政治的リスクへの感度が欠如
2024年12月14日
日本最大の鉄鋼メーカーによる米国の歴史的象徴・USスチールの買収は、ほぼ絶望的になりました。日鉄の副会長は「年内に買収完了できる」と、楽観的な見通しを語っていました。社運をかけて2兆円を投じる一方、政治的なリスクに対する備えが不足していました。
米国の歴史的象徴を買収し、日鉄の成長戦略の一角にしようとした経営計画が . . . 本文を読む
第三次世界大戦の予兆
2024年11月21日
日本を含め、各国は財政・経済の健全性を考えるどころではない戦時体制優先の時代に入ってしまったようです。ある統計によると、世界の紛争件数は23年が59件で、戦後最多になったそうです。トランプ氏が米大統領に勝利し、世界情勢はますますその危険度を増していくでしょう。
米国は世界最大の民主主義国でありながら、トランプ氏の政治手法 . . . 本文を読む
候補者自ら危機を呼び込む
2024年7月15日
米大統領選の最中、共和党のトランプ氏が銃撃を受け、「民主主義の根幹を揺るがす暴挙であり、断じて容認できない」、「民主主義の土台を支える選挙が暴力で脅かされている状況を深く憂慮する」という声一色です。異論はありません。
岸田首相は「民主主義に挑戦する暴力には毅然と立ち向かわなければならない」との談話を発表しま . . . 本文を読む
何が真実かを問う意味も失う
23年8月27日
この7、8月ほど歴史の実相が集中的に姿を現した年も珍しいと思います。あらゆる分野でこれまでの行動規範が急激に変わり始め、何を信じてよいのか、何が真実なのかを問うことが虚しくなる夏になりました。これから列挙するのはほどんどがこの夏の出来事です。
「規範」とは何か。「判断、評価、行為などが依拠する規則、基準である。法規範、 . . . 本文を読む
民生より軍拡優先を批判すべきだ
2023年7月20日
中国の4-6月のGDP(国内総生産)が前年同期比6・3%にとどまり、中国経済の回復が鈍い。日本の新聞も大きく報道し、「世界経済の成長にも波及」と懸念しています。懸念すべきことなのでしょうか。
軍拡路線と対外的な膨張政策を続け、米国との覇権争いに勝とうとしている中国の経済が減速し、経済力の面から軍拡にブレーキがかか . . . 本文を読む
脆弱な政治体制を再建する好機
2022年3月17日
プーチンの侵略戦争の暴虐ぶりをリアルタイムでテレビ、ネットを通じて、世界が注視しています。戦争映画でも見るように、独裁政権による戦争の非道さを目の当たりにするのは人類史上、戦争史上、初の体験です。
世界全体を見渡すと、民主主義国家の数を専制独裁政治国家の数が上回ったとされます。その最中に民主主義の脆弱性をあざ笑うよ . . . 本文を読む
前例踏襲で天皇誕生日のお祝い
2022年3月3日
ロシアのウクライナ侵略という情勢下で、各国の大使たちの活躍も報道されています。日本の駐ウクライナ大使は何をしているのだろうかと、日本大使館のホームページを覗いたところ、あまりの無神経さに驚きました。
「日本国大使として、皆様と共に本年の天皇誕生日をお祝いできますことは、大きな喜びであり、光栄に思います」(2月23日付 . . . 本文を読む
政権崩壊の始まりを予感
2022年2月27日
「誰もプーチン大統領を抑えることができない」、「プーチンは批判に動じていない。19世紀の帝国時代を復元した21世紀の皇帝になりたいと願っている」、「過去の多くの侵略者のように致命的に行き過ぎた」。聞こえてくるのは、プーチン大統領への声高な非難ばかりです。
新聞の社説も「撤兵を求める国際圧力を」(朝日)、「国連憲章を踏みに . . . 本文を読む
社説も主張が曖昧模糊
2021年12月9日
北京冬季五輪に対する「外交的ボイコット」という言葉だけが踊っています。中国は痛くもかゆくのないというふりをしています。
実際に、米英などから閣僚や政府関係者が来なくても、五輪開催に全く支障がでない。中国のイメージ悪化に多少の影響が出るくらいでしょう。
中国は「断固とした対抗策をとる」と叫んでいます。実際 . . . 本文を読む
最強国が生んだ最悪の大統領
2021年1月8日
悪あがきを続けてきたトランプ米大統領が7日、ツイッターで事実上の敗北宣言をだしました。民主主義のシンボルである連邦議会議事堂に支持者が乱入した事件を煽ったことが致命傷になりました。トランプ氏はポピュリストを通り越して、煽るだけの大衆扇動家に堕してしまいました。
20世紀最悪の独裁者がドイツのヒトラーとすれば、トランプ氏は . . . 本文を読む
地味なバイデンがオーラの勝利宣言
2020年11月8日
米大統領選を戦ったバイデン氏とカマラ・ハリス氏の勝利宣言をテレビで見て、米国の復元力の凄さに感服しました。両氏はオーラに満ち溢れ、演説会場は盛り上がり、「これが米国の裸の姿だ」と思いました。
最高権力の座がアドレナリンを生む。オーラではトランプ氏に圧倒されていた地味なバイデン氏が別人のようでした。敗北したトランプ . . . 本文を読む
保護主義と対中強硬策に訴求力
2020年10月12日
米大統領選で「民主党のバイデン氏の勝利は動かない」が米国メディア、日本メディア、識者の大半の予想です。これに対して、日本でも著名な仏学者が「トランプ再選の可能性が大いにある」と予言しました。
歴史人口学者のエマニュエル・トッド氏です。ソ連の崩壊、英国のEU(欧州連合)離脱を予言し、さらに2016年の大統領選では「ト . . . 本文を読む
ネット社会はウソが力を持つ
2020年10月1日
米大統領選の第一回テレビ討論会が行われ、「史上最悪のテレビ討論」「史上最悪の大統領」「政策論議なしの泥仕合」「米国の愚劣さの恥さらし」と、酷評されています。
これが民主主義の最大の国、しかもその国の最大の政治イベントの姿なのでしょうか。国を左右する大統領選だからこうなるのでしょうか。草の根の選挙では、民主政治が健在なの . . . 本文を読む
東京の猛暑を避けるチャンス
2020年3月24日
東京五輪の夏の開催が見送られ、1,2年後に延期することが確定的になりました。後味の悪い「呪われた五輪」(麻生副総理)のイメージを払拭するためにも、夏の開催をやめるいい機会です。再び延期することがないように、2年後の「2022年秋の開催」に軌道修正するのがいいと思います。
「1、2年後」のうち、「1年後」の開催はリスクが . . . 本文を読む
IOCの優柔不断が不安増幅
2020年3月19日
国際オリンピック委員会(IOC)は「東京五輪を予定通りに開催(7月24日から)する」と、声明を発表しました。「大会まで4か月以上ある」といいます。ぎりぎりまで見極めたい主催者側として、こうした言い方で逃げるしかない事情があるにしても、どうするか態度決定を保留していると、延期すらできず、最悪の中止に追い込まれる懸念があります。
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