先日の土日に中央道を下り、妻の実家へ行ってきた。祖父の新盆のため、盆灯籠なるものを親族で建てるのだそうだ。現場に着くまで全くなんの事か知らされず、何の疑いも無く法事だと思っていたので何の準備もしていなかったが、行ってみると朝の6:00集合で木の伐採に行くという。「ばっさい」という言葉がすぐには伐採と結びつかない。
明けて翌日。5:30に起こされ、じゃ、いってらっしゃーい、と軽トラ2台に分乗して男5人で近くの林に向かった。聞くと、うちの林なんだそうだ。へー、畑と田んぼと林もあんのね、なんてのんきな事を考えていると、耳をつんざくドゥルルンという音。
あー、これこれ、と直径25cmほどの木を撫でている義父とチェーンソーを動かし始める隣の親族。
そっちに倒すぞ、気を付けろー、なんて簡単に言ってくれているが、こっちは普段着にスニーカーだ。結構な勾配がある斜面を素早く動くなんて、体重が重いのを差し引いても無理がある。とりあえず絶対に巻き込まれないだろう大木の陰に隠れると、あっという間に木が倒れてきた。余計な枝を刈って男5人でえっちらおっちら軽トラに乗せる。木全体の長さが軽トラの倍、大体6,7mなのでフロントガラスの先に枝が垂れ下がり、後ろは地面に擦りそうになっている。さて、もう1本と同じような木を伐採し軽トラに乗せた。ちなみにここまで、まだ何をするか説明は無い。盆灯籠というものを建てるという情報のみだ。
伐採した木を家へ持ち帰ると続々と親族が集まってくる。皆、作業着に腰袋をぶら下げている。腰袋の中は鉈、ノコギリ、植木鋏などなど。さてやるか!と長老風のお爺ちゃんが一声かけると皆が一斉に動き出す。鉈で木の皮に切れ目を入れるとベリベリ皮を剥がしていく。2本の木は一番上に数本の枝を残してすっかり皮が無くなった。その後1本は上の枝も刈られたので真っ直ぐな枝のない白木になった。
ここでやっと説明書が登場!ついに私にもゴールが見えた。どうやら枝を残した木を中心にもう1本を切って横木にし十字に組む。十字に組んだ部分に荒縄で桔梗を表す結び方をするらしい。最終的に家の前に木を立てて灯りを付ければ盆に死者が迷わず家に着ける、という目印が盆灯篭だった。
しかしゴールが見えても私には道具が無い、作業出来るような服も着ていない、で、専ら雑用係である。ゴミを纏めたり、オロオロしている合間に作業を見ていると長老風のお爺ちゃんが凄い。
木の木目を読んで鉈を直角に当てている人に指示をしている。もうちょい右、そこでやってみろ、と言うと別の人が当てている鉈に金槌を打ちつけて木を割っていく。楔を使って裂け目をどんどん広げていくと、見事に真っ二つ。テキトーにやると木目に沿って裂けてしまうので真っ二つにはいかないそうだ。
あまりに見事なのでどうやるのかコッソリ聞いてみたが木目の真北と真南を結んで鉈を当てると真っ二つになるそうだ。コツを聞いても真北と真南の目が読めないのでどうしようも無い。
そうこうするうち3時間後、作業の全てを熟知している職人のようなお爺ちゃんのおかげで盆灯籠が出来上がった。写真を撮れば良かったが完成後にどしゃ降りの雨になったので、生憎写真が撮れずじまいで帰ってきてしまった。
盆灯籠全体は2階建の家の屋根より高い案山子のようだ。てっぺんの枝は残し、横木の端に切った枝を括り付けてあるので緑色が頭と手に見える。案山子に見たてると首の辺りに大きな桔梗の花びらのネクタイ。さらに下の方には中心の木を支えるように左右に2本の割いた木を立ててあり、横木で連結してある。googleで検索すると高灯籠とも言うようだ。
期せずして地域の伝統に触れる機会を得た訳だが、これがなかなか楽しかった。全く戦力外なので作業全体を眺められたのも良かったのだろうと思う。こうやって後世に技術は伝承されていくんだ、と感心したが、私はと言うと、作業途中で昔、垣根を作る時に使った垣根結びという縄の結び方も教わったが既に再現出来なくなっている。文化の伝承者には向いていないようだ。(野)
