JSP_Blog

IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

お花見

2011-04-12 08:42:48 | 日記
 コートが脱げない肌寒い日が続き、桜も固い蕾をなかなか開かないでいたが、ようやく暖かくなり桜の花が我々の目を楽しませてくれるようになった。

 花見は春の恒例行事であるが、子供の頃に桜の花見をした記憶はほとんど無い。近くにある程度の規模の梅林があり、花見と言えば梅見であった。花見といっても大勢でにぎやかに宴会を楽しむものではなく、家族単位でなごやかに食事を楽しむ形で、どちらかといえばハイキングに近かったかもしれない。こちらのように桜のまとまっている所が近くに無かったことも、桜の花見をしなかった理由だと思う。

 本格的な桜の花見を経験したのは、故郷を離れて大学に進学してからだった。時はバブルの真っ盛りで経済も絶好調であり、世の中が悪い方向に向かうことなど一切考えることも無かった。古くさい言い方だが夢と希望に満ちあふれ、一人家族の元を離れ新生活を始めた。
 サークルの激しい新人勧誘活動が行われており、私は友人に誘われて、サークルの新歓花見に参加した。新人達は、当然ながらほとんどが初対面であり、最初はなかなか会話が弾まなかったが、先輩達のフォローもあり、宴会が進むにつれて賑やかになっていく。会話する声もどんどんと大きくなり、踊り出す人、歌い出す人、早々と潰れて転がっている人等々、大騒ぎになっていった。
 コーラス系のサークルだったため酒が入るとみんなが歌い出す。訓練されているため声量も半端無い。当時は非常におおらかだったので大目に見てもらっていたが、今時であれば周りから大顰蹙を買うのではないだろうか。明日の事を気にしないで今をひたすら楽しむことが出来た貴重な時間だったと思う。初めて見る夜桜が、静かな華やかさを見せていた。

 年齢を重ねるにつれ、自分の中で花見も少しずつ変わってきている。若い頃は文字通り「花より団子」。桜の花は宴会を行うための口実で、お酒を飲んで騒ぐことが一番の目的であった。そんな脇役に過ぎなかった桜が、年々主役に躍り出てきている。もちろんお酒を飲まない訳では無いが、ただ、ただ桜をぼーっと長い時間眺めていることも増えてきたように思う。桜そのものの美しさを楽しめるようになってきたのかもしれない。お気に入りの場所では、大きな池の周りを桜の木が囲んでいる。池の周りの道路はその両側に桜が植えてあり桜のトンネルを造り出す。トンネルを抜けた広場からは池のすぐそばの桜、水面に映る桜、丘一面の桜を一望することができ、多くの家族連れが桜の花をそれぞれに楽しんでいる。

 甚大な被害が発生した東北大震災から1ヶ月がたった。余震もまだまだ続いており、原発もなかなか収束の方向が見えない。被災者の心情を思いやって自粛ムードが広がる中、各地の花見イベントも軒並み中止になってきている。逆にこういった時だからこそ花見をやるべきだという意見も多くある。何もかも自粛していては経済も停滞し被災者への十分な支援が出来ない。ボランティアや募金などは被災者への大きな支援となるが、そうした直接的な行動でなくても、多くの人が出来る限り普通の生活をすることによって経済が回り、間接的に被災者の支援をすることも出来る。東北の食材を肴にして東北の酒を飲み、静かに花見を行った。
 桜の花ひとつひとつは、他の花と比べてみても花は小さく、決して派手では無い。そうした花が一斉に咲き誇ることによって幻想的で華やかな美しさを作り出す。日本は桜の花とよく似ている。一旦散ってしまった花もまた来年咲き誇るに違いない。

(菊)


monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする