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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

FTA/EPA

2010-09-22 15:12:35 | 日記
 最近よく聞くFTAは Free Trade Agreement の略で、日本では「自由貿易協定」と呼ばれている。協定を結んだ国どうしで、物品の売買やサービスのやりとりに国家として壁を設けず自由に取引できるようにしよう、というものだ。壁は主に税金や量の規制などだ。最近よく聞くようになったのは、お隣韓国がEUとFTAを結んだとか、アメリカと結ぼうとしているという話が聞こえたり、と韓国の躍進がニュースになることが多いからだ。日本も韓国に大きく水をあけられて、ようやくインドとEPAを結んだ。
EPAはEconomic Partnership Agreement の略で、経済連携協定と呼ばれている。貿易だけに特化したのがFTAだとするとEPAは貿易だけでなく、経済全般で二国間の協力体制を深めましょう、という協定だ。韓国とインドは既にEPAを結んでいる。

 韓国がFTAなりEPAなりを結んだ国や地域に液晶テレビや自動車を販売する時、相手国の税金がかからない。日本がFTAにしろEPAにしろ、その国と結んでいない場合、日本の製品には税金がかかる。しかも円高である。同じ機能と品質の製品を頑張って同じ値段で輸出しても、輸入した国や地域の中では韓国製品より日本製品のほうが、かなり高いものになってしまう。頑張って同じ値段で輸出しても、と言ったが、その製品の部品が日本への輸入品だった場合、日本に輸入したときに既に関税がかかっており、部品が高いのだから当然それを組み立てた製品は高くなってしまうのだ。韓国が部品を輸入してもFTAを結んでいる相手国が周辺に多く、部品に関税がかからない。そのため製品もおのずと安い。

 日本は国家をあげて輸出産業に力を入れている割に、輸入には障壁を作っているために、各国とFTAを結びづらい。アメリカがずっと言い続けてきたのは、日本は自動車を山のようにアメリカに売りつけるが、アメリカの農産物をほとんど買おうとしない、自由化してアメリカの製品を買ってくれ、ということだ。日本は、日本の農業はじめ多くの産業を国家が保護する形で育成し続けてきた。そのために何とか旧来の姿をとどめている産業も多いと思う。しかし、昔ながらの姿を残してしまったために、今現在世界と戦える力を持った形態に移行する機会が失われてしまった、とも言える。平均65.8歳になってしまった農業従事者のみなさんに、今頃になって急に世界と戦いなさいというのは、かなり酷な話しではある。しかし、韓国はじめアジアの競争相手と対等に渡り合うためには、日本は保護主義を考え直さなければならないところに来てしまった。
 自由化すると日本の農業は滅んでしまう、という農業関係者は多い。250万人の農業従事者が将来に不安を感じる政策を取れば、当然250万票の票が野党に流れる。与党は自由化に踏み切れず、おのずと各国とのFTA交渉も弾みがつかない。

 完全な自由化を行うと宣言してしまえば、多くの国とFTAやEPAを結ぶスピードは速まるだろう。しかし、それは世界と国内との壁が無くなる、ということで、チャンスが大きくなる反面、世界との「競争」という厳しい現実にさらされることになる。
 日本の教育は今、完全に内向きだ。世界との「競争」という現実は日本の若者を一時、不幸のどん底に叩き落すかもしれない。それは強い若者が育つ素地と言えなくも無い。


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資源と利益

2010-09-21 09:26:46 | 日記
 4月20日に爆発炎上事故を起こしたメキシコ湾の石油掘削基地の海底にあった油井は、9月19日、BPの発表によると別に掘られた穴を通して事故現場より深部にセメントが流し込まれ、完全に封鎖されたという。7月15日には油井の口をセメントで固めて原油の流出が止まったと発表していたが、深海の話なのでオープンな形では実際誰も検証できていなかった。今回もアメリカ政府が完全に封鎖されたことを確認した、と発表している。周辺住民への補償の問題があるため、まだ流出が続いているとはとても発表できる状況ではない。流出量も490万バレル(7億8000万リットル)と言われているが、これもアメリカ政府による推定だ。過去の最大流出量が4200万リットルだそうなので、発表されている数字を信じても18倍の規模の事故になってしまった。

 海底資源の開発先進国アメリカでこの状況だ。今後、アジアの海でも海底資源開発が盛んにおこなわれることになるだろう。日本の近海は世界でも有数の生物多様性を誇る海だそうだ。1回の事故が今後何十年にわたってアジアと世界の海を汚染する可能性を秘めている。
 尖閣諸島の漁船問題では多くの中国国民がかなり敏感になっているようだ。このようなブログで取り上げる問題では無いとも言える。

 企業が利益優先で活動した結果メキシコ湾で大事故が起きた。ここアジアでは国家が利益優先で動こうとしているように見える。少なくとも日本人の多くはすでに利益優先の社会が本質的な豊かさをもたらさないことに気付き始めている。とは言え、給料が少ないと不満を言って来る社員もいる。地下から掘り出せば金になるのなら自分のものにしておきたいと考える人が大勢いて当然だ。

