テレビドラマや小説の登場人物のように理路整然とした言葉で話すのはなかなか難しい。
作り物のほうは基本的に一人の人間の頭の中で生まれた、あるストーリーにのっとった言葉が流れるように繋がって行く。いろいろな登場人物が語っているように見えて実際は一人の人の頭の中でシーケンシャルに発生した言葉を再構成しているに過ぎない。
ところが作り物でないリアルな生活のほうは、各人それぞれが自分の物語を背負って生きている。そのために脈絡があるようで無い。脈絡があるように思える場合は、大概の場合、自分の頭が世界を自分の物語に沿って誤解または錯覚させているのではないかと思う。その上、日常発する言葉は小説やドラマのように作家の大脳内で何度も練り直され文字にされた後でさらに何度も推敲されたあげく役者が練習に練習を重ねて語るように口をついているわけでは無い。
どこに宿っているかわからないが自分自身という自己の本質というか魂に関係なく小脳あるいは延髄が反射的に語ってしまっている。おおむね自分自身でも何を言っているのかわからない。自分自身はいたって冷静に自分の語っている言葉を聞いている場合がある。「ああ、ああ、また何を言っているんだか」。口のほうは熱心に、しかもしどろもどろになってわけのわからないことを語りながら、魂のほうは半ば幽体離脱気味に自分を見つめてそんな風に思っている。多くの場合語っていることの7~8割程度は、そのまま紙に書くことすらできない、日本語として許容される最低限を下回っているように思える。
とはいえ全く何も考えていないわけでもないので、たまたま自分の常日頃考えている事象が話題に上がったりすると、ほんの少し大脳に貯蔵されていた思考がセリフとなって消費される場合がある。その部分だけは他の部分と違って妙に印象的にしっかりとした日本語で語られることになる。そんな場合もやけに冷めた自分が「浅いなー」などと自分自身に突っ込みを入れる程度しか意味のある話ができない。
こんな生活を送っていると、落ち着いてゆっくりと自分の心の中に広がる景色を語ることのできる人たちの姿を見ると驚き感嘆する。
この震災で、語り合う相手を失ってしまった人たちがたくさんいる。それでも心の中で会話を続けて来たのだろう、水を向けられると優しい言葉があふれてくる。心配している周囲の人たちを逆に心配し元気づけようと懸命である。
それぞれが自分なりの物語の中にいるとしても、その物語はこの国のこの星の新しい未来を作る大きな物語に繋がっていて欲しい。一人一人が語る言葉が、実はしっかり脈絡のある物語の一部として次のシーンに繋げて行けるなら素晴らしい。誰かが叫んだ言葉に誰も何も反応せず、ただ言葉だけが空気中に消えて行くだけ、という世界は寂しい。
若芽の間から差す木漏れ日が春の向こうにすぐ夏が待っていることを思い起こさせる強さで地面を照らす。照らされた地面には蟻が行列を作っていた。鳥の鳴き声に交じって遠くから少年野球チームの試合が行われているらしい声が聞こえる。横浜は平和だ。自分を持ち、しどろもどろでもいいから自分の言葉を語れるように、日本中が世界中が平和なひと時を過ごせるように、考えて生きたいと思う。(三)
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横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
作り物のほうは基本的に一人の人間の頭の中で生まれた、あるストーリーにのっとった言葉が流れるように繋がって行く。いろいろな登場人物が語っているように見えて実際は一人の人の頭の中でシーケンシャルに発生した言葉を再構成しているに過ぎない。
ところが作り物でないリアルな生活のほうは、各人それぞれが自分の物語を背負って生きている。そのために脈絡があるようで無い。脈絡があるように思える場合は、大概の場合、自分の頭が世界を自分の物語に沿って誤解または錯覚させているのではないかと思う。その上、日常発する言葉は小説やドラマのように作家の大脳内で何度も練り直され文字にされた後でさらに何度も推敲されたあげく役者が練習に練習を重ねて語るように口をついているわけでは無い。
どこに宿っているかわからないが自分自身という自己の本質というか魂に関係なく小脳あるいは延髄が反射的に語ってしまっている。おおむね自分自身でも何を言っているのかわからない。自分自身はいたって冷静に自分の語っている言葉を聞いている場合がある。「ああ、ああ、また何を言っているんだか」。口のほうは熱心に、しかもしどろもどろになってわけのわからないことを語りながら、魂のほうは半ば幽体離脱気味に自分を見つめてそんな風に思っている。多くの場合語っていることの7~8割程度は、そのまま紙に書くことすらできない、日本語として許容される最低限を下回っているように思える。
とはいえ全く何も考えていないわけでもないので、たまたま自分の常日頃考えている事象が話題に上がったりすると、ほんの少し大脳に貯蔵されていた思考がセリフとなって消費される場合がある。その部分だけは他の部分と違って妙に印象的にしっかりとした日本語で語られることになる。そんな場合もやけに冷めた自分が「浅いなー」などと自分自身に突っ込みを入れる程度しか意味のある話ができない。
こんな生活を送っていると、落ち着いてゆっくりと自分の心の中に広がる景色を語ることのできる人たちの姿を見ると驚き感嘆する。
この震災で、語り合う相手を失ってしまった人たちがたくさんいる。それでも心の中で会話を続けて来たのだろう、水を向けられると優しい言葉があふれてくる。心配している周囲の人たちを逆に心配し元気づけようと懸命である。
それぞれが自分なりの物語の中にいるとしても、その物語はこの国のこの星の新しい未来を作る大きな物語に繋がっていて欲しい。一人一人が語る言葉が、実はしっかり脈絡のある物語の一部として次のシーンに繋げて行けるなら素晴らしい。誰かが叫んだ言葉に誰も何も反応せず、ただ言葉だけが空気中に消えて行くだけ、という世界は寂しい。
若芽の間から差す木漏れ日が春の向こうにすぐ夏が待っていることを思い起こさせる強さで地面を照らす。照らされた地面には蟻が行列を作っていた。鳥の鳴き声に交じって遠くから少年野球チームの試合が行われているらしい声が聞こえる。横浜は平和だ。自分を持ち、しどろもどろでもいいから自分の言葉を語れるように、日本中が世界中が平和なひと時を過ごせるように、考えて生きたいと思う。(三)
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