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他責や自責の前にあるもの

2018年10月14日 | コンサルティング

「他責はダメ!」研修で何度も口にする言葉です。他責とは文字どおり、他人に責任を押し付けることです。職場でなにか問題が起きたとき、自分のミスが原因だったとしても、他者のせいにすることです。

「お客さんに怒られた」→「自分をきちんと指導しなかった上司が悪い」、「見積書の金額を間違えた」→「わかりにくい見積書のフォームを作った人が悪い」。どんな組織でも、こういう考え方をする人は確かにいます。他責思考の人は責任感がなく、成長しようとしません。

その反対の自責とは、問題の原因が自分にあるのでは?と考えることです。たとえ相手側のミスだったとしても「もしかしたら自分の伝え方が悪かったのでは?」と考え、まず自らの行動を点検します。そこで、研修では「他責はダメ、自責で考えること」と口を酸っぱくして言うのです。

ただし、気をつけなければならないことが1つあります。それは、問題が生じたとき「自分か他人か」を真っ先に考えてはいけないということです。大事なのは、はじめに「責任」というものを正しく捉えることです。

責任とは「(誰かが)引き受けて行わなければならない任務、義務」です。まずは「やらければならない任務」を明確にすることです。関係者全員でその任務に向き合い、解決することが最優先です。さらに、今後同じような問題が生じないようにするための対策を考え、誰が何をするかを決めます。

そうしておけば、各人がやるべきことが明確になり、その後問題も起きにくくなります。もし同じ問題が起こったら、今度は誰が「責任」を負うべきかがはっきりとわかります。

さて、経営者、管理職の皆さん、ミスをした部下を責めるよりも、部下を指導しなかった自分を責めるよりも、まず「責任」に真正面から向き合いましょう。

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