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金魚

 日曜日、散歩していたらある家の前に水槽が置いてあった。すこし緑色がかった水の中には大きな金魚が3匹泳いでいた。
 「こんな風にも飼えるんだね」と言う妻の言葉にちょっと刺激された私は、
 「金魚飼いたいなあ」と言ってみた。私には生き物をちゃんと育てることはできない、といつも反対されてきたので、ちょっと言ってみた、という感じだったのだが、意外にも
 「風水では水槽があると何かにいいんだって。何にいいのかは忘れちゃったけどとにかくいいらしいってTVで言ってた」
 「何かにいいなら金魚飼ってみるか」
 「こんな風に外で飼えるならね。家の中だと邪魔でしょう」
 「OK。外でもいいから、明日金魚買いに行こう!」
散歩で思いもよらぬことになった。金魚は10年ほど前、むちゃくちゃ飼いたくなった時があって、大きな水槽や濾過器やら一式揃えて、何匹も飼っていたのだが、次々と病気にやられてしまって全滅してしまった苦い思い出がある。それに懲りて水槽は物置に放置したままだったが、ここ半年ほどまた金魚が飼いたくなってきて妻に何度も話したのだが、そのたびに「あなたに生き物は無理!」と却下されて思いを果たすことができないでいた。それだけに今回の妻の同意には少しばかり驚いた。だが、せっかくのチャンスを逃しては後悔するから、翌月曜日、少し離れた農協の金魚売場に出かけた。
 どうして農協に金魚が売っているのか分からないが、昔から熱帯魚とともにいろんな種類を売っている。家にあるのは60cmの大きめの水槽だけど、以前全滅したのは、この水槽の許容量を超えるほど多く飼いすぎて、一気に病気が蔓延したためだと思っているので、今度は少しだけ飼うようにしようと思った。4匹にしようかと思ったが、4という数は余りいい気がしないので5匹にするか、と思った。だが、値段を見たら、1匹500円から600円もする。これだと5匹買えば3000円近くするわけだから、金魚にそんなお金を使うのも何だか勿体無い気がしたので、とりあえず3匹だけにすることにした。選んだのは次の3匹。

  

  リュウキン         タンチョウ        オランダシシガシラ 
 リュウキンはフナを小型化したワキンとは違って、まさしく観賞用の金魚だ。尾ひれが長く水の中をゆらゆらひらめく様は、優雅といっても過言ではないだろう。タンチョウは頭のてっぺんが赤くなっている。丹頂鶴にその名が由来するのは一目瞭然だ。オランダシシガシラはもう少し大きくなると、頭がボコボコしてくる。ランチュウも同じようになるが、ランチュウは育てるのが難しいから、私にはとても手に負えない。
 これら三匹はまだまだ小さい。水槽を丁寧に洗い、「麦飯石の砂」という水の汚れを防ぐ効果があるという小石を底に敷いて、酸素を送るブクブクを入れたら準備完了。(家の外に置くなら、水道の蛇口も近いから、水を替えるのも簡単だろうと思って、濾過器を設置するのはやめた。掃除したりするのが案外面倒だし・・)水をバケツで汲んで何杯も入れた(余り冷たくては金魚たちがびっくりするかな、と思って、少し熱い湯を1杯入れてみた)。あとは水道水のカルキを抜くための薬を入れたら、完成。さあ、金魚を入れてみよう。

 

 さすがに水槽が大きくて、小さな金魚3匹だけでは貧相に見える。しかも、新しい環境に慣れるまで時間がかかるのか、金魚たちは底でじっとしている。広々とした水槽で元気よく泳いでくれるのを期待していた私はちょっとがっかりしてしまった。
 最後に野良猫に食べられたりしないよう、水槽の上に網を置いておいた。これなら大丈夫、とまでは言えないが、それなりの効果は果たしてくれるだろう。
 大事に育てていこう!!
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