「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「働き方改革」は当社にとって最も大事なテーマです。どうすれば実現できるのか、このブログでも色々な視点から考えてきました。今回はその総まとめとして、働き方改革を成功させる必要条件について述べたいと思います。
その前にちょっとおさらいになりますが、必要条件と十分条件についてきちんと理解しておきましょう。(わかっている方は読み飛ばしてください)
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pとqという2つの「条件」があるとします。
命題「p⇒q」(pならばq )が成立するとき
p は q の十分条件
q は p の必要条件
といいます。
(解説)pを猫、qを動物と考えるとわかりやすいでしょう。
p「猫」であればq「動物」であることは確かなので、「猫」は「動物」であるために「十分」な条件です。一方、q「動物」であることはp「猫」あるためには「必要」な条件ですが、猫以外、犬やハムスターもやはり「動物」です。なので「動物」だからといって「猫」であるためには「十分」な条件ではありません。
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さて、働き方改革を成功させるための必要条件は「トップのコミット」です。「経営者の関与」「社長の覚悟」と言い換えてもよいでしょう。
「当たり前だ」と思われた方も多いでしょう。しかし、社長が「働き方改革を実現する!」と覚悟することは、実はそう簡単でありません。
一番多い間違いは、社長が管理職にその役割を丸投げすることです。自分は(社長だから)忙しいので、実務を仕切る管理職に「改革の実行」を任せる、というものです。こうなると任された管理職は、自分は(管理職だから)忙しいので、現場の係長に任せる、任された係長は自分は(係長だから)忙しいので、一般社員に任せる・・・となり、結局「改革」は消えてなくなります。
社長自らが改革の実行者にならなければなりません。誤解しないでいただきたいのですが、社長が残業時間になったらフロアの照明を消して歩く、ということではありません。社長の仕事を効率よく片付ける工夫をすることです。
「仕事というものはそう簡単に効率化できるものじゃない!」とお考えなら、その考え方は管理職に、一般社員に、と伝搬していきます。
まず、社長が「時間とコスト」を見直すことに積極的に関わることです。たとえば社内の会議です。社長が議題と求める結論を事前に明確にしてメンバーに伝え、司会役をやって発言を促し、開始と終了の時間をコントロールします。
「社長は意思決定をするのが仕事だ!そんな面倒なことはできない。」そう思われた社長さんは、とにかく一度は「面倒なこと」をやってみてください。「働き方を見直す」ことが、どれほど大変で、なおかつ社長の意思で左右されるのかがとてもよくわかるはずです。
管理職はそうした「社長の覚悟」を目の当たりにして、ようやく自分の仕事を見直しはじめます。そこから管理職の、一般社員の、全社員の意識が徐々に変わっていくのです。
ただし、社長の覚悟はあくまでも「必要条件」です。それだけで「改革」が実現できる保証はありません。しかし、少なくとも「社長の覚悟」がなければ「改革」は絶対にあり得ません。
これからも当社は、働き方改革のための具体的な手法をお伝えしてまいります。しかし、社長に覚悟がなければどのような手法も十分な成果を生みません。実行すれば多少の成果は見えるかもしれませんが、その労力や時間に見合ったものは得られないでしょう。
改正労基法が適用されるまであと2ヶ月を切りました。覚悟はよろしいですか?
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さて、2月7日の当社主催の「いよいよ労基法施行! 3つの策で進める中小企業の働き方改革」はおかげさまで満員御礼となりました。
今回定員のためにお受けできなかった皆様のために、3月に追加セミナーを実施いたします。詳細は後程お知らせいたします。
--- 以下予告です。---
「いよいよ労基法施行! 3つの策で進める中小企業の働き方改革」
日時:2020年3月上旬~中旬 18:30~20:30の予定
場所:都内の会議室を予定しています。
主催:株式会社人材育成社
千代田区九段南3-9-11-802
TEL 03-6272-6335
内容:仕事の進め方を大きく変える3つの具体策の紹介(実施方法について)
料金:1名様5,000円(消費税別)
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