中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第860話 上司と部下の認識のギャップを埋めるには

2019年11月20日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「あんな大企業なんだから当然知っているだろうと思って話をしていたら、部下がその会社のことを知らなかったんですよ」

 これは、先日弊社が担当させていたただいた管理職を対象にした「部下育成」研修の際に、一人の受講者から発せられた言葉です。

彼は続けて「顧客が何を作っているか、それに当社のサービスがどのように使われているのかということを説明しようとしたのですが、その企業名すらわかっていなかったので、びっくりしました。自分にとっての当たり前は、部下にとっては違うんですよね。今後は、まずその点から確認して、次に具体的な仕事の中身に入っていかないといけないということがわかりました」とのことでした。

話は変わりますが、パワハラの問題が顕在化して久しいために、年々パワハラ防止をテーマにした研修の依頼を受けることが増えてきています。パワハラは絶対に許してはいけないことですが、一方で管理職側も部下側もパワハラに過剰反応してしまい、何でもかんでもパワハラにしてしまうという問題点も起きています。

上司は部下からパワハラと言われてしまうと困るから、部下をきちんと叱ることができないということですし、逆に部下の方はよく理解しないまま自分の意に沿わないことを指示されたりすると、パワハラを受けたと被害者意識を持つ人もいるようです。

それでは、どうすればこうした事態を解決できるのでしょうか?コミュニケーションを活発にとればよいのでしょうか?一緒に飲みに行けばよいのでしょうか?

もちろん、それらをすべて否定するものではありませんが、冒頭の話のように「自分にとって当たり前のことであっても、相手にとっては必ずしも当たり前のことではない」ということを踏まえて考える必要があります。

つまり、各々異なる常識や価値観を基に上司は仕事の指示をし、部下はそれを受けることになるのですが、そうした状態で会話をしていると、自ずと両者の間にギャップが生じることになってしまうのです。

 

このギャップを埋めるためには、お互いの価値観や考え方には違いがあるということを前提に、コミュニケーションを取ることが必要になります。

上司の側は、部下の知識やスキルはどのレベルなのか、自分の仕事をどう受け止めて取り組んでいるのかなどを把握したうえで明確な指示をすることが大切です。一方の部下の側も上司から指導や注意をされたり仕事の指示をされたりした際に、仮にそれが自分の意に沿わないことであったとしても、それに対する不平不満をパワハラやセクハラなどに置き換えて反発したりせずに、まずは真摯に向き合ってみることが大切だということです。

パワハラは絶対にしてはいけないことですが、一方で何でもかんでもパワハラに問題をすり替えて、双方がきちんとしたコミュニケーションを取らなくなることもしてはいけないことのはずです。

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