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ダルビッシュ

 北京オリンピックで金メダルを目指す日本野球チームのエース、ダルビッシュ投手は初戦のキューバ戦で本来の投球ができず、4回途中でKOされてしまった。予選リーグのため1敗くらいはどうってことはないだろうが、現在の日本のプロ野球界で最高の投手と目されているダルビッシュが打ち込まれたことは、私にはかなりの衝撃だった。WBCの時は松坂大輔がエースとして日本を優勝へと導いたが、今はレッドソックスの投手としてオリンピックに参加できないため、ダルビッシュが軸となって大切な試合で勝ってもらわねばと思っていただけに、この一敗で日本の金メダル獲得に暗雲が垂れ込めたと私は思っていた。


 それでも第2戦の台湾戦は、苦しみながらも9回表の猛攻で、抑えの上原にプレッシャーをかけることなく勝つことができた。勝ちみの遅い点に不満は残るものの、湧井の好投は初戦のダルビッシュの不調を補って余りあるものだった。
 迎えた金曜日の第3戦、オランダとの試合は初回に先制した日本をTVで見て、実力差は歴然としているなと安心して柔道の実況にチャンネルを合わせた。塚田真希の残り8秒での無念の逆転負けに悔し涙し、男子100kg超級で優勝した石井慧のなんとも言えぬおバカなインタビューに大笑いした後で、もう一度野球にチャンネルを合わせたところ、田中マー君が8回を抑えた場面を見ることができた。思いの外点差は開いていなかったが、とりあえず2勝目をあげることでチームが乗ってくるんじゃないかと思った。
 
 その後PCでオリンピック関係のニュースを調べていたところ、
「ダルビッシュ、決意の?丸刈り 星野ジャパン球場入り」
という驚くべき記事が写真つきで載っていた。


 「北京五輪の野球日本代表で星野ジャパンのエース、ダルビッシュ有投手(21)が15日、丸刈りで球場入りした。ダルビッシュ投手といえば、球場やテレビCMなどでおなじみの長髪がトレードマーク。それだけに突然の丸刈り姿に周囲から驚嘆の声が上がった。ダルビッシュ投手は五輪初戦となるキューバ戦に先発。被安打7、四死球4で4失点と大荒れで、五回途中で降板と実力を発揮できなかった。違和感漂う球場入りに、報道陣からは「気合いですか?」の質問が飛んだが、ダルビッシュ投手は無言を貫き練習に入った」

 チャラチャラした選手の多い今のプロ野球界で、ダルビッシュ投手はその代表格だとばかり思っていた私はこのニュースを読んで仰天した。余りに驚いたため、今この記事を書いているのだが、ダルビッシュ自身が己の不甲斐ないピッチングに「喝!」を入れるために丸刈りにしたのだと思ってもいいのだろう。帽子からはみ出た茶色に染めた長髪が今のプロ野球選手の流行なのかもしれないが、どうにも違和感を感じざるを得ない私には、ダルビッシュの決意が清々しく思え、外の選手も皆丸刈りにして気合を見せればいいのに、とまで思ってしまう。もちろんこれはダルビッシュ投手個人の決意の表れであって、何も他の選手が追随する必要は全くないが、この先気合を込めるために、丸刈りにする選手が現れてくるかもしれない。
 高校野球でも丸坊主を強制されることのない現在であるから、プロ野球選手がどんな髪型をしていようと部外者がとやかく言う筋合いのものではないが、長髪の選手が多い現在あえて丸刈りにする選手がいると、その試合にかける気合がにじみ出てくるようで、その選手を応援する私たちにも気合が入る。それだけに、覚悟を決めたと思えるダルビッシュ投手の次の登板が楽しみで仕方ないし、必ずや大きな仕事をしてくれるものと期待している。
 
 松井秀喜も左ひざを手術せずに今月中の復帰を目指しているというならば、ファンや周りのスタッフに己の決意の固さを見せるために、丸坊主にしてくれたならば、彼の復帰を待ちわびる人も多くなるかもしれないが・・。

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