合いのあったGEジャパン出身の熊谷氏に声をかけ、組織再編に合わせてグルーバルBU長に就任してもらったのです。
熊谷氏は「利益率の低い案件は受注しないなど、徹底的なコストダウンを図った。最初は大ブーイングだったが、納得してくれるようになってきた」と語ります。
その結果、海外事業で2018年度に発生していた216億円の調整後営業損失は、2019年度に32億円まで縮小し、2020年度は黒字化を見込んでいます。
やる抜く文化が上層部から浸透してきたNECの業績は急回復し2019年度には、中計の最終年度である2020年度に達成するとした3兆円の売上高を1年前倒しで実現し、営業利益と営業利益率の目標も達成の一歩手前まで来ました。
胸を張ってゴールテープを切れるかに見えたましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が一変しました。
2020年4月~9月期の売上高は前年同月比9.2%減、営業利益は同57.4%減と急減速しています。
前の期の好調を支えた法人向けパソコンの更新需要も一巡するなど逆風下にあります。
シティーグループ証券のアナリストは「中計の目標が未達になる可能性が高まっている。撤回して計画を練り直したほうがよい」と語ります。
それでも新野氏は中計の目標を取り下げずに、執行役員や社員たちのやり抜く力を信じているようです。
ここまで、NECの人づくり・会社作りを見て来ました。
大企業ならではの発想と、一方、大企業らしからぬスピード感を感じる事が出来ると思います。
書籍ビジョナリーカンパニーで語られる第5段階(第5水準)の経営者とは、一見、謙虚でおとなしく人前に出たがらないが、強い意志を持ち、大胆な決断をすると言われています。
そして会社を成長させる為に以下の基準を持っています。
『情熱を持って取り組めるもの・自分が世界一になれるもの・収益をもたらすもの』
NECの取り組みはまさしくこの基準通りに進められたと言っても過言ではありませんね。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
『新野改革』で目指すのは、「変われない昔の名門企業」という思い込みを払拭し、「復活できるのだ」という意識を社員に浸透させることです。
その意識改革の先導役が各部門からの志願者90人超の「チェンジエージェント」です。
現場の目線で改善点を提案してもらい、それを全社的な改革につなげていくというものです。
NEC社員の行動指針「コード・オブ・バリューズ」も新たに定め、人事評価の指標にもしました。
財布に入れて持ち歩けるようにしたカードには「心は情熱的、自らやり遂げるように」「行動はスピード、チャンスを逃さぬように」など、自らの使命をやり抜くことを奨励する5つのスローガンが並びます。
しかしNECが四半期ごとに実施している社員の意識調査を見る限り、現場レベルの文化改革にはまだ時間がかかりそうです。
「あなたはコード・オブ・バリューズの実践によって変化を生み出している」との設問に「強くそう思う」もしくは「そう思う」と回答した社員の比率は、約2年間で9.3ポイント増えただけでした。
啓発活動に取り組むものの、実際にアクションを起こしている社員は少ないという現実が浮かびます。
佐藤氏は「改革への抵抗は感じない。ただ、危機感が足りない社員がベテラン層などにみられる。ここで手を緩めれば元に戻ってしまう」と長期戦を覚悟しています。
最後までやり抜くことが出来なかったNECの象徴が海外事業でしょう。
先細る国内市場に代わる成長領域に位置づけ、長年にわたり海外売上比率を高めようとしてきましたが、2010年~2012年度の中計で目指した25%の海外売上比率も、次の中計で掲げた23%の目標も達成出来ませんでした。
海外売上比率27%を目指した2016年~2018年度の中計を早々に撤回したことは前述のとおりですが、新野氏は原因が組織編成にあるとみていました。
それまで、BU単位でみると国内事業の規模が圧倒的に大きく、海外事業は「おまけ」との意識が強かったのです。
さらに、各BUの海外事業で損失が発生しても国内事業で補填できていたため、赤字が見えにくかったのでした。
これでは海外売上比率は高まらないと言えます。
そこで、2018年4月、海外販売業務の専門組織だったグローバルBUに海外関連事業をすべて集約する刷新を図りました。
海外事業の改革をやり抜くためには外部の人材が必要と新野氏は判断し、以前から付き合いのあったGEジャパン出身の熊谷氏に声をかけ、組織再編に合わせてグルーバルBU長に就任してもらったのです。
熊谷氏は「利益率の低い案件は受注しないなど、徹底的なコストダウンを図った。最初は大ブーイングだったが、納得してくれるようになってきた」と語ります。
その結果、海外事業で2018年度に発生していた216億円の調整後営業損失は、2019年度に32億円まで縮小し、2020年度は黒字化を見込んでいます。
やる抜く文化が上層部から浸透してきたNECの業績は急回復し2019年度には、中計の最終年度である2020年度に達成するとした3兆円の売上高を1年前倒しで実現し、営業利益と営業利益率の目標も達成の一歩手前まで来ました。
胸を張ってゴールテープを切れるかに見えたましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が一変しました。
2020年4月~9月期の売上高は前年同月比9.2%減、営業利益は同57.4%減と急減速しています。
前の期の好調を支えた法人向けパソコンの更新需要も一巡するなど逆風下にあります。
シティーグループ証券のアナリストは「中計の目標が未達になる可能性が高まっている。撤回して計画を練り直したほうがよい」と語ります。
それでも新野氏は中計の目標を取り下げずに、執行役員や社員たちのやり抜く力を信じているようです。
ここまで、NECの人づくり・会社作りを見て来ました。
大企業ならではの発想と、一方、大企業らしからぬスピード感を感じる事が出来ると思います。
書籍ビジョナリーカンパニーで語られる第5段階(第5水準)の経営者とは、一見、謙虚でおとなしく人前に出たがらないが、強い意志を持ち、大胆な決断をすると言われています。
そして会社を成長させる為に以下の基準を持っています。
『情熱を持って取り組めるもの・自分が世界一になれるもの・収益をもたらすもの』
NECの取り組みはまさしくこの基準通りに進められたと言っても過言ではありませんね。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。
メール info@irodori-pro.jp
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