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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

真夏の稲刈り

2012-08-09 10:42:22 | 日記


先週8月3日のビジネスブログ「稲作体験記 Part1」を楽しく読ませて頂いた。 実はその日に、私の実家(九州)の田んぼでは稲刈りが行われていた。両親は高齢で既に引退しているため、稲刈りしてくれたのは親戚の農家である。 と言う訳で、「稲作体験記」の筆者には申し訳ないが、私が子供の頃の稲刈りについて書いてみたい。

当時、私の故郷では、3月下旬に代掻き、4月上旬に田植え、8月上旬に刈り取り、乾燥と脱穀を済ませて15日の旧盆を迎えていた。 東北の米どころより2ケ月早い稲作である。九州は台風銀座と呼ばれるよくらい台風がやってくる。夏に稲刈りするのは、実った稲穂が台風にやられない為の対策だと聞いた。 今でこそ、コンバインで一気に刈り取って袋に詰めてしまうが、40年前までは、田植え同様に人海戦術だった。

子供と言えども貴重な労働源だった。自分んちの田んぼだけでなく、従兄弟んちの田んぼも親戚が一同に集まって皆で刈り取りした。8月上旬の2週間は、毎日が農作業だった。 作業は暑い日中を避け、朝は5時に起床して取りかかった。6時から11時まで農作業して一旦帰宅、また15時頃から再開して18時頃に終わる。 作業が終わっても母親たちは夕食の準備と男たちの「ダイヤメ」と称する晩酌の準備で大変だった。

刈り方は地方によって様々だろう。まず、刈り取った稲を干す「ウマ」を作るための場所を確保する必要がある。 そのため、畔に沿って約2mの巾で刈り取って行く。ウマとは、そのものずばり稲を乗せる馬のことである。長さ6~7m、直径15cm程度の孟宗竹と2mくらいの杭を組み合わせて作る。 作り方としては、先に足場を組む。端は3本の杭を交差させ、肩と同じ高さで組み、その上に竹を乗せる。3m置きに、2本の杭を組み、竹が終わったら、次の竹を 繋いで行く。(と書いても想像できないと思うので、出来上がった写真をみて欲しい。)


小学生の頃は、父や伯父たちが作るのを見てるだけだったが、中学生になると、手順とコツを教えられウマを作ることを許された。 ただそれだけのことでも、少し大人の仲間入りした気分になったものだ。
稲を刈る道具は、普通の鎌ではなく「ノコガマ」と言う鎌を使った。その名の通り、刃先がノコギリ状になっている鎌である。普通の鎌だと毎日研がないと 切れにくいし、間違って手足を切った場合、大けがをする危険が高い。ノコガマだと怪我しても大事に至らないで済むので、子供たちに与えられた。
稲は一株づつ刈るのは効率悪いので、2~3株を纏めて上の方を左手で持ち、右手のノコガマを根元から手前に一挙に刈る。その刈った束を持ったまま 次の列の2~3株を刈る。それを腰につけていた藁の束から一本を抜いて刈り取った稲を縛る。縛った稲はウマの近くに投げる。 

縛った稲をウマに掛けるのだが、これも決まった掛け方がある。縛った稲の束の根元部分を両手で持ち、どちらかに捻ってウマにかける 最初はどちらでもいいが、右に捻って掛けたら、次は左に捻る。次は右に・・これはできるだけ多く乗せる為と穂が広がって乾燥させやすくするための工夫である。 ここで作業は一通り終了となる。一週間ほど経つと、青かった稲も変色してくる。そうなったらウマから降ろして、自宅に持ち帰り脱穀をする。

現在はこのような稲刈りの光景はほとんど見られなくなった。時々、コンバインが入れない山間部の小さな田んぼで行われている。 平地でも、米作りの担い手の高齢化が進み、後継者もいないので、年々休耕田が増えている。我々が最後の体験者になったのかもしれない。(平)


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