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戦力外

 日曜日、塾が終ってはんなりとTVを見ていたら、中日ドラゴンズ応援番組の中で、元ドラゴンズで今シーズンは西武ライオンズに在籍した岡本慎也投手が球団から戦力外通告を受けたことを特集していた。松井秀喜がヤンキースに移籍して以来、めっきり日本のプロ野球に興味を失ってしまった私でも、岡本慎也というセットアッパーの名前くらいは知っている。07年にドラゴンズが日本一に輝いた年には大車輪の活躍をしたものの、そのオフにはFA宣言した和田一浩選手の人的補償として西武ライオンズに移籍することとなった。そのニュースを知ったときには、「なぜ?」と私でさえ不思議な気がしたが、その後西武では目立った働きをすることもなく、いつの間にかその名前を聞くことも少なくなってしまった。今シーズンは途中からずっとファーム暮らしで、そのままシーズンを終えたというから、戦力外通告を受けるのはある程度仕方がないかもしれない。
 だが、彼もまだ34才。自分の力には自信を失っていないようで、11月に行われる合同トライアウトにも参加して来季も現役続行を希望していると、その番組では熱く語っていた。20歳の時から交際を始めたという奥さんも、彼を全面的にバックアップする姿勢を表明していたが、夫婦一丸となって来季もユニフォームを着られるように願う姿には、見ていた私もぐっと熱い思いがこみ上げてきて、思わず「頑張れ、岡本!!」と叫びたくなった。


 ポストシーズンで熱くなっているメジャーリーグに遅れはしているが、日本のプロ野球もほぼ全日程を終えようとしている。後はCS、さらには日本シリーズを楽しみにするだけだが、この時期戦力外通告を受けた選手の話題も新聞紙上で散見される。中日の立浪や井上、さらには広島の緒方というような引退を決めた主力選手には引退試合という花道が用意されるが、自分の思いとは裏腹に戦力外通告を受けてしまった選手は、現役続行を願って他球団からのオファーを待ち、それも叶わぬなら合同トライアウトで自分を拾ってくれる球団を探すという、まさに崖っぷちに追い込まれている。私などからみれば、まだまだ十分動ける肉体を持った年齢の選手ばかりなので、どこか活躍する場所を与えてくれる球団があればいいのに、と願うばかりだが、そうは簡単にはいかないようで、いったん戦力外の烙印を押されてしまうと、浮かぶ瀬はなかなか見つからないようである。

 そういう意味では今シーズンの楽天の躍進は改めて注目する必要がある。「野村再生工場」などと言われるように、今の楽天は他球団をお払い箱になった選手がたくさんいる。などと言ってもさほど楽天に詳しい私ではないから、元中日の山崎武と元横浜の福盛、そしてパ・リーグの首位打者に輝いた鉄平という選手しか思い浮かばないが、これらの選手が素晴らしい働きをしたからこそ、マー君と岩隈の二本柱も存分の働きをすることができたのではないだろうか。
 特に鉄平という選手は元中日の選手で土屋鉄平という名前の選手らしいが、私は全く知らなかった。金銭トレードで楽天に移籍したというのだから、中日時代は全く期待外れの選手だったのだろうが、野村監督の薫陶を受けてその才能を開花させたと言われている。山崎武も楽天に来て、「初めて頭で野球をやるようになった」と述懐しているのを聞いたことがあるので、ブツブツぼやいているだけに見える野村監督は、やはり古だぬきだなと思わざるを得ない・・。


 そう考えてみると、岡本投手が合同トライアウトでも何でも、野村監督の目に留まるのが彼の再起には一番いいように思う。が、野村監督の去就が微妙な現時点では何とも言えない。私としては、野村監督が死ぬまで楽天の指揮を執れば何人もの野球選手が再生されていいのにな、と無責任なことを思ってしまうが、そんなに簡単なことではないのかな・・。

 ひるがえって、松井も35歳、ポストシーズンでクラッチヒッターの名誉を汚すことがあったなら、来季のヤンキース残留どころか、メジャーリーグでプレーすることも難しくなってしまう。
 頑張れ、松井!!
 目指せ、チャンピオンリング!!
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