![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/d4/386bcd5e68a09201c156924889e00f13.jpg)
「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「慎重なところです」
弊社では管理職昇任試験の面接官の仕事を担当させていただくことがありますが、その際に受験者の長所や短所について質問することがあります。
先日担当させていただいたある企業の面接の際にも何度かその質問をしたのですが、それに対して複数の受験者が自身の短所として答えたのが「慎重なところ」でした。
昇任試験の面接に限らず、様々な場面で自分の弱みや短所をどのように言い表すのかは、強みや長所を伝えるときと比べると難しいように思います。それは、弱みや短所について話すことは自分のマイナスな面を敢えて伝えることになってしまい、面接官の自身に対する印象が下がる原因になってしまうのではないかと心配になるというのも、その理由の一つなのかもしれません。
それだけに、いかにマイナスな印象にならないように伝えられるかについて、インターネットなどで情報収集をする人も少なくないと思います。こうして得た情報で短所として挙げられていたのかどうかはわかりませんが、先日私が担当した面接試験での受験者の回答で圧倒的に多かった短所が、冒頭の「慎重なところ」でした。
そこで、慎重さがどのような場面で短所として問題になったのかを具体的に説明してもらうために続けて質問したのです。そのときに多くの受験者が答えたのは「リスクを事前に把握し、それを防ぐための対策を講じる」や「確認作業を徹底し、細部にまで目を配る」などでした。しかし、それは短所というよりは、むしろ長所なのではないかと考えられるようなものであり、結局面接の終了までに弱みが明確にならない人もいたのでした。
面接に限ったことではないかと思いますが、自分の短所を他者に伝えるということには、前述のとおり誰でも抵抗があると思います。一方で、昇任試験で自身の短所を具体的に表現することができないというのも、それはそれで問題だと言わざるを得ません。
以前、別の機会に私が昇任面接を担当させていただいた際に、自身の短所を「気性が激しいところ」と答えた受験者がいました。一般的にはマイナスと捉えられがちな「気性が激しい」という表現をした受験者に具体的なエピソードを尋ねてみたところ、その受験者は「職場の問題に対して自身が率先して先頭に立ち、解決に取り組んだ」という話を紹介してくれました。それを聞いた私は、そのような場面では強い意志を持って臨むことが必要であり、問題解決に率先して取り組んだという点に、本人の言う「気性が激しい」というよりも、「意志と責任感が強い」という印象を受け、好感を持ったということがありました。
このように、人の弱みや短所、強みや長所というものは表裏一体とも言えるようなものであり、状況によって強みにも弱みにもなり得るのではないかというように私は考えています。
話を戻しますと、「自身の短所を話すことには、やはり抵抗がある」という人は、試しに「短所は改善できるポイントであり、短所=成長のチャンス」というように考え方を変えてみるとよいのではないでしょうか。前述のように、自分の短所をオープンにすることで面接官からの信頼を得られ、同時に自分の弱みを話せるのは自分を客観視できているという評価を得られるかもしれません。
さて、あなたは自分の短所をどのように捉えているでしょうか?もし思い当たるものがあるのなら、視点を変えてそれを成長のチャンスと考えてみてはいかがでしょうか。