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金木犀

 金曜日の夜、塾を終えて自宅に戻ったら、甘い香りが庭に立ち込めていた。「あっ、金木犀の香りだ」。今年は樫の木が「すす病」にかかってしまい、その隣に生えている金木犀にも害が及んで、葉がかなり傷んでしまっていたので、今年は花が咲かないかもしれないと思っていた。つい先日もふっと思い立って、枝の間を探してみたが、花芽の付いている様子はまるでなかった。それなのに今年も無事咲いてくれたのだから、まことに喜ばしい限りだ。
 などと書くと、毎年金木犀の開花を楽しみに待っているように思えるが、実は家の庭に金木犀が植わっているのを知ったのは、去年のことであり、それまで自宅に金木犀の木があるなんてまるで知らなかった。去年にしてもだいぶ盛りを過ぎた頃に初めてその存在に気づいたのだから、なんて鈍感なんだろうと自分でもあきれてしまう。あの芳香に全く気づかずに過ごしてきたのだから、いくら何でもひどすぎる。昨年までにも金木犀を話題に記事を書いたことがあるが、自宅の庭に金木犀が植わっているのを知っていたなら、もっと楽に記事が書けたのにな、と今となっては己の迂闊さを哂うしかない・・。
 で、翌土曜の朝にその金木犀の写真を何枚か撮ってみた。

 

 この写真は修理に出してあったPanasonicのカメラが戻ってきたので、早速撮ってみたものである。やはりこのカメラの方がきれいに撮れる。ピントはぴったり合うし、遠景も近景もさほど気にせず写すことができる。試しにバスを運転中に見かけた立派な金木犀も写真に収めたから、以下に貼ってみる。


 ちょうど雨がポツリポツリと落ちてき始めてしまい、落ち着いて写真を撮ることができなかったのは残念だが、あまりに見事な枝ぶりに気づいて思わずバスを止めてみた。周りは金木犀の香りに包まれ、むせ返るようだったが、これだけ立派な枝ぶりはなかなか見つからない。あったとしても庭に咲いているものがほとんどなので、おいそれと写真を撮るわけにもいかない。この金木犀はたまたま家の塀の外に生えていたので、これなら写真を撮ってもいいのかな、と勝手に判断して撮ってみた。
 不思議なことにここ2・3日で至る所で満開となった金木犀であるが、示し合わせたように一斉に咲き始めたのはいったいどうしてなんだろう。地下水脈まで伸びた根を通じて、「もうそろそろ咲こうか」などと謀議しているわけでもないだろうから、自然の摂理と考えるしかないのだろう・・。が、なんともまあ、人知を超えた不思議な現象である。

 しかし、実を言えば我が家の金木犀、まだまだ病気からは完全に脱していないように思われる。すす病の痕跡を見せる葉は少なくなったが、枝に目を移すとこの金木犀の現状がよく分かる。


 このぶつぶつの点、いったい何なのか確かめる気が失せてしまうほど、気持ちが悪い。皮がめくれてくるような気もするが、下枝をかなり払っておいたから、風通しがよくなってそのうちこんな点など消えるかもしれない。そうなると良いんだけれど・・・。 


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