 だが、平和で安全であることは長い目で見るとどちらにも損にならない。海底資源は安全に利用できるところまでこぎつけるのが至難の業だ。協力してアジアの海では今後一回も事故が無く汚染もない資源開発を目指してみてはどうだろうか。
 地球という星に住む人類の寿命は、すでに国家の枠を超えて考えなければならないところまで来ている。BPの事故は世界の問題であると大きく取り上げて大騒ぎするべきだったのに、アメリカは大企業の圧力に屈してそれをしなかった。経済と経済的な利益が優先してしまうと、本当に必要な方向性を見失う。

 日本政府は、国内の大反対を押し切って中国漁船の船長を釈放してみようというパフォーマンスでもしてみたらどうだろうか。日本はアメリカべったりではない、アジアが大事、という姿勢は今特に重要だ。中国の態度に意地を張りすぎると、日本はアメリカに向かって傾きすぎてしまいそうだ。
 尖閣諸島の領有権をネタに中国とレアアースその他の資源取引の交渉を行うぐらい図太い商人のような外交姿勢があってもいい。地球人としてこの星の少ない資源を共有し共存して行く事を目指したい。


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便利でお得

2010-09-17 09:11:35 | 日記
スマートフォンが流行りだ。おそらく時代はその方向に向かうのだろう。過渡期だからなのか、従来の携帯電話とスマートフォンの両方を持って歩いている人も多い。人との繋がりが携帯電話に左右されてしまっている今、重くても邪魔くさくても2つ3つ携帯電話を携帯しなければ、落ち着かない。仕事にならない。

 昔クレジットカードにも、似たようなことが起きた。現金を財布に入れて歩かなくても、これ一枚あれば十分、という宣伝文句もあったが、一枚どころか、常に数枚持ち歩いている。だから現金は持ち歩かなくなったかといえばそんなことは無い。現金もカードもそれなりに持ち歩く。どちらかといえばカードのほうが枚数が多いが。

 一時小銭を持ち歩きたくないという理由で電子マネーを利用したことがある。結局、小銭も携帯電話も両方携帯しなければ不便だったため、携帯電話を変えるタイミングで止めてしまった。

 新しい技術が世に出るに従って物が増える。シンプルな生活が遠のく。電子書籍がはやりだすと、電子書籍用端末と紙の本の両方が机や本棚に散乱するようになるだろう。携帯も持ち、スマートフォンも持ち、電子書籍も持ち、紙のメモ帳も持ち、クレジットカードも財布も小銭入れも持って、仕事場に向かうことになるのかもしれない。

 生活に必要だ、と考えたくなる品物の選択肢が増え、それぞれのメリットを宣伝されると複数の選択肢を手にして、増えた機能を捨てることが出来ない。ところが新しい技術世界の知識を何も持たず、後から後から流れ出す情報の渦に巻き込まれることもなくシンプルに質素に生きている人もいる。お得だ、と、何かのサービスに飛びついている人から見ると、シンプルで質素な生き方を選んでいる人は、大きく損をしていることになるのだろう。何でこんなに便利なものを使わないのか不思議でならない、という気持ちにもなるだろう。しかし、価値の尺度は一つではない。コマーシャルによって刷り込まれた価値だけが「便利」で「お得」というわけではないのだ。
 
 新しい技術を使った新しい製品を世に出したい、と考えている私たちにとっては、どんな価値を世に問うのか、私たち自身がそれで納得できるのか、常に考えていかなければならない事柄だ。


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インターンシップ

2010-09-16 07:44:55 | 日記
 インターンシップの学生さんが3名、会社に来ている。朝の挨拶は元気で気持ちがいい。一日終わって帰る時間のうれしそうなこと。朝9時始まりの会社なのだが、遅刻してはいけないと初日は7時半に来たという。当然鍵も開いておらず、1階のファミリーマートで1時間以上マンガを立ち読みして過ごしたそうだ。ファミリーマートさんごめんなさい。
 きっちりスーツを着込み、ネクタイをして、ガチガチになって会社に来たら、みんな上着は着ない、ネクタイはしない。「あ、明日からも、ネ、ネクタイとか、してきたほうがよろしいので、しょうか?」と1日経っても緊張しっぱなし一人が、帰る前のミーティングで、これだけは聞いておかなければ、という決死の雰囲気で聞いてきた。3人とも大学3年生、20歳を越えているけれど、こんなに小さな会社であっても、やはり知らない世界には緊張するらしい。

 そう言えば私も学生時代、教育実習に行った事がある。母校の中学校に英語の先生見習いとしておじゃました。英語科の指導教員は、私が中学校時代に新卒でやってきた女性教員で、つらいことも乗り越えて先生としていよいよ油が乗ってきたという風情で、周囲の見えない教育実習生を温かく迎え入れてくれた。この先生には教育実習以来30年近く経った昨年の同窓会でお会いしたが、昔と同じ闊達さで、お会いしただけで元気をもらった。そんな先生だが、赴任してきてすぐは、私達のいたずらに、よく泣いていた。もう辞めてやると思ったことも何度かあるだろう。私も先生を泣かせた生徒のひとりだったのだが、その先生の生徒達、すなわち私が教育自習で教えることになった中学2年のクラスの生徒達は、みんな天使のようなやさしい子供達だった。

