安倍政治がもたらした敗北
2024年10月30日
衆院選で自民党が歴史的な大敗を喫し、立憲民主党、国民民主党が躍進し、自公政権が過半数割れをしました。メディアには「安倍政治の負の遺産」(政治学者・牧原出氏の指摘)が自民の敗北を招いたという視点が不足しています。政局舞台裏の情報ばかりが溢れ、長期的な分析が足りないように思います。
メデ . . . 本文を読む
政府万能論を担ぐ首相ら
2024年10月18日
衆院選が始まり、世論調査では、早くも自民過半数割れか、自公は過半数維持かなどの予想が報道されています。新聞紙面1㌻を埋め尽くす主要政党の選挙公約を読んでみると、政府が何から何まで手をだす、さらに政府ができないことまで背負いこみ、失敗しているようにみえます。
ノーベル経済学賞などは、細かな課題より、大きくなりすぎた政府が . . . 本文を読む
2024年10月6日
金融財政の正常化を嫌う市場
石破茂氏が新首相に選ばれ4日、国会で所信表明演説を行いました。新聞の見出しを拾うと、「生産性を上げ賃金増」、「成長経済目指し投資に力点」、「防災庁へ準備」などです。所信表明演説は新政権の願望に過ぎず、公約でもなく、簡単に実現できそうにない多くの項目が並んでいます。
政治家、特に首相の演説、発言は注意して聞く必要があり . . . 本文を読む
高市氏では新たな混乱の始まり
2024年9月28日
自民党総裁選の決選投票で、石破茂氏(67)が高市早苗氏(63)を破り、10月1日召集の臨時国会で首相に選出されます。一回目投票で高市氏が議員票、党員票でトップにつけ、決選投票でも勝つのではないかとのムードを感じた人もいははずです。
それが石破氏の議員票が初回(46票)より130票近く増え、逆転勝利となりました。私は . . . 本文を読む
政策論争を避けるな
2024年9月14日
自民党総裁選は12日に告示され、過去最多の9人が立候補し、上位2人の決選投票にもつれ込むと、予想されています。これまでの決選投票では、派閥の領袖らの密室の駆け引きが行われ、順位の逆転もあった。閣僚、党の主要ポストは論功行賞のような形で配分された。
派閥解消が進んだ今回は、どのような形で決選投票が行われるのだろうか。改革派と保 . . . 本文を読む
次世代にはピンとこない
2024年8月16日
天皇、皇后両陛下、岸田首相らは15日、全国戦没者追悼式に参列し、310万人の犠牲者を悼みました。新聞、テレビはみな「79回目の終戦の日となった15日」、「終戦から79年を迎えた15日」など、「終戦」という呼び方をしています。
「終戦」というと、戦争に勝ったのか負けたのかが分かりません。「国民の9割が戦後生まれとなり、衆院においても . . . 本文を読む
メディアも右往左往
2024年6月27日
連日、岸田降ろしの風が吹きまくっています。こうなると何が正しい選択なのかより、岸田首相がいつ退陣するか、だれが後継首相になるのかに関心が移ってしまうのが政治ジャーナリズムの悪習です。
政治の底流より、表層雪崩の動きばかりを報道する。かりに次の総裁が決まったとっしても、日本の政治がどう変わっていくのかが分からない。スローガンだ . . . 本文を読む
駆け引きより政策論争を
2024年6月21日
イタリアでG7(先進国首脳会議)が先日開かれ、7人の首脳のうち6人が来年も参加できるか分からないと指摘されました。岸田首相、バイデン米大統領、マクロン仏大統領らです。G7が1975年に開かれ約50年経ち、国際情勢の力関係は様変わりとなり、G7はすっかり力量が低下しました。大波乱の世界史の時代です。
日本の一人当たりのGD . . . 本文を読む
政治空白と円売りの連動を懸念
2024年4月29日
衆院3補選で立憲民主党が3勝、与党の自民党が3敗しました。「岸田首相の政権運営に打撃」、「自民1党優位体制に崩壊の予兆」、「岸田首相では次期衆院選を戦えない」との声が強まっています。日本の政治は長い空白期に入ると思います。
立憲民主党と含む野党に、「厳しさの増す国際環境の中で、日本をどうしていくのか」という統一さ . . . 本文を読む
解散・総選挙は遠のく
24年4月5日
自民党は派閥の裏金事件を巡り、安倍派、二階派の計39人の処分を決めました。新聞各紙をみると、表現にかなりの違いがあり、新聞社のスタンスが反映されています。朝日は「自民裏金」、毎日は「裏金事件」と表現したのに対し、読売は「不記載」としています。
読売は関連記事でも「自民党派閥の政治資金規正法違反事件」という表記です。意図して「裏金 . . . 本文を読む
政治不安がマネーばらまく
2024年3月8日
泥沼状態にはまった米大統領選、岸田政権の支持率の急落といい、日米ともに深刻な政治危機に陥っています。その中で株価は両国とも史上最高値を更新しました。政治的安定がマネー市場の安定に欠かせないという常識がもう通用しないようです。政治不安から財政金融の膨張策が長く続き、大量のマネーが市場に供給された結果なのでしょうか。
金価格 . . . 本文を読む
稀にみる政治改革の好機到来
3月2日
自民党派閥の裏金事件を巡り、2日間わたる政治倫理審査会が行われ、日本が政治を刷新する好機がきたのに、虚しく時間を空費しています。新聞、テレビも説教調の報道を続けていれば、自民党が自ら改革に動きだすとでも思っているようです。
岸田政権支持率も自民党支持率も20%台に低下し、「支持政党なし」は50%台まで上昇しています。こんな時でも . . . 本文を読む
罪は民間人に押し付ける
2024年2月9日
週刊文春は「五輪汚職、高橋被告が独占7時間」というインタビュー記事(2月15日号)を掲載し、五輪組織委員会に高橋被告を理事として招き入れた安倍、森元首相に憤懣をぶちまけています。「なぜ俺が全ての罪を被るのだ。政治家はどうなのだ」との怒りを文春砲は伝えています。
スポンサー契約を巡り、約2億円の賄賂を受け取ったとする事件で、 . . . 本文を読む
2人の高官の去り際のドラマ
2024年2月1日
日経新聞で定期的な購読者が最も多いと思われる連載コラム、著名人による「私の履歴書」(1か月)に異変がありました。昨年11月に財務省財務官OBで日銀総裁を務めた黒田東彦氏、今年の1月には事務次官OBで東京五輪組織委員会の事務総長だった武藤敏郎氏が登場したからです。
黒田氏(1944年生まれ)は国際金融、武藤 . . . 本文を読む
時代の中核的世代が政治を担え
2024年1月20日
政治資金の還流疑惑事件で、東京地検特捜部は安倍、二階、岸田派を立件したものの、会計責任者らだけを起訴し、幹部議員は見送りという尻切れトンボの幕引きになりました。検察も自民党も正体を見せたのです。
予想された通りの結末になる一方で、安倍派(96人)、二階派(38人)、岸田派(46人)の3派が派閥解消を決めるという予想 . . . 本文を読む