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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

ゴールデン・ラッシュ

2011-04-21 11:24:01 | 日記
あと一週間もすればゴールデンウィーク。いつだって、長い休みは嬉しいものだが、今年は少し勝手が違う。あの大震災からひと月余りが経ったが、被災地がまだまだ復旧・復興しない中で、「連休の計画も立てられない」という人が多いようだ。出張中に現地で被災し、ボランティアをして帰ってきた私としても、このゴールデンウィークは、静かに過ごす時間としたい。

そんな中で、週末にNPO活動をしている私のもとには、次から次へと「このゴールデンウィークにボランティアとして現地入りしたいが、どうしたらいいか?」という問い合わせが殺到している。全国各地のNPOやボランティア団体と連絡を取っているが、そうした団体でも100人や200人はすぐに集まるそうで、グループ単位で現地入りするところも多いようだ。バスを仕立てたり、あらかじめ研修やチーム分けをしたりして臨む団体もある。現地に調整のための先乗り部隊を出すといった、現地の手を煩わせない工夫を各々がした上で派遣している。

あまり知られていないことだが、現地では今、ボランティアと被災者の間を取り持つコーディネータが不足していたり、疲弊していたりする。個人で、しかもボランティア未経験の方が、いきなり現地のボランティアセンターに押し寄せることで、コーディネータは危機的な状況に陥るのではないかと懸念せざるを得ない。善意から来る行動であるし、猫の手も借りたいほどの状況だから、「絶対に行くな!」とは言えない。ただもう少し冷静に、そしてより多くの情報を取って行動してほしいと願っている。また、ゴールデンウィーク後にボランティアが極端に減るケースも想定されている。現地では、短期ではなく、長期にわたって活動できるボランティアが喜ばれるのだ。こうした実情がしっかりと伝わらず、「何かしたい!」の一念で、現地に行くことだけを考えている人も少なくない。

こういう現状を、私は密かに「ゴールデン・(ウィーク)・ラッシュ」と呼んでいる。ゴールド・ラッシュの49ersよろしく、「多くの無名の人々が、一つの目的のために、一つところを目指す」からだ。彼らがカリフォルニアの発展の礎となった反面、環境汚染やインディアンの排斥、治安の悪化を招いた。「ボランタリー精神が過去に類を見ないほど発露している」という肯定的側面と、「それによって現地が混乱に陥るかもしれない」という否定的側面が同居する今回と似ていないだろうか。「黄金狂時代」ならぬ「奉仕狂時代」の幕開けなのかもしれない。

「自分のできることを見つけよう」というフレーズがメディアで踊る中、「自分にできることを見つけなければならない」と考えてしまいがちだが、そうではない。ビジネスでも、普段のオフィスでも同じで、「ゴミが落ちていたら拾って捨てる」とか、「エレベータでボタンを押して待っていられる」とか、「大きな声で挨拶できる」とか、誰でもできる基本的なことができない人は、作業ができても仕事はできない。ボランティアもまた同じなのだ。東京でできることだって、いっぱいある。それを見つけるたびに、始めに言ったことが嘘になり、他人のことは言えなくなってしまうから、始末が悪い。
「さぁ、この連休も、被災地のために頑張らなきゃな!」といった調子になってしまうのだから。

 「いざ行かん!」 心優しき 人がいて 東北(きた)の桜は 乱れ咲くらん
(啓)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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