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国際化時代における不正の代償
2016年4月28日
三菱自動車の燃費偽装は、恐らくこの名門企業が社会から抹殺されかねない規模の事件に発展するでしょう。不正車両の買い取り、リコール費用、余計に支払わされた燃料代の払い戻し、供給先の日産に対する補償、株価下落の損害賠償請求、規制当局が課す課徴金、適用を受けた環境軽減税の返却など、処理にいくらかかるのか想像がつきません。海外輸出先 . . . 本文を読む
メディアも安易に宣伝の片棒
2016年4月26日
安倍政権をめぐる政治記事で、いつも気になっているのは、首相がやたらと「指示」を乱発することです。熊本地震の発生で、また「首相指示」が急増しました。歴代政権に比べても、「首相指示」が突出して多いのではないでしょうか。
新聞をよく御覧になってみてください。同じ日の紙面でも、何度も文中や見出しに「首相指示」が登場します。「首 . . . 本文を読む
基本構想の練り直しに迫られる
2016年4月21日
熊本地震の発生から一週間が経ちました。被災者の方々は本当にお気の毒で、早く正常な生活に戻れるよう願っております。この間、安倍政権が地震を理由に懸案を次々に先送りし、当座はこれでしのげても、基本的な政治、経済構想の練り直しに迫られることになりましょう。
おおさか維新の会の片山氏が「タイミングのいい地震」と口走ったのは軽 . . . 本文を読む
学者に欲しい抑制した表現力
2016年4月17日
「第三次世界大戦」に対する懸念をしばしば聞くようになりました。中東複合危機が深まり、それに欧米、ロシアなどの介入や思惑が絡み、中東情勢の構造が複雑化し、「第三次世界大戦」に近づいているか、そうとでもいえる状況にすでにあるというのです。ここで注意すべきは、誇張された表現はテロリストを喜ばすことになるということです。
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日本が自分で守るのが先
2016年4月14日
日中対立の象徴である尖閣諸島で軍事的な有事が発生した場合、米軍が日本の支援にかけつけ、一緒に戦ってくれると信じている人は多いはずです。実際は、そんなに甘くないみたいですね。
2014年4月、日米首脳会談でオバマ大統領が「日本の施政権下にある領土は、尖閣諸島を含め、日米安保5条の適用対象になる」と、明言しました。歴代大統領は . . . 本文を読む
鋭敏だった鈴木氏も陥る罠
2016年4月8日
なんど同じような退陣劇を見てきたことでしょうか。セブンHDの最高経営者、鈴木敏文氏(83)の在任期間があまりにも長く、「いつまでやるつもりなのか」と、懸念していましたら、ドラマ仕立ての最後となりました。すぐれた経営者でも逃れられない宿命の罠があるのでしょう。
私は以前、鈴木氏をよく存知あげておりました。10数年前、倒産状 . . . 本文を読む
もう無理なことをするな
2016年4月5日
黒田日銀総裁による異次元金融緩和は丸3年になり、4年目に入りました。安倍首相とともに約束した消費者物価の2%引き上げ目標の達成が遅れに遅れ、いまだに実現のメドが立っていません。そのことが多くの国民からむしろ喜ばれているのです。珍妙な経済目標となりました。
景気がよくなっていないのに、物価だけが上がれば、消費者は生活が苦しく . . . 本文を読む
政治に翻弄される日銀委員の任命
2016年4月1日
「ここまで首相官邸もやりますかねえ」。政治の力に押されっぱなしの日銀を心配する声が高まっています。日銀総裁を補佐、けん制するために置かれているのが日銀政策委員会です。委員の構成がますます官邸寄りになっており、チェック機能を失いつつあることを懸念する声です。
「名前を聞いたことがありません」、「どんな実績がある人かも . . . 本文を読む