中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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2021年、路頭に迷わないために

2018年06月10日 | コンサルティング

「東京オリンピックが終わるとすぐに大きな不景気がやってくる」というのは、ほとんどの経済評論家や学者が確信していることです。しかし、今は2020年の東京オリンピックに向けて建設・土木を中心に需要が増加し、労働者の確保に困っている企業が大半です。そんな景気の良いときに、不景気が来るなどと言えば「場の空気を読めない奴」と言われるだけです。だから不景気になるとわかっていてもあまり口には出さないし、出しても誰も聞いてくれないでしょう。

はっきり言います。2021年は不況の年となるでしょう。大企業の利益は激減し、中小企業は軒並み潰れます。

「いや、多少景気が落ち着いたとしても、不況にはならないだろう」とお考えの方もいらっしゃいます。しかし、過去20年ほどを振り返ってみれば、その考えが単なる願望であることがわかるはずです。

バブル景気とその崩壊後の平成不況は「過去」と呼ぶには早過ぎる、むしろ「ついこの間」のように思えてなりません。人の採用に関してもここ数年「売り手市場」と騒いでいますが、「就職氷河期」はいつの頃の話だったのでしょう。

2020年の秋から始まる大幅な需要の減退はわかり切ったことです。東京オリンピックの経済効果は約30兆円と言われています(みずほ総研による試算)。日本のGDPが年間約500兆円ですからその規模の大きさがわかります。それが泡のように消えてしまいます。

景気が悪くなっても、企業が生き残るためには何が必要でしょうか。モノでしょうか、それともカネ?

もちろん「売れる商品」を作れば良いでしょうし、利益を得ることができる事業に資金をつぎ込めば安泰です。しかし、モノとカネは勝手に働いてくれません。ヒトがそれらを動かすのです。

今こそ2021年の不況に備えて「ヒト」に投資をする時です。単に人材を確保するだけでなく、お金と時間をかけて育成しなければなりません。それも今すぐにです。1日遅れればその分倒産のリスクが高くなっていきます。

日経ビジネスに次のような記事がありました。「・・・おそらく「人への投資」を惜しむ企業は、オリンピック終了とともにあえぐ。いや、正確には大企業は下請けを買い叩くことで生きながらえ、中小は消える。なんだかとんでもなくひどいことを言っているようだが、私は真面目にこうなってしまうと考えている。それほどまでに「企業への人への期待」が薄らいでいることに危機感を抱いているのである。」(日経ビジネス2018年1月16日「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」)

残念ながら、河合氏の見方は正しいように思えます。人の育成を怠った企業の経営者は路頭に迷うことになるかもしれません。特に中小企業の経営者の皆さんには、今すぐにでも「人材育成」に真剣に取り組んでいただきたいと切に願っています。

2021年まであと2年ちょっとしかないのですから。

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