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ジャズ?

 土曜日に息子が帰ってきた。5月の連休以来だから、3ヵ月半ぶりに顔を見たことになる。その間私は千篇一律な毎日を送ってきたが、やはり血気盛んな若者は流れる時間の密度が違うようで、何と息子はジャズに興味を持ち始め、ジャズ研究会に所属したと言う。東京でジャズバーやジャズ喫茶に何度か行ったのがきっかけだそうだが、全くジャズというジャンルに親しんでこなかった私には、まさに晴天の霹靂ともいうべきできごとで、どこからそんな遺伝子が迷い込んだものかと驚かずにはいられない。しかも、自分でもサックスを演奏できるようになりたいと、週に一回レッスンを受け始めたところ、ちょっとした経緯で知り合いになった人からサックスを借りることができるようになり、さらにはそのサックスを安く譲ってもらえたなどと、牛歩のごとく展開の遅い我が暮らしを思えば、目まぐるしく動く都会の気ぜわしさそのものの展開を漏れ聞くたびに、私は目を白黒させるばかりだった。
 とは言え、こちらの時間軸で生まれてからずっと暮らしてきた息子にとって、一旦戻って来ればペースを修正するのはさほど難しいはずもなく、日曜になったら以前のようにノンベンダラリとした時間のすごし方をするようになっていた。帰省する前日まで企業のインターンシップに参加していたとかで、将来のことも気になるようだが、家に戻ってくればまだまだ私の息子でいればいい。
 そこで、息子の大好きなマス釣りに出かけて久しぶりに親子で楽しむことにした。ちょうど息子の幼馴染も東京から帰省しているらしく、電話で呼び出したところ、すぐにやって来た。昔よく行ったメンバーが全員揃ったわけで、息子が運転する途中も会話が弾んで楽しかった。

 

 どういうわけだか、水が濁っていて魚影を認めにくくて苦労したが、マス釣りに関してはプロ並の腕前を持つ息子だけに、少し慣れたらどんどん釣り始め、塩焼き、フライ、刺し身にして食べるのに十分なだけ釣ってくれた。運転しなくてもいい私は、安心して缶ビールをぐいぐい飲んでいたら、すぐに酔っ払ってしまった。

 いい気持ちで家に戻った私は、息子をそそのかして東京から持ち帰ったアルトサックスを吹かせてみた。

 

 まだまだやっと音が出るくらいの段階だが、それでも聞き覚えのある曲を演奏してくれた。題名を教えてくれたが、酔っ払った頭では記憶できるはずもない。まあ、大きな音で回りに迷惑を掛けたりしなければ、趣味の程度でずっと楽しんでいけれればいいなと思った。まかり間違っても趣味が高じて・・、などということだけは避けて欲しいものだ。
 一通り、ブカブカやった後で、マス釣りに行く前に寄った本屋で偶然見つけた、ディアゴスティーニの 「Cool Jazz Collection」から、「ビ・バップに挑んだアルトサックスの天才」と呼ばれる(と書いてある)Charlie Parker のCDを聞かせてくれた。「すごいでしょう」などと私に尋ねられてもよく分からない。もう一人、「”ファンキー”で豊麗なアルトサックス」 Cannonball Adderley という人物の号も買ってきたが、この人の名が息子のサックスに彫りこんであるらしい。何にせよ、名プレーヤーの演奏を聞くことは役に立つことだろうな・・。
 などと全くの素人が書いたところで何が何やら分からないが、おいおいゴジ健さんに教えを請いながら、少しは息子の話し相手になれたらいいかな、と思っている。
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