狂牛病―人類への警鐘 (岩波新書)中村 靖彦岩波書店このアイテムの詳細を見る |
★ 最近はあまり話題にならないが、「狂牛病」の本を読んだ。著者の中村氏はジャーナリストで医学の専門家でないから、かえって読みやすかった。
★ 本著は2001年の発行だから、それから7年が経過している。病気自体は沈静化しているようだが、「狂牛病」問題は食に関して多くの問題を提起した。
★ 今回の事件は汚染された肉骨粉が原因ということ、病原はプリオンというタンパク質ということはほぼ明らかになっているようだが、まだ不明な点も多いようだ。
★ 人食の習慣や乾燥硬膜の移植などで人間に発症例が見られること。「狂牛病」に感染した肉を食べた人間にごくまれに感染すること。治療法がないことがわかった。
★ 病原がウィルスや細菌などでなく、動物が生きる上で欠かせないタンパク質であることから対策は危険部位に接触しないことしかない。感染頻度が低いことがせめてもの救いか。
★ 「共食い」を防ぐために自然がインプットしたメカニズムがあるのかも知れない。
★ ところで1980年ごろ、私は大阪駅前地下の「ぶらり横丁」で牛の「ブレイン」を食べたことがある。今なら恐ろしくて到底できないが、当時は「狂牛病」など知るよしはなく、韓国料理なのだろう、ごま油や調味料で味付けされた「ブレイン」を好奇心で食べた。それから25年以上が過ぎ発症していないから、大丈夫だよね。