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漢検

 漢字検定を主催する「日本漢字能力検定協会」の昨年度の利益が20億円にも上り、営利を目的としないはずの公益法人にしては儲けすぎではないか、さらには京都市内に6億円もする豪邸を所有しているのはおかしい、などと批判するニュースをこのところいくつか見た。世の検定ブームに乗って、昨年度の漢検の受験者が270万人に達したと言われているが、いくらなんでも20億円は儲けすぎだと私も思う。検定料が高いのかな、と思って調べてみた。すると、
  1級 5,000円  準1級 4,500円  2級 4,000円  
  準2・3級~7級 2,000円  8~10級 1,500円
となっていた。確かに2級以上はかなり高い。会場費や人件費が嵩むという事情はあるのかもしれないが、事実20億円の利益を得ている以上、検定料をもっと安くすることは十分可能だろう。
 何故私が漢検協会にこれだけ文句を言いたくなったかといえば、塾生の中でも漢検を受ける生徒が年々増えてきて、先週も「週末に試験があるから勉強させてください」と言ってきた生徒がいるからだ。一生懸命勉強し始めたその生徒に、最近の漢検をめぐる報道について少し話したところ、「それなら受験料を安くしてくれたらいいのに・・」と、私と同じ意見を言った。受験料だけでなく、試験対策の問題集を買ったりしなければならないから、漢検の級を取るためには結構お金がかかる。公益法人がいったい何なのかよく知らないが、必要経費を集めるくらいで受験できるようにできないものか、漢検協会の報道に接した誰もがそう思うだろう。
 などとその生徒と文句を言い合っていたら、ふっと、私も漢検を受けてみようかな、と思った。資格なんてものは、運転免許しか持っていない私だから、何か自慢できる資格を一つくらい持っていてもいいかな、と前々から思っていた。だが、英検の一級はとても無理だろうし、他の専門的な資格を取るために勉強する時間も意欲もない。やっぱり私には資格なんて取れないなあ、と半ば諦めていたのだが、漢検なら特別勉強しなくても何とかなるんじゃないか、と甘い考えがその時浮かんできた。「漢検の一級ってすごいの?」と生徒に聞いてみたら、「一級はすごいと思いますよ。何て言っても一番上だから」「そう?じゃあ、試してみようかな・・」
 物は試しと思い、漢検のHPを覗いてみた。一級の出題範囲は、
『常用漢字を含めて約6000字の漢字の音・訓を理解し、文章の中で適切に使えるようにする』
とある。余りに大雑把な定義でよく分からない。HPには過去に出題された問題が貼ってあったので、実際の問題を見るのが一番いいだろうと思ってクリックしてみた・・。だが、
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 愕然とした。ほとんど分からない。何だこれは・・・・?
 私は漢字の読み書きには結構自信を持っている。だからこそ、1級にチャレンジしてみよう!などと生意気を思い立ったのだが、これではとても歯が立たない。今のままでは合格なんて絶対に無理だ。やはり、合格のためには地道な努力が必要だ。問題集を買ってきて勉強しなくちゃならない。う~~~ん、恐るべし漢検一級。

 で、買って来たのは、本試験型の「漢字検定1級試験問題集'10年版」(誠美堂出版)。「最新の出題形式に対応」しているようだが、これを何度か繰り返したら、かなり合格が近づくのではないだろうか?
 
 因みに、問題集から漢字の読みをいくつか・・。
①先人の徳を聿修する。
②夢は須臾にして消え去った。
③英奇を仄陋に采る。
④涓滴岩を穿つ。
⑤図を按じて驥を索む。
⑥烈士は営みを苟にせず。

これだけでも青息吐息なのに、もっとややこしい問題がたくさん続く。道は険しい!!
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