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大学探訪

 日曜日、一泊したホテルから娘の部屋に行くまで少し寄り道をして、大学を探訪してみた。4年前に娘が入学したばかりの頃に、私の父や妻の母を伴って学内を少し回ったことがあるが、その時は余りの変容ぶりに驚いてしまい、全く知らない大学のような気がして少々寂しかった。今回は自分ひとりで自由が利くから少しゆっくり回ってみようかと思った。


 まずは正門から時計台を眺める。前に立つクスノキが立派だが、私が学生の頃にはこんなに立派な木ではなかったように思う。まあ、30年も前の記憶だから怪しいものだが、あの頃と比べればクスノキもかなり成長したのだろう。それにしても正門から入るときれいに整備されていて、ごみ一つ落ちてない。気持ちがいいと言えば言えるが、どことなく余所行きの顔をしているような気がするのは、ノスタルジーに耽ろうとする親父の妄想なのかもしれない。
 構内を少し歩いて驚いたのは、夏休み中の日曜日だというのに、学生が乗ってきたと思われる自転車の多さだ。講義もないのにいったい何のために大学に来るのだろう?、と授業をサボってばかりいた私としては全く理解できないことだ。だが、娘も毎日研究室に通っているらしいから、私の方が考え間違いをしているのは確かなのだが、それでもやっぱり不思議だ。

  

 しかし、本当に立派な建物ばかりだ。写真中央の図書館など、恐れ多くて仰ぎ見ることしかできなかった。法学部の新しい校舎がいくつも並んで威容を誇っている。それにしても、文学部はどこにあるのだろう。私が通っていた頃の建物は見当たらない。昼でも薄暗い教室がいくつも並んでいたあの古い建物はとっくに壊されてしまったのだろうが、この辺りにあったはずなんだけど・・、と建物を見ても経済学部と書いてある・・。おかしいなあ・・。やっぱりかつての不良学生じゃ学部の建物さえも見つけられないのか、などと諦めかけたら、見つかった。


 後で娘にこの写真を見せたら、「これは新館でしょう」と言われてしまった。本館は別棟らしいが、まあ、一枚だけでも写真を撮れたからいいとしておこう。
 もう大学構内はこれで十分だと思って、学生時代の大半を過ごした西部講堂横のかつて「野草を食べる会」のあったクラブボックスが今どうなっているかを見に行った。

 

 この西部の一角だけはまるで時が過ぎていない気がした。30年なんて経っていないかのように何もかもが昔のままだ。ふっとボックスの中から20歳くらいの自分が出てきそうな気がしたほどだ。この時の流れを全く無視した異次元の空間は何だろう。昨日会った諸先輩とマージャンばかりしていた頃のままだ・・。
 このクラブボックスは新しく体育館横に新築される予定で、今工事が行われている。それで一層雑然とした雰囲気が漂っていたため、西部講堂もその全景を写真に収めることができず、何だかはっきりしない写真しか撮れなかったのは残念だ。


 ボックスが今もなお形をとどめているのだから、できれば同窓会はボックスの前で集合すればよかったのに、と一人残念に思った・・。
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