じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

2兆円のばらまきに怒り、「米百俵」を読む。

2008-11-12 12:58:39 | 
米百俵 (新潮文庫)
山本 有三
新潮社

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★ 定額給付金をめぐる政府・与党の無能ぶりに呆れて、山本有三「米百俵」を読んだ。

★ 明治初期、官軍に逆らったために窮乏を極める長岡藩の話。日々の食にも事欠く窮乏を見かねて長岡藩に親しい三根山藩から米百俵が贈られる。藩士達はこれに喜んだが、時の大参事、小林虎三郎は米を藩士達に分け与えないと言う。不満に満ちた藩士達が小林に詰め寄るといった話である。

★ 小林は命を懸けて藩士たちに説く。この米を、一日か二日で食いつぶしてあとに何が残るのか。自分は、この百俵の米をもとにして、学校をたてたい。これで人物を養成したい。「今でこそただの百俵だが、後年には一万俵になるか、百万俵になるか、はかりしれないものがある。いや、米だわらなどでは、見つもれない尊いものになるのだ」(新潮文庫、93ページ)と。

★ 先覚者とは小林のような人物を言うのであろう。そして、彼はまた政治家でもあった。彼の説得を受け入れた藩士達も偉い。まだ道理の通る時代だったのであろう。

★ 2兆円をばらまく愚行。小林のような人物はもはや存在しないのか。
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