新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

人質事件 敵を利する過剰報道

2015年01月31日 | メディア論
   過激派の狙いにはまるな                          2015年1月31日     イスラム過激派組織「イスラム国」による人質拘束事件は、1月末現在、ぱたっと進展が止まったかのようです。日本のメディアはこの10日間、連日、大量の紙面、時間を割いて報道を続けています。今朝も、新しい材料はないのに、主だった新聞は1面、社会面、国際面などを事件の記事で埋め尽くし . . . 本文を読む

オリンポスの神々が泣くギリシャ危機

2015年01月28日 | 国際
  経済と政治の相克                      2015年1月28日    ギリシャの総選挙で急進左派連合が圧勝しました。共産主義に共鳴し、チェ・ゲバラを崇拝するポピュリスト(大衆迎合主義者)で、40歳のチプラス氏が首相になり、ギリシャの神々も「何が起きているのだろうか」と驚いていることでしょう。ギリシャの危機は欧州連合(EU)の危機でもあります。欧州はイスラム過激 . . . 本文を読む

横綱白鵬がそんなに憎いか

2015年01月27日 | 社会
  積極的にビデオ判定を                        2015年1月27日    大相撲の初場所で、横綱の白鵬が全勝優勝し、これで優勝回数が史上最多の33回となりました。せっかくの大記録なのに、日本相撲協会、横綱審議会が権威風を吹かした下手な対応で、後味の悪い土俵となりましたね。    優勝を決めた13日目の取り組みが審判の物言いで取り直しとなりまし . . . 本文を読む

人質事件 人命尊重と非情な国際情勢の展開

2015年01月22日 | 国際
  甘い考えを捨てよう                        2015年1月24日     イスラム国による人質の殺害予告事件は、小康状態が続くのか、急展開がありうるのか。相手が相手だけに予想がまったくつきません。この間、事件をどう考えるのかをめぐり、様々な視点、論点が浮上しています。恐らく多く人たちが感じているであろう点をとりあげてみました。    まず、安 . . . 本文を読む

イスラム国の日本人殺害警告

2015年01月21日 | 国際
  「前線なき世界戦争」か                      2015年1月21日     イスラム過激派がパリで新聞社を狙ったテロ事件を起し、今度は安倍首相の中東歴訪のタイミングを狙って、人質の日本人の殺害予告をしました。突然のように大量の報道、論評が流れ、いったい、どう考えればいいのか戸惑っている人がほとんどでしょう。イスラム圏に滞在したことのある日本人、駐在したことの . . . 本文を読む

過激派テロの広がる衝撃波

2015年01月18日 | 国際
  包囲網だけでは解決不能                       2015年1月18日    イスラム過激派によるパリのテロ事件はその後も波紋を広げ、「言論の自由を守れ」から端を発し、相手のイスラムばかりでなく、西欧民主主義社会の底流を問うという広汎な問題を提起しているように思います。幅広い視点、観点から総合的にアプローチすることが大切で、特定の分野だけにとらわれていると、全 . . . 本文を読む

異次元緩和が支える予算の実像

2015年01月15日 | 経済
  国と日銀の奇妙なキャッチボール                       2015年1月15日    2015年度の予算案が決まり、安倍政権は「経済再生と財政再建の両立を目指した」と、いっています。引き続き巨額の国債を発行し、その大半を日銀が実質的に引き受けるという綱渡りの予算編成が続いています。少し前進がみられたとされる財政再建の中身をみますと、本当にそうなのかなと思うとこ . . . 本文を読む

パリ大行進の裏側に潜む問題

2015年01月13日 | 国際
   異様な雰囲気のパリ                 2015年1月13日    イスラム過激派による銃撃テロ事件で、追悼デモがなんと370万人の大行進に拡大し、「パリ解放」(1944年)をしのぐ歴史的規模になったそうです。文明の衝突なのか、差別される移民を組み込んだ欧州の根深い社会問題なのか、「言論の自由を守れ」が事件の核心なのか、テロリストの暴発なのか、欧州を考察するさまざ . . . 本文を読む

テロ 「言論の自由」より武器輸出の制限が先

2015年01月10日 | 国際
  風刺されているのは現代社会                       2015年1月10日    パリの政治週刊紙の本社で12人が銃撃、殺害されたテロ事件に、欧米を中心とする現代社会が震え上がり、異常な反応を見せています。イスラム教に対する風刺が事件の背景にあるとされています。「言論の自由をテロでは奪えない」という怒涛のような叫びも聞こえてきます。わたしは、そうした現象面のこ . . . 本文を読む

CO2対策めぐる不可解な言葉

2015年01月07日 | 経済
  直訳の用語に誤った語感                       2015年1月7日     北日本を襲う豪雪被害を目にして、これも地球温暖化の影響だといいます。夏の台風、猛烈な低気圧の襲来のときの災害も、地球温暖化が人間社会に牙を向けたとされます。そうなのでしょう。それにつけて思うのは、地球環境問題の用語があまりにも不可解で、実感が伴わないどころか、正反対のイメージを持って . . . 本文を読む

円安は日本の安売りという愚行

2015年01月04日 | 経済
  ドル換算では経済価値が減少                       2015年1月5日    アベノミクス(経済政策)では、異次元の金融緩和により、円安を実質的に誘導しています。経済体力に見合った円・ドル相場ならともかく、2年前に1ドル=80円だったのが120円まで円が下落すると、さすがに弊害のほうが大きいぞと、批判されるようになってきました。「日本は自国の通貨価値の下落を . . . 本文を読む

新聞は編集と経営を分離できるか

2015年01月02日 | メディア論
  原則論では仕切れない                       2015年1月2日    朝日新聞が慰安婦報道の捏造事件を反省し、第三者委員会の提言に沿って「経営陣は編集の独立を尊重し、原則として記事や論説の内容に介入することはしません」という方針を決めました。程度の差はあっても、まともな新聞社なら、どこでもこの問題はくすぶり続けてきました。原則論だけで扱えない問題ではあるに . . . 本文を読む