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製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
明けて翌日。5:30に起こされ、じゃ、いってらっしゃーい、と軽トラ2台に分乗して男5人で近くの林に向かった。聞くと、うちの林なんだそうだ。へー、畑と田んぼと林もあんのね、なんてのんきな事を考えていると、耳をつんざくドゥルルンという音。
あー、これこれ、と直径25cmほどの木を撫でている義父とチェーンソーを動かし始める隣の親族。
そっちに倒すぞ、気を付けろー、なんて簡単に言ってくれているが、こっちは普段着にスニーカーだ。結構な勾配がある斜面を素早く動くなんて、体重が重いのを差し引いても無理がある。とりあえず絶対に巻き込まれないだろう大木の陰に隠れると、あっという間に木が倒れてきた。余計な枝を刈って男5人でえっちらおっちら軽トラに乗せる。木全体の長さが軽トラの倍、大体6,7mなのでフロントガラスの先に枝が垂れ下がり、後ろは地面に擦りそうになっている。さて、もう1本と同じような木を伐採し軽トラに乗せた。ちなみにここまで、まだ何をするか説明は無い。盆灯籠というものを建てるという情報のみだ。
伐採した木を家へ持ち帰ると続々と親族が集まってくる。皆、作業着に腰袋をぶら下げている。腰袋の中は鉈、ノコギリ、植木鋏などなど。さてやるか!と長老風のお爺ちゃんが一声かけると皆が一斉に動き出す。鉈で木の皮に切れ目を入れるとベリベリ皮を剥がしていく。2本の木は一番上に数本の枝を残してすっかり皮が無くなった。その後1本は上の枝も刈られたので真っ直ぐな枝のない白木になった。
ここでやっと説明書が登場!ついに私にもゴールが見えた。どうやら枝を残した木を中心にもう1本を切って横木にし十字に組む。十字に組んだ部分に荒縄で桔梗を表す結び方をするらしい。最終的に家の前に木を立てて灯りを付ければ盆に死者が迷わず家に着ける、という目印が盆灯篭だった。
しかしゴールが見えても私には道具が無い、作業出来るような服も着ていない、で、専ら雑用係である。ゴミを纏めたり、オロオロしている合間に作業を見ていると長老風のお爺ちゃんが凄い。
木の木目を読んで鉈を直角に当てている人に指示をしている。もうちょい右、そこでやってみろ、と言うと別の人が当てている鉈に金槌を打ちつけて木を割っていく。楔を使って裂け目をどんどん広げていくと、見事に真っ二つ。テキトーにやると木目に沿って裂けてしまうので真っ二つにはいかないそうだ。
あまりに見事なのでどうやるのかコッソリ聞いてみたが木目の真北と真南を結んで鉈を当てると真っ二つになるそうだ。コツを聞いても真北と真南の目が読めないのでどうしようも無い。
そうこうするうち3時間後、作業の全てを熟知している職人のようなお爺ちゃんのおかげで盆灯籠が出来上がった。写真を撮れば良かったが完成後にどしゃ降りの雨になったので、生憎写真が撮れずじまいで帰ってきてしまった。
盆灯籠全体は2階建の家の屋根より高い案山子のようだ。てっぺんの枝は残し、横木の端に切った枝を括り付けてあるので緑色が頭と手に見える。案山子に見たてると首の辺りに大きな桔梗の花びらのネクタイ。さらに下の方には中心の木を支えるように左右に2本の割いた木を立ててあり、横木で連結してある。googleで検索すると高灯籠とも言うようだ。
期せずして地域の伝統に触れる機会を得た訳だが、これがなかなか楽しかった。全く戦力外なので作業全体を眺められたのも良かったのだろうと思う。こうやって後世に技術は伝承されていくんだ、と感心したが、私はと言うと、作業途中で昔、垣根を作る時に使った垣根結びという縄の結び方も教わったが既に再現出来なくなっている。文化の伝承者には向いていないようだ。(野)
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