 2週間も天使と暮らしてしまったため、彼らと離れ難くなってしまった私は、2週間目の終わり、つまり、もうお別れを言わなければならない日、の前夜、急に彼らに何か思い出の品を残したい、と思い立った。私の似顔絵入りしおり、表は私の前から見た姿が、裏は私の後姿が書き込まれたしおりを作って、一人ひとりにコメントを書き込んでクラスの生徒みんなに渡してやろう、とそんなことを、なぜが思い立ってしまった。

 これは一人ではできない。そう思った私は、中学校時代の同級生に支援を要請した。男子3名女子1名が、急な話であるのに私の教育実習最終日の前日の夜、駆けつけてくれた。携帯電話もない時代に、よく集められたものだ。型紙を作り、しおりの紙に結ぶリボンを作り、似顔絵を描いた。しかし、40人近い生徒のために一夜にして全員分似顔絵を手書きするのは不可能だった。だが、コンビニがある時代ではない。深夜になってコピー機を貸してくれるところなどあるはずも無い。「ああ、どうしよう」と思っていたら、ある友人が、「警察署ならコピー機があるはずだし、夜でもやっている」と言い出した。そうだな、そうだな、と何のためらいもなく私たちは、近くの警察署に駆け込んだ。20代前半の若者が5人、血相を変えて警察署に飛び込んできたために、何事かと夜勤の署員が窓口に集まってきた。口がうまいやつというのは、世の中にはいるものだなぁと、友人が警察官に状況説明するのをポカンと見つめながら、私はそう思っていた。
 「そうか、子供達もいい思い出になるだろう。コピーしたい色紙をかしてごらん。俺たちがコピーしてやるよ」なんとおっとりした、良い時代だったことだろう。私は、警察署員の皆様も巻き込んで徹夜でしおりを作り終わり、しょぼしょぼの目でみんなに「ありがとう」を言って学校に向かった。

 最後のホームルームの時間、一人ひとりにありがとうを言いながらしおりを渡すときには、しょぼしょぼの目は始終ウルウルし、あふれて来そうなものをこらえるのがやっとという状況だった。最後に、こっそり生徒が作ってくれていた寄せ書きをもらうと、とうとうこらえきれなくなっていた。


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たまるか

2010-09-15 08:25:57 | 日記
 昭和40年代のことになるが、「泣いてたまるか」という渥美清のテレビドラマがあった。後に映画「男はつらいよ」につながったテレビシリーズである。このころ男達は男子の生き方を、女達は女子の生き方を、それぞれ我慢強く一生懸命生きていた。この頃のキーワードが「泣いてたまるか」とか「負けてたまるか」とか、大変だがここで弱音を吐くわけにはいかないという強い決意がにじむ言葉であった。私もその時代の洗礼を受けた者として、わからない言葉ではない。自分が生きてきた領域はどんなにつらくても守り抜く。家族を養うため、自分の大事にしているものの平和を守るため。

 「負けてたまるか! 若者のための仕事論 」という本が出ている。書いたのは、丹羽宇一郎さんだ。この「負けてたまるか!」という気持ちがどこに向かったものなのか、正直なところこの本を読んでもなかなかわからなかった。しかし、丹羽さんが社会に出て厳しくしごかれた時代を反映するキーワードが「負けてたまるか」だったことは間違いない。深く深く刻まれている言葉だろうと思う。

 アジアの諸外国、特に中国にはこの「負けてたまるか」精神が今まさに国民の隅々に広く行き渡っているように思える。尖閣諸島で日本の海猿が中国漁船の船長を拉致して自分の国に連れて行ってしまった、などという報道でも流れれば国をあげて大変なことになってしまってもおかしくはない。その国の大使として「負けてたまるか」の丹羽さんが就任しており、深夜も含め5回も中国政府から呼び出しを受けたとなれば、これはもうこれでなかなか冷や冷やする展開ではある。中国国内では、かなりオオゴトになってしまっているようで、日本に「原爆を落とせ、ミサイルを撃て」とネットの書き込みが増加するだけでなく、サイバーテロ予告も出始めているらしい。ただ、この手のニュースはネット上に公開されるや否や何らかの理由で削除されてしまう場合が多く、詳しく再確認が出来ない状態になっている。

 民主党が内輪もめのようなことをしている最中に日本を取り囲む世界ではいろいろなことが起きた。菅さんが選ばれた途端秋風が吹いて涼しいというより寒い感じになってしまった。それでも私たちは、何が大切なのか落ち着いてよく考え、将来のための選択を行っていかなければならないだろう。そのためには、発想の転換が必要だろう。とことんやってきた世代を見てきた日本人だからこそ言える柔軟な、新しいキーワードが私たちには必要だ。例えば「負けてたまるか」ではなく「負けるが価値」のような。
 やけに強気で来る友人に、同じような態度で向き合っても良いことはないかもしれない。柔道の国日本だ。相手の力を利用して柔らかく受け流す工夫が欲しい。丹羽さんはじめ新しい日本の内閣がどのように世界と向き合うか、興味深く観察したい。


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