新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

年末を飾るにふさわしいゴーン被告の大逃亡劇

2019年12月31日 | 社会
  間抜けな検察にあきれる 2019年12月31日  東京地検特捜部は経営者史上、空前の犯罪者、巨悪として、元日産会長のゴーン被告を逮捕、訴追していました。来春の公判開始を前に、ゴーン被告は監視の目をすり抜け、なんとプライベート・ジェット機でレバノンの首都ベイルートに逃亡しました。やってくれました。  本人は「私はいまレバノンにいる」と、声明を発表しました。「人権が無視されている不正な . . . 本文を読む

調剤もしないのに調剤薬局という不思議

2019年12月27日 | 社会
  何のための対価か1・8兆円 2019年12月27日  高齢者の多くはしばしば、病院、医院に行き、薬の処方箋をもらい、帰りに調剤薬局に寄って、薬を買います。領収証は専門用語が使われているので、なんのことか分からず、おカネを払い、後はゴミ箱にポイです。調剤薬局への支払いが国全体で約1・8兆円に上る。一体、何に対する対価なのか。  自分の体験をもとに「調剤薬局は本当に必要な存在なのだろう . . . 本文を読む

予算案の偽装で財政危機の危機感が後退

2019年12月24日 | 経済
  財政膨張をいつまで続けられるか 2019年12月24日  またまた過去最大です。103兆円という巨額の来年度予算案が決まりました。主要国の中で最悪の財政状態をいつまで続けるつもりなのかと、多くの識者、メディアの大半が懸念しています。それなのに国民に危機感が高まらないのは、予算案に多くの偽装がなされ、危機が隠されているからです。  史上最長、4選もあり得る安倍政権と言われるのですから . . . 本文を読む

言論戦でなく宣伝戦の場と化す米国の議会制民主主義

2019年12月20日 | 政治
  ネット社会が歪める政治的正義 2019年12月20日  国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展」について、劇作家の山崎正和氏が新聞のコラム(12/2、読売)で、「企画者は表現と主張を取り違えている」と指摘しました。「なるほど」と、思いました。「表現の自由」を侵すなと言いながら、「展示品企画展がイデオロギーを背負った宣伝手段(主張)の場になっている」と、批判したのです。 . . . 本文を読む

反日知識人が痛烈に右翼言論を批判

2019年12月13日 | 政治
  気骨を示した池上、半藤両氏 2019年12月13日  時事解説の池上彰氏、近現代史に詳しい半藤一利氏が対談の新書(幻冬舎)を出版しました。本のタイトルは「令和を生きる」と平凡だし、売らんかな商法の幻冬舎なので、始めは買う気が起きませんでした。書店で手にとってみると、右翼言論に鋭い批判を浴びせており、通読する気になりました。  池上氏はNHKのOBで、多数のテレビ番組に出演、解説書も . . . 本文を読む

民主主義を破壊するトランプ氏の言語力

2019年12月08日 | 国際
  弾劾すべき政治的品位の欠落 2019年12月8日  トランプ大統領は悪びれることなく、品位に欠ける言動を繰り返し、国内を分断し、同盟関係に亀裂を与え、国際機関・協定を弱体化させています。中国、ロシアと対決すると言いながら、中露をひたすら喜ばせているのです。  世界で最強の民主主義国・米国が、その政治的指導者の言動によって傷だらけになり始めています。民主主義が世界的潮流として、退潮期 . . . 本文を読む

格差拡大に目を向けない野党は愚か

2019年12月02日 | 経済
    経済停滞を生む中間層の疲弊 2019年12月2日  経済停滞の原因を考えるうえで、注目すべき重要な指摘がいくつかありました。要約して紹介しますと、「グローバル化は所得格差の拡大を通じて経済停滞を招き、副作用が増大している」「ゼロ金利の長期化は経済の新陳代謝を弱める(不効率な経済の温存)」です。グローバル化やゼロ金利を軸とする経済政策に無批判では、深まる低迷をさらに深めるこ . . . 本文を読む