昨年末の話だが、アキュフェーズ社の「F25チャンネル・デヴァイダ―」(以下、「チャンデバ」)がオークションに出品されていた。
新品同様ということで、実を言うと大乗り気だった。
個人的にはアキュフェーズ社の製品は総じて見掛け倒しの冷たい音質というイメージを持っているので、アンプ類にはまったくといっていいほど食指をそそられないが「チャンデバ」だけは別かな(笑)。
オークションの解説にはこうあった。
4WAY仕様で、クロスの周波数は 500Hz 3500Hz 8000Hzです。
ALTECの4WAYシステムを動かしておりましたが今度システム変更で出します。F5 、F15、F15L、F20、F25、F25Vと使ってきましたが、作り、部品、音質どれをとってもこのF25が私にとっては最高でした。
F25Vが最後ですが、形こそ似てますが内部の構成はかなりダウンしていると感じました。パーツにも差が大きかったです。
追加してご質問がきましたので少し詳しく述べさせていただきます。
本体とラインアンプが2台、フィルターアンプが1台の構成です。周波数ボードはついておりません。
この状態で25万です。使用する周波数に近いボードを買って2WAYとなります。ボードは15000円です。よってスタートは265000円です。
3WAYにするにはフィルターアンプ1台とラインアンプ1台と周波数ボードを買い足しです。アンプはそれぞれ50000円ですので3WAY使用で380000円となります。
今回の4WAYですと同じように必要ですので495000円です。
2WAYでお持ちの方が3WAYにしようとしてもこのラインアンプとフィルターアンプがなかなか手に入りません。お望みの周波数ボードも同じです。
今回は4WAYでお出ししてますので、逆に3WAY,2WAYは可能です。」
以上のとおりだが、実はこのチャンデバを使用する条件が我が家にはバッチリ整っているのだ。
対象となるスピーカーはウェストミンスター(改)で、具体的には次のとおり。
<~500ヘルツ>
SPユニットはワーフェデールの「スーパー12」(赤帯マグネット付き)
<500~3500ヘルツ>
SPユニットはこの度購入したグッドマンの大型楕円形ユニット
<3500~8000ヘルツ>
SPユニットは同じグッドマンの小型楕円形ユニット
<8000ヘルツ~>
SPユニットはワーフェデールの「スーパー3」ツィーター
そして、これら4つのSPユニットを駆動する真空管アンプ4台は手持ちの9台の中から「より取り見取り」ときている(笑)。
う~ん、どうしようかと思い悩むうちに我が家に到着したのがこのブログで話題にした「6AR6=6098」シングルアンプだった。
そして、このアンプで駆動する「ウェストミンスター」が凄いハイレベルだったから、結局「チャンデバは止めとこう」の結論に至った。
そして、このチャンデバの落札価格は「22万1千円」で、奇しくも「6098」シングルアンプの購入価格とほぼ同額だった。
北国の真空管博士からは、「このアンプはお値段以上の音質であることを保証します」との折り紙付きなので差し引きでは結局、得したのかな~(笑)。
後日、オーディオ仲間にこの件を話したところ「それは買わなくて正解でした。ジャズならいざ知らず、クラシックの場合チャンデバを使うと肝心のハーモニーがガタガタになりますよ。ましてやアキュフェーズなんて・・・」
「ハイ、仰る通りだと思います」(笑)。
と、ここまで(ブログを)作成したところで、折よく「チャンデバ愛好家の」のメル友「I」さんからメールが届いた。関連部分を引用させてもらうと、
「自宅のクラシック4ウェイについて、大編成の音楽を、あまり混濁させずスケール感を出してくれます。音場も広いです。
この4ウェイが音場を広く再生する理由として、超内向きという置き方によるところはあるようです。
もうひとつ、4ウェイによる、各ユニットの位相の乱れがかえって分離良く聴かせている、ということも理由として考えられます。マルチウェイのこの傾向は、オーディオを始めた頃から感じています。」
実際に聴いてみないと何とも言えないが、「各ユニットの位相の乱れ」がチャンデバの弱点だが、それが逆に強味になるなんてやはりオーディオは「ケースバイケース」だし、しかもご本人さえ良ければ「それで良し」なんでしょうか(笑)。